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【活きる動き?】
前号に引き続き,月刊誌「社会教育」の記事に触発されて一考察をしてみたくなりました。公民館活動のあり方についての報告でした。日頃から何となく気になっていたことなので,整理しておきたくなったというわけです。公民館の抱える課題は,生涯学習の課題とも重なるからです。
公民館の利用状況は,主催講座への参加,講座修了者による自主グループ,会議等の部屋借用が主なものになっているようです。有り体に言ってしまえば,無料の貸し館業務としての要望に応えています。何かしら公民館としての主体性を発揮できないもどかしさを,公民館主事の方々は感じておられるはずです。
活動の実態はどうなっているでしょうか? 実情を知らなければ手の打ちようがありません。多くの活動では,知り合いが集まって好きなことをしています。一時的な知識の取得であれば,それは生涯学習ではないと思われます。生涯学習は,自己充実型の学習であり,ゴールはないものだからです。
公民館グループの弱体化している要因がそこにあると指摘されています。同じメンバーであることから,閉鎖的になり,レベルの向上が滞り,魅力ある活動に育たない上に,自主団体であるということから外に向かってPRをしない,メンバーも増えなくて減っていくだけ,外部の人もできあがった人間関係の中に入りづらくなっていると判断されています。その通りだと思います。
見えてくる課題は,人の自由な交流であり,個人それぞれの動きです。いろんな面での「流れ」がないことです。活動とは活きる動きである,という原点に戻るべきなのです。一つの指針が見えてきました。後はそれをどのように具体化するかということです。流れを特徴づけるキーワードを見つければいいのです。それは「〜から」という言葉です。
流れは上から下へと動いていくものです。滞った水たまりを蘇らせるためには,入り口から新しい水を,出口から古い水を流せばいいのです。活動グループに入り口を作るためには,例えば公民館の主導で活動体験講座を設定して,紹介と募集の機会にすることが考えられます。
社会活動に話を広げておきましょう。
○事業については,単発イベントから常設活動へという流れが可能です。
例えば,連続講座形式という企画が近道でしょう。
○活動の展開については,点から線へ活動のネットワークに向けた流れです。
例えば,花壇をフラワーベルトに拡張すること。
類似の事業を括って,統一テーマのもとで連携すること。
○リーダー心得については,情熱から使命感へというステップアップが必要です。
例えば,役に立ちたいという思いを責任感へ確定すること。
○企画の指針については,知り合うから助け合う,学び合うへという進展です。
例えば,参加から参画へというレベルアップとも重なり合えます。
どのように動きを作るかということが課題であると見つけても,それを具体化するところで立ち往生します。流れという特徴を再現する方策を探せばいいでしょう。現状に出入り口を追加することです。個々の活動種目ごとに可能な「どこでもドア」を見つけたいものです。
(2003年08月13日)
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