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日記のフリindex

03.1003.12

日記のフリ 日記というよりは、気になったこと、興味のあることを忘れないようにメモしてる、ってほうが正しいので「フリ」。

日付ごとにアンカー付けています。e.g. http://www5a.biglobe.ne.jp/~nanatsu/diary0311.htm#20031101


2003年11月

その他

フェデリコ・フェリーニ『甘い生活』@シアターイメージフォーラム
ペーター・ビクセル『テーブルはテーブル』
近藤史恵『狼の寓話』
新渡戸稲造『武士道』
ジョルジュ・シムノン『メグレと老婦人』
清水義範『行儀よくしろ。』
黒沢清『カリスマ』
大橋鎭子『すてきなあなたに』(2)
やまじえびね『インディゴ・ブルー』
小池田マヤ『……すぎなレボリューション』
『ナナイロノコイ』
森淳一『Laundry』
江國香織『号泣する準備はできていた』
四方田犬彦『摩滅の賦』
大橋鎭子『すてきなあなたに』(4)
阪本順治『顔』


12/1(月)
エラリー・クイーン編『日本傑作推理12選(III)』光文社文庫を読み終わる。短編苦手なのになんとなく読み始めたら面白くって。微妙に男尊女卑ぽいのやオヤジっぽいのもあるけれど、気にするほどではない。

食べてみたかったハーゲンダッツのカスタードプディング味がスーパーに並んでいたので買ってきて食べました。おお衝撃的。

少し前にメーラーがパーになったのでメールアドレスがわからない人が発生しています。失礼をお許しください。


11/30(日)
昨日あんなことを行っていたのに結局出掛けたついでにTSUTAYAに寄ってビデオを2本借りた。

阪本順治『顔』(日・1999)。藤山直美の存在感に尽きる。なんて魅力的なの! 逃亡の過程で、彼女はそれまで不可能だったことを可能にしてしまった。でも、とても面白かったか? と聞かれれば中途半端なうなづきしかできないし、どこが印象に残ったのかを具体的に示すこともできない。圧倒されるまではいかないのだ。私が醒めてみているのか、映画がまとわりついてこないのかは、わからない。阪本順治の映画って、こってりしているようで実はクールなのかも。


11/29(土)
8時に起きて、TVで年金制度の話題を見ながら、さつまいもの牛乳粥を食べる。TSUTAYAの100円レンタルに出かけようかとも思ったけれど、何かみたいものがあるかといえばそういうわけではないし、100円だからと無理してみたいものをみつけるのもどうかだし、興味のありそうなものは大抵貸し出されてたりしそうだし、と考えていたら、出かけるのが面倒になった。横になってうたたねしていたら寒くて目が覚めたのが昼の12時。ちゃんと寝よう、と布団の中へ。もう今日はひきこもるぞ! と決定。目が覚めたら4時半でした。

晩ごはんは、ふろふき大根と、にんじんとたまねぎを蒸して塩こしょうオリーブオイルをたらしたもの。あとは甘いもの。紅玉1個で赤ワイン煮を作り、半分をアツアツのまま、半分は冷蔵庫で冷やしてから食べた。お酒に弱い人は酔うね、これは。りんごの酸味がたまらない。こんなに簡単でおいしいのなら、もっと前から作ってみるべきだった。あずき缶で作る蒸しケーキも作った。

外に出かける気にはならないし、いろんなことが面倒に思えたけれど、食べるものを作ることはできたのが少し嬉しい。


11/28(金)
今邑彩『「死霊」殺人事件』光文社文庫,1998(→Amazon)を読み終わる。こんなにてんこもりにして大丈夫ですか、ってくらいサービスしている。無理ぎりぎり手前でまとめているのがうまい。


11/26(水)
大橋鎭子『すてきなあなたに』(4)(→Amazon)を読み終わる。こういうのが発売になるだなんて! 買おうかと思う……。

男の人がよく、持ち手と肩掛けの両方可能なカバンを持っていますが、あれが大嫌いです。カッコ悪いし(すごく低い位置でかけているとますますだめ)、場所とって邪魔。肩に掛けるときにカバンが私の耳にガーンと当たってしばらくじんじんしてました。ますます嫌いになりました。

と書いていて気付いたけど、『すてきなあなたに』には決して「嫌い」な表現が出てこない。なにかを否定するテーマが存在しないのだ……。嗚呼。


11/25(火)
小池田マヤ『…すぎなレボリューション』講談社の7巻8巻を読んで完結。6巻までの流れが良かった。7巻8巻は毛色が変わってしまったように思えて流れがぎこちない。それまでの濃さからすると消化不良なのだ。

