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【AIDURA?】
雑誌「社会教育」の書評の中で,「広告のアイドラーの法則」という言葉に出会いました。AIDURAとは,草場定男氏が無関心住民への情報の送り手の問題として使ったものだそうです。A=Attention=注意(振り向かせる),I=Interest=関心(興味を持たせる),D=Desire=欲求(欲望を持たせる),U=Understand=理解(分からせる),R=Resolve=決心(決めさせる),A=Action=行動(動かせる)の「5せる」を表します。
消費者が商品の認知から購買に至るまでのプロセスを説明するモデルの一つとして,AIDMA:attention.interest.desire.motive.action があります。消費者はまず、その製品の存在を知り(Attention)、興味をもち(Interest)、欲しいと思うようになり(Desire)、動機を求め(Motive)、最終的に購買行動に至る(Action)という購買決定プロセスを経るという流れです。このうち、Attentionを認知段階、Interest、DesireおよびMotiveを感情段階、Actionを行動段階と区別し,顧客がどの段階にあるかを見極めることで、マーケティング担当者は、顧客の状態に応じたコミュニケーション戦略をとることができるようになるということです。なお、AIDMAのMを、動機(Memory)と定義するモデルや、確信(Conviction)とするAIDCAモデルもあるようで,どの購買決定プロセスモデルを用いるのが適切かは、その製品やサービスがおかれた状況によります。
一般的に消費者に対するコミュニケーション手段として、広告、販売促進、人的販売、口コミなどがありますが、最初のプロセス(AID)では、広告や口コミが大きなウェイトを占め、最終プロセス(MA)に向かうにつれ、人的販売が大きなウェイトを占めるようになります。
AIDMAの各プロセスでの顧客の状態と、マーケティング目標は次のとおりです。
プロセス | 顧客の状態 | 目標 |
注目(Attention) | 知らない | 注意を促す |
興味(Interest) | 知っているが、 興味なし | 興味を持たせる |
欲求(Desire) | 興味はあるが、 欲しいとまでは、 思っていない | 欲求を喚起する |
動機(Motive) | 欲しいと思うが、 動機がない | 動機付けを行う |
行動(Action) | 動機はあるが、 買う機会がない | 行動を起こさせる |
AMTULとは、消費者の購買決定プロセスのモデルのことです。AIDMAが短期的な購買行動を説明するモデルであるのに対し、AMTULは、長期的な購買行動を説明するモデルになっていて、AIDMAよりも各段階での顧客の状態が定量化しやすいようになっています。
AMTULの各プロセスでの顧客の状態、各段階での定量指標、マーケティング目標は次のとおりです。
プロセス | 顧客の状態 | (定量指標) | 目標 | 認知 |
(Aware) | 商品やブランドを知っている | (ブランドor商品再認率) | 認知してもらう | 記憶 |
(Memory) | 製品分野から商品名やブランドを連想できる | (ブランドor商品再生率) | 覚えてもらう | 試用 |
(Trial) | 使ったことがある | (使用経験率) | 試しに使ってもらう | 本格的な使用 |
(Usage) | 繰り返し使っている | (主使用率) | リピーターになってもらう | 固定客 |
(Loyalty) | ファンになっている | (今後の 購入意向率) | 特典やポイント制度などで囲い込む | |
最近では、ネットにおける購買決定プロセスモデルとして、AISAS ? 注意(Attention)→ 関心(Interest)→ 検索(Search)→行動(Action)→意見共有(Share) というモデルも利用されているようです。
情報の伝達を考えるときに,参考になりそうなので,関連情報をネット検索してまとめておきます。
(2010年11月23日)
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