*****《ある町の社会教育委員のメモ》*****

【ホームページの立ち上げ?】

 町のホームページがあります。教育のサイトを開くと,幼稚園,小学校,中学校の沿革が紹介されています。一度開いたら,リピートする気は湧いてきません。あまりに情報が少ないからです。訪問者に伝えようという意思が感じられません。町の教育が何を目指しどのように動いているのか,そういった町民が知りたいであろう情報を提供しようとしていません。さらには,生涯学習や社会教育に関する内容は皆無です。町民と協働でまちづくりをしようと諸計画等でうたっているにしては,広報の不備を感じないわけにはいきません。
 一方で,社会教育委員として,社会教育計画書を立案したり,子育ての基本指針に関する提言や,町民参加によるまちづくりに向けた提案などを行ってきましたが,広く認知されているとは言えない状況です。情報の発信を印刷物に頼ると,予算や方法といった条件により限定され,ごく一部の指導者層までにしか届いていないということです。また,社会教育委員の認知や,その活動の周知のためのチャンネルもほとんどありません。
 町民がいつでもどこからでも簡単にアクセスできる窓口としてのホームページの利用は,もっと充実されてもいいのではと思われます。ホームページを見る人は少ないのではという意見も事実として認めざるを得ない状況ですが,知りたい情報が豊かにアップロードされていれば,見ようという人は確実に増えてくると思われます。情報公開の費用も印刷物配布に比べると,格段に安上がりですし,変更や修正も即座に可能で,常に最新の情報を提供することができます。
 ということで,平成21年度の社会教育委員の活動として,町のホームページに「社会教育」のページを設置する提案を行うことにしました。設置すべきであると提案するだけでは,提案を受ける側は余計な仕事が増えるだけですし,なによりもどのようなページにすればいいのかということから考えなければなりません。提案の礼儀として,ある程度の完成品を作成しておく必要があります。最初の作業として,先進的な事例を探すことが普通のパターンでしょう。近隣の市町のホームページを訪問してみましたが,社会教育関連のページを設置しているところはありませんでした。1つだけ,社会教育委員の会議録を表形式で掲載しているところがありましたが,内容的には議題の羅列のみで,読むべきものではありません。広く全国を探すことは止めにしました。
 見習うべきものがない以上,自前で作り出さなければなりません。大きな方針として,社会教育委員が関わっている領域の情報を町民に公開して,社会教育活動について知ってもらうことを考えました。そこには行政側と町民側の2種類の情報があります。それらを1つのページにまとめておくことが必要です。必要な情報,知りたい情報,役に立つ情報,そういうフィルターを掛けて,情報の整理をしなければなりません。ゴールは先に置くこととして,とりあえず情報の収集をして分類することにしました。

   1.町主催の社会教育関係行事の年間予定及び実施報告
   2.社会教育施設や支援事業の紹介
   3.社会教育計画書等の方針の告知
   4.社会教育委員の活動予定と報告
   5.社会教育関係団体の活動の紹介
   6.体育指導委員会の活動と案内
   7.自治公民館の活動予定と報告

 それぞれの関連で,参考となる資料はPDFファイル化するなどの方法により,ダウンロードして利用できるような形式とすることにしました。町の公式ホームページを擬して,社会教育のページを試作してみて,委員さん方にチェックをしてもらっています。利用してもらえるような内容にしていくことができることを期待しています。

 恒例の教育委員との合同会議の席で,ホームページ開設について話題にしたところ,いくつかの点で発言がありました。
   ○立ち上げるのはいいが,継続的に維持管理する人材が必要ではないか?
   ○更新がされない例を見受けるが,その責任を持つ部署は?
   ○個人情報や守秘情報の安易な掲載に対する歯止めが必要では?
といったものなどでした,いずれもホームページ開設に当たって一般的に留意しておくことです。当然のこととして,町の公式ホームページに掲載するので,維持管理する体制は既に出来上がっていますし,さらにページ掲載の部署は社会教育課としているので,内容に対するチェックも行われます。いずれの危惧もクリアしています。ホームページを開設しようと考えるなら,当たり前の事前配慮です。ただ,これまでのホームページ開設の事例の中に,指摘されたようなことが見られたということでしょう。

 社会教育の情報発信のベースを設置しておけば,いろんな使い道が可能になります。育っていくことを楽しみにしています。
(2010年01月29日)