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【研修対談について?】
今年度,地区ブロックの社会教育委員研修会を開催する当番になり,計画を立てています。一日研修で,例年は午前中に講演,午後は分科会という流れです。3年前に開催の経験をしているので,それほど緊張はありませんが,その余裕がいたずら心を刺激します。
初心に返って考えてみました。大きなものは「社会教育研究大会」となっていますが,担当するのは「社会教育委員研修会」です。会の性格を決めるキーワードは,研究か研修かです。手元の辞書を開くと,研究とは問題を調べて事実を明らかにしたり,理論を打ち立てたりすることであり,研修とは必要な知識・技能を身につけるために特別な勉強・実習をすることとなっています。つまり,研究大会は大所高所からの全体的な構想や指針を探る客観性の強いものであり,研修会は具体的な課題について学習する主観的なものといえます。さらに見ていくと,前者は社会教育の研究であり,後者は社会教育委員の研修なのです。
従来通りにすれば,講演を催すことになりますが,大学の先生や社会教育関係機関の専門家などを招くことが定番です。確かにそれなりの聞き応えもあるのですが,いい話を聞いたという以上にはなりません。特に,社会教育委員に成り立ての者には,身につまされるレベルではなくて,届かない印象を受けてしまいがちです。講師だからできることで,自分たちには無理ということになり,共感が伴いません。一言で言えば,レベルが違いすぎるのです。研究大会であればそれでも意味があるでしょう。しかし,研修会では,スキルアップの具体的な実践につながる知恵を得ることが期待されます。
以上の前振りを経て,今年度は講演会はせずに,委員同士による対談をしようと思っています。テーマは「社会教育委員として何をしているか?」とするつもりです。登壇する委員がそれぞれの市町で実際にしていることを出し合って,委員としてできていることを具体的に提示すれば,社会教育委員の実像をつかんでいただけるのではないかと思っています。
予め設定をしておくべきことがあります。対談のメンバーの選択です。地区ブロックは4つの連絡協議会から成り,それぞれに会長がいます。単純には,4名の会長をメンバーにすることがあります。地域ごとに委員の活動状況が違うので,話はできます。それでもいいのですが,社会教育委員とつながっている,あるいは委員の活動に大きな影響力を持っている教育委員や行政職員の立場からの意見も,話題によっては密接に絡んでくる必要もでてくるでしょう。また,ベテラン委員だけではなく,新人委員からの問いかけも,話しのレベルを維持する上で必要です。そんなことを考えていくと,対談というより,バラエティを重視したシンポジウムになってしまいます。ただ,シンポジウムはともすればまとまりがつかずに,それぞれが言いっぱなしという状況に終わってしまうという印象が強いので,避けたいと思っています。結局の所,あまりメンバーの立場を広げずに,委員同士でやりとりをした方がいいということに落ち着いていきます。
話し合いをするということを大事にするとして,次に設定することは,話しの主題です。限られた時間なので,ダラダラした話の進行は許されません。ある程度の流れを設けておかなければなりません。とりあえず思いつくままに,書き上げていきます。
1.社会教育委員の立場をどのように考えているか?
・各会の代表ではなく,市町の委員であること。
2.社会教育委員に求められていることについて,どのように思っているのか?
・役割は社会教育法に規定されているはず。
・行政と住民の間をつなぐパイプ役である。
3.社会教育委員は実践活動に関わるべきか?
・委員とは,組織体,特に官公庁の扱う特定事項に関して審議・調査を依頼されたひと。
(実践活動をする人は,○○員=教員,指導員,推進員など)
・コーディネーター,プランナーなど:根回し役?
4.社会教育委員として現在行っていることは?
・会議の回数・内容,市町行事への参加など。
・社会教育関係団体との関わり。
・研修の成果の活かし方。
・教育委員との関わり。
・地域との関わり。
・活動の広報。
・現状把握や調査。
5.社会教育委員として,気になっていることや問題は?
・社会教育委員の認知度が低い。
・何をすべきかという研修がない。
いろいろと欲張ってもできないことですので,この程度で止めておきます。対談の時間を単純計算してみると,4名のメンバーの持ち時間は各20分程度です。あまり多くは語れません。おそらく,4項の現在行っていることを持ち出すことがいっぱいになるでしょう。そこを起点にすれば,その他の項の話しへの展開もできるでしょう。そのように対談を誘導していきたいと考えています。
(2009年05月10日)
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