11月1日 丁酉
出雲の国杵築社の権の検校並びに祝師、御供所別当職の事、内蔵孝元補任せらるべき
の旨、領家坊城三品の許に仰せ遣わさる。彼の孝元が父資忠は、故幕下の御時大功有
るの間、件の職に補せられをはんぬ。その例に就いて今また此の如しと。しかのみな
らず、孝元当国の内数箇所の地頭職を拝領すと。師文・清定・孝尚等これを奉行す。
11月7日 戊寅
鶴岡宮の御神楽。奉幣の御使いは前の大膳大夫廣元朝臣なり。
11月14日 乙酉 晴
囚人柏木の伴五家次の男貞次、日吉社の明年五月会馬上の役人たり。而るに父の罪科
を宥められ、この役に従うべきの由社家の社司に愁い申す。また解状を貫首に捧げる
の間これを執り申さる。仍って神事に優ぜられ忽ち厚免せらる。廣元朝臣奉行たり。
向後猶不義を現さば、定めて後悔すべきの趣仰せ含めらると。