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【流れの把握?】
会長という役職をこなしていく上では,いろんな資質が求められます。先見力などの指導性,包容力などの組織性,他に人としての魅力などがあります。どれを想定しても,とても自分には備わっていないようです。なんとなく推されるままに,会長職に就かされています。そうはいっても,自分なりに何かを目指しておかなければ,役を果たすことができません。格別に意識しているわけではありませんが,心がけるものを持つことで,重責を担う覚悟に換えているのかもしれません。
会長といえば,あらゆる場面であいさつが求められます。定番の言葉をちりばめておけば,一応の型が整います。そこにプラスαとして,必ず一つのメッセージや豆知識を追加するようにしています。先生家業の名残で多分に押しつけがましいと思っていますが,できることをするようにしないと結局は無理をすることになるので,自分らしさを出すのが一番と開き直っています。
会長のもう一つの定例業務は,会議の運営です。いわゆる議長を務めて,協議から結論を引き出す役目です。ワンマン運営であれば,会長の思うままを伝えるだけでいいのですが,皆の意向をまとめようとすると,それなりの仕掛けが必要になります。時間的な余裕のある場合は,先ず白紙の状態でアイデアや意見を求めます。ほとんど発言は出てきません。次回に提案する了解を得ておいて,複数の選択肢を投げかけます。
ところで,決まりかけた流れが,予定外の事情で覆ることがあります。変更をする瀬戸際に追い込まれますが,影響を最小限に抑えておかないと,後の流れが混乱します。どのような乱れが生じるか,即断しなければなりません。そのためには流れをまとめた資料が必要です。うろ覚えではミスが紛れ込みます。確実な状況判断は正確な資料に基づきます。ファイル化して手元に常に用意しておくようにしています。さらに,一つの結論を導いたときに,陰でもう一つの可能性を準備しておきます。どちらに転んでも次につながるように余裕を持たせておき,それが見えるように資料を整理しておきます。それはとりもなおさず,会長は少なくとも次年度までの動きをイメージして伏線を忍ばせておかなければならないということです。過去の流れを整理し,数年間の大筋の予想を立てておくようにしています。
年度の事業を重ねていく中では,繰り返しに終始しやすくなります。連続性を持たせる役目は,会長にあります。会長は会組織をどこに引っ張っていくのか,という責任があります。それこそが会長に期待される役割です。どのような流れをイメージしているか,それが問われているという自問が,運営に反映されるはずです。
(2004年05月07日)
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