塩尻市・平出遺跡 (長野県)
  平出遺跡 平出博物館

平出遺跡は、縄文・古墳・平安の各時代にわたる大集落跡である。
松本平の南端塩尻市宗賀平出にあり、地形的には、遺跡西方を流れる奈良井川の扇状地上にある。遺跡範囲は、東西1,000m、南北300mの広い範囲にあると推定される。平出遺跡にはガイダンス設備があり、質問に答えてくれた。南方山麓に清水を湧き出し続けた「平出の泉」があり、古墳群を含む歴史公園の傍に平出博物館がある。平出博物館には、平出遺跡からの発掘品のほか、柴宮銅鐸など近在の貴重な遺物が多い。
今回の遺跡探訪の旅は、今年1月の「弘法山古墳」の見学、5月の「松本市立考古博物館」の見学の”つづき”である。 松本平に広がる弥生・古墳時代の胎動は、これらの遺跡を総合的に見つめることによって理解できる。この遺跡が最も栄えたのは、東側の八ヶ岳山麓と同様に、縄文中期であるが、塩尻・南松本の地は、北側の善光寺平と南側の伊那谷と呼応して、古墳時代の各期においても独特の存在感がある。

平出遺跡  長野県塩尻市

平出の泉
ガイダンス施設 平出遺跡の中央には、太陽信仰を連想させる立石がある
平出遺跡中央から見る小丘「比叡ノ山」が美しい 復原住宅群(縄文中期の村)
昭和57年に発掘された古墳時代の住居 土器が大量に捨てられた住居跡(縄文時代)
松本平からは常念岳の姿が美しい 古代の農村(古墳時代)の集落を再現

平出博物館  長野県塩尻市平出           

平出博物館周辺は、歴史公園となっている
古墳時代後期末の古墳が二基ある。
平出第1号古墳。 鉄剣・鉄鏃・刀子が出土。径20mの円墳
第2号古墳。鉄刀・鉄鏃・馬具・装身具。須恵器・土師器など出土。(石室が残る)
高さ232cmの瓦塔を出土した菖蒲沢窯跡の再現 古墳時代の住居を復原
考古資料展示室


  縄文土器、土偶、弥生土器
 
 
縄文中期遺物一括展示 唐草文土器(縄文中期後半に松本・諏訪・伊那・木曾地域を中心に分布する地方色の濃い土器)
   
平出遺跡の名品
埋甕(縄文中期)、平出3類A土器(縄文中期・松本平から伊那谷に分布)、鯨面付土偶型容器(弥生前期・下境沢遺跡)緑釉水瓶(平安時代)
縄文中期の土器 方形周溝墓からの出土

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