江國香織『号泣する準備はできていた』新潮社(→Amazon)を読み終わる。

四方田犬彦『摩滅の賦』筑摩書房(→Amazon)も読み終わる。エッセイのような旅行記のような書評のような。本に関する参照があまりに夥しいので、その“枕詞”は必要なのかと思うことが多く気がそがれる(バルザック『あら皮』にあれほどページを割く必要があるのか? など)。ただ、その言及のおかげで読みたくなった本がいくつか。ベケットの『モロイ』『マローンは死ぬ』『名付けえぬもの』、宮沢賢治『貝の火』、アンドレ・マルロー『王道』、バルザック『あら皮』。


11/24(月)
バナナのパンケーキを作ってメープルシロップで食べる。ホットケーキミックス+卵+牛乳+バナナってだけ。バナナの酸味が効いてるのと蒸し焼きっぽいのがとってもおいしい。


11/23(日)
寒いなか欲張って歩き回りすぎ、ぐったり疲れて帰宅。池袋東武のデザイン・トゥデイで雪眼鏡、Moleskineの手帳、本屋さんで大橋鎭子『すてきなあなたに』(4)(→Amazon)、大橋芳子『エプロンメモ』(→Amazon)、江國香織『号泣する準備はできていた』(→Amazon)を買いました。


11/21(金)
森淳一『Laundry』(日・2001)。思っていたより良かった。泣きそうにもなったし、映画館でみたかったとも思った。空と白鳩のために。駆け引きのない言葉はまっすぐに届いて、優しいことは強いと知るような物語。小雪が土手を駆け上がるシーンはいいねえ。ああいう風に走るときってあるなあと思い出した。窪塚洋介も小雪も好きではないのだけど、ときどき「この二人でよかったのかもな」と思いながらみていた。窪塚洋介の気の抜けたところとか、小雪の薄幸そうなところとか(でもやっぱり個人的にはオダギリジョーだといい)。


11/20(木)
職場で甘いものが食べたくなったけれど何も持っていない。仕方がないのでコーヒーに普段は入れない砂糖とミルクを。素直においしいと思えて、身体が甘いものを欲してるんだなあと実感。


11/19(水)
『ナナイロノコイ』角川春樹事務所,2003(→Amazon)。
江國香織 「ドラジェ」
角田光代 「そしてふたたび、私たちのこと」
井上荒野 「帰れない猫」
谷村志穂 「これっきり」
藤野千夜 「ビルの中」
ミーヨン 「くらげ」
唯川恵 「手のひらの雪のように」 。

江國香織の短編、こちらの思い込みなのか、ハッとする場面があり。構成がうまい。甘やかな残酷さ。角田光代の中で描かれる、女友達と一緒にいれば……の心情にうなづく。井上荒野の短編は、終わるタイミングが絶妙。だって気になるのは翌日だもの。唯川恵の短編、ナオに葛藤はあったのか? それが見えないのが不満、っていうか全くもって気に入らない。


11/18(火)
昨晩、寝る前に漫画を一冊読んだ。やまじえびね『インディゴ・ブルー』祥伝社,2002(→Amazon)。『LOVE MY LIFE』も良かったけれど、こちらは少し大人の風情が漂っていてまたいい。女性二人の中に男性が加わることで「対比」が生まれ、結果「選択」をしたという流れが出てきて物語が深くなる。伏せる目。翳る瞳。まっすぐなまなざし。小さなコマの中でさえも、きちんと描かれる表情と感情が素晴らしい。……「わたしがあなたを嫌いになったのよ」。

そして今日は一気に6冊。小池田マヤ『…すぎなレボリューション』講談社,1999(→Amazon)。全8巻なのであと2冊。本屋さんには6巻までしか置いてなかったのだ。先が気になる。

札幌からメールでお知らせ。テレビ父さん。なんなのかしらこれは……。


11/17(月)
バッハの『イタリア協奏曲』第三楽章クリア。緊張して、弾いているうちにどんどん指が冷たくなって困った。

下北沢は私にとって鬼門かも。ここへ一緒に行った人と疎遠になる。

大橋鎭子『すてきなあなたに(2)』暮しの手帖社,1988(→Amazon)。手紙をもらったような気持ち。ゆっくり読みたいのにもっと読みたくなってあっという間に読み終わる。心が洗われるような出来事が控えめな表現で綴られてゆく素敵。ときどきはさまれるおいしそうなレシピもまたいい。レバーパテ作りたい。


11/16(日)
ちょっと駅までのつもりが、暖かくて気持ちが良かったので隣駅まで歩くことにした。それほど風が強くないのに街路樹から葉っぱがハラハラと落ちまくっている。桜の花びらが降りそそぐのに似て、私の頭に葉っぱが載らないのが不思議なほどだった。どうして一斉に落葉しているんだろう。まるで今日が決められた「落葉の日」みたいだ。

久しぶりに古本屋に行って何冊か買った。その中の一冊は『わかりやすい天気図の話』日本気象協会。中学か高校の時、授業でラジオを聞きながら天気図を書くというのをやった記憶があって懐かしかったので。書き方も忘れているし、この本も使わないんだろうけど……。

