*****《ある町の社会教育委員のメモ》*****

【委員会の対外利用?】

 皆が動きやすいように,皆の動きが甲斐のあるように,地ならしされた場を用意することを心掛けています。何もない広場を提供することで,訪れた人が自分なりの活動を思いっきりできたらいいなと願っています。もちろん,社会教育を預かる立場としての思いです。

 場には,いろんなものがあります。組織があります。動きやすい組織であれば,皆の役に立てる組織であれば,それが組織の存立の理由です。社会教育委員会という組織を考えてみます。委員会ですから,何事かを諮り,協議し,決定し,実行していきます。委員会内部のものにとって,それは自明のことです。普通はその域をはみ出すことはありません。
 会の代表という立場にいると,外からの視点を持たなければなりません。代表は外の世界に対する責任を引き受けているからです。部外者にとっての社会教育委員会の存在意義を考えることも必要です。委員会という場を開放することができないだろうか,という問題意識です。無謀かもしれませんが,できるかできないかを検討してみようと思い立ちました。
 社会教育活動には,たくさんの人が関わっています。それは仕事であり役割です。やって当たり前,それだけのことです。ところが,そこではやりっ放しという一方通行の流れが定着します。結果を見直し,考え直し,課題を意識化するプロセスが失われています。そんな時間はないという理由が罷り通るからです。
 社会教育委員会で報告をしてもらうという手だてを考えました。委員の勉強のためにという名目で,部外者の方に活動発表をしてもらいます。正式の立場で報告発表をするためには,活動や事業をまとめて整理し,意味づけをしなければなりません。その機会を提供することができますし,委員会で報告をしたという実績にも算定することができます。
 余計なことですし,委員会にそんな権威があるはずもありませんが,はじめはみんなそんなものです。続けるうちに,当たり前になり,格式が生まれてきます。そんな行く末を夢見て,来月の委員会から実施していこうと予定しています。お招きする方は,昨年から配置されている地域活動指導員と奉仕活動体験活動コーディネータのお二人です。楽しみです。
(2003年11月22日)