歩くとすっきりした気持ちになる。


11/15(土)
黒沢清『カリスマ』(日・1999)。しっぽが見え隠れしているぶん余計もどかしく、わからなさ加減が魅力ではなく、つまらなさと結びついてしまった。


11/14(金)
清水義範『行儀よくしろ。』ちくま新書,2003(→Amazon)を読み終わる。題名だけで手に取り中身もパラパラせずに読み始めたので、読み進んでいたら章に「〜教育」と付くのに一瞬ゲッとなった。この本、教育論だったの??? 本の題名に“教育”がついていたら多分読まなかったと思う。でも、そこまでの話がとても魅力的でぐいぐい読んでしまった。著者はこの本の題名を「文化の崩れを正す教育」にしようと思っていたらしく、たしかに内容はその通り。でも、「行儀よくしろ。」、この一言がもっとスパッと言いあらわしている。


11/13(木)
新渡戸稲造 矢内原忠雄訳『武士道』岩波文庫を読み終えたあと、ジョルジュ・シムノン 日影丈吉訳『メグレと老婦人』ハヤカワ・ミステリ文庫を読んだ。不思議な訳だった、という印象ばかり残っている。読点が多くてリズムが取れないのと直訳すぎてつかみにくい意味に最後まで苦しんだ。ただ一点いいのは、この本の表紙! グラスを持って真横を向いて立っている老婦人。カバー:河村要助と書いてある。

精神にもいろいろな部分があって、以前より強くなったところ、とても弱くなったところ、敏感になったところ、度胸がなくなったところがある。昔より生きやすいけど甘えが出てきている。


11/9(日)
金曜日、仕事が終わったあとフィルムセンターでカール・ドライヤーの映画をみて帰るつもりだった。けれど、ふと、実家に行くのもいいなと思い立つ。電話をすると来ていいというので有楽町へ出てJRバスのチケットを買い、有楽町無印で着替えを買ったり夕食を食べてバスの時間まで過ごす。夕食には4つ好きなデリ(秋刀魚のハーブ焼きはお腹にローズマリーを入れて焼いたものだった)+ごはん(パンも選択できる)のセットにお味噌汁をつけた。食後に豆乳。

東京駅八重洲口にあるバス乗り場はとってもわかりづらく、おまけに混雑している。同じバス停から同時刻に出る茨城方面行きのバスに乗り込む間違いをしてしまった。運転手さんもチケットを見て何も言わないので合っているかと思ったら違うんだもの。なにかおかしいと思って再度確認してあわてて降りて乗り換えた。

私は何かをするときに、あらかじめ決めていないと行動できないところがある。だから、ぽっかり時間があいて一人で街をふらふらするのがとても苦手。緊張する。自分が精神的に安定する場所へ早くたどりつきたいと思う。それでも、だからこそ、こんなふうに気まぐれになにかを決めたり、さらに乗り物に乗るというのは楽しい。そして、その先に目的地があるのは幸せなことだと思った。

途中のレインボーブリッジがきれい。約2時間バスに揺られ到着する。

土曜日の夕方に帰るチケットを買っていたけれど、実家に落ちついてみれば日曜日に帰ろうかなあという気持ちにもなり、両親からも日曜日にしたらと言われ、のんびり過ごすことに決めた。甘ったるい梅酒を飲んだり、出来たばかりのケーキ屋を探しに行ったり、マッサージ椅子でマッサージされたり、新聞をじっくり読んだり、自分でなんにもせずにご飯やお風呂が用意されている贅沢を味わったり、愛されていることをふと感じた2日間。

日曜日の午前中に出るバスで実家をあとにする。東京は少し肌寒く、自分ところの駅につくと霧雨が降り出してきた。いったん自宅に戻り選挙の投票用紙を持って投票しに行った。


11/6(木)
新渡戸稲造 矢内原忠訳『武士道』岩波文庫を読んでいます。“BUSHIDO,THE SOUL OF JAPAN”,1899 を訳したもの。薫り高い訳。「武士道」というなんとなく理解した気でいるけど説明できない思想を、言葉で明確に示していてなるほどと思う。

贈り物をするときの、アメリカ人と日本人の物言いの違いを分析。日本人の論理の説明に唸る。そうだよねえ(ただし、今では日本人も「つまらないものですが」とあまり言わなくなったように思う)。言葉も思想も、それを共通認識で持っている人たちの間で交わしていればズレもなくやりとりできるんだろうけど、「つまらないものですが」と言わなくなったってことは、この思想が薄れてきたってことなのかな。

「自殺および復仇の制度」=ハラキリ&カタキウチってことで、この章でのエピソードは24歳17歳8歳の三兄弟が家康を殺そうとしたのがバレて名誉の死を遂げさせられる話。兄が8歳の子に「切損じなきよう見届けくれんぞ」と先にハラキリをするよう告げるが、8歳の子は未だかつてハラキリを見たことがないので兄のやりかたをみてそれにならう、と答える。兄たちは自分たちの間に弟を座らせ、自分の腹を切りながら説明し息絶え、その後8歳の子も兄の教えどおり見事に切ったというもの。…原文のがいいです。

「勇・敢為堅忍の精神」の章。「勇気が人のたましいに宿れる姿は、平静すなわち心の落ちつきとして現われる。」(p.45)から始まる補注でのエピソード。少し長めに引用します。

信ずべき史実として伝えらるるところによれば、江戸城の創建者たる大田道灌が槍にて刺された時、彼の歌を好むを知れる刺客は、刺しながら次のごとく上の句をよんだ。
かかる時さこそ命の惜しからめ
これを聞いてまさに息絶えんとする英雄は、脇に受けたる致命傷に少しもひるまず、
かねてなき身と思ひ知らずば
と、下の句をつづけた。
勇気にはスポーツ的の要素さえある。常人には深刻な事柄も、勇者には遊戯に過ぎない。それ故昔の戦においては、相戦う者同士戯言のやりとりをしたり、歌合戦を始めたことも決して稀ではない。合戦は蛮力の争いだけではなく、同時に知的の競技であった。
十一世紀末、衣川の合戦はかかる性質のものであった。東国の軍は敗れ、その将安倍貞任は逃げた。追手の大将・源義家が彼に追って声高く、「きたなくも敵に後を見するものかな、しばし返せや」と呼ばわりしに、貞任の馬を控えたるを見て、義家は大音に
衣のたてはほころびにけり
と詠みかけた。その声終るか終らざるに、敗軍の将は従容として
年を経し糸のみだれの苦しさに
と、上の句を付けた。義家は引きしぼりたる弓を俄かに弛めて立ち去り、掌中の敵の遁ぐるに任せた。人怪しみてその故を問いたれば、敵に激しく追われながら心の平静を失わざる剛の者を、恥ずかしめるに忍びず、と答えたという。(pp.45-47)

11/5(水)
近藤史恵『狼の寓話』徳間書店,2003(→Amazon)を読み終わった。「警察小説」であっても近藤史恵節はもちろん健在。シリーズ化しそう。今まで思いつかなかったけれど近藤史恵に童話を書いてもらったら魅力的かも、だ。ジョージ・マクドナルドみたいの。

人差し指の爪が変なふうにむけて痛かったのに、翌日になると感覚が違う。そして、ちゃんと1日ぶん爪が伸びているのだということを知る。


11/4(火)
ペーター・ビクセル 山下剛訳『テーブルはテーブル』未知谷,2003(→Amazon)を読み終わる。残りの「アメリカは存在しない」「発明家」「記憶マニアの男」「ヨードクからよろしく」「もう何も知りたくなかった男」。

携帯(PHS)が小沢健二の「ラブリー」を高らかに奏でてびっくりした。メールはともかく電話は滅多にないので(メールの着メロは同じく小沢健二の「恋しくて」で聞き慣れている)。友達とは最近メールばかりでやりとりしているけれど電話もいいものですね。新鮮だ。

さみしい気持ちがもやもやと蔓延しているのを認められるようになった。っていうか、さみしくない人なんているのかな。


11/3(月)
ペーター・ビクセル 山下剛訳『テーブルはテーブル』未知谷,2003(→Amazon)から2つ読む。「地球はまるい」「テーブルはテーブル」。この本は、友達から「探している“EIN TISH IST EIN TISH.”の和訳本が見つからない」とメールが来て調べて見つけて知った。大学のドイツ語の授業で訳したと言ってたけどまったく覚えがないなあ。

不安を抱えているとたくさん夢を見る。けれど、不安な夢を見るわけではない。少しせつなくなるだけだ。ずいぶん会っていない人が私に向かって微笑んでいたり、TVで見かける人が似合わない髪型になって登場してたりする。


11/2(日)
渋谷−cafe8−外苑前−銀座−有楽町無印−東京−渋谷。そして、

フェデリコ・フェリーニ『甘い生活』(伊=仏・1960)@シアターイメージフォーラム。映像・構図とも美しい。セリフも線を引きたくなるほどいい。ラストシーンも好きだ。なのに私の頭の中で、それらがバラバラに存在してしまった。ひとつの物語として私の中に落ち着いてくれなかった。

港区を歩いたので東京一区の選挙ポスターを見かけたんだけど又吉イエスのポスターの文句がすごかったー。


11/1(土)
セサール・フラガ『フラガ神父の料理帳』文化出版局,2001(→Amazon)。

池田宗弘氏による版画と挿絵も美しいこの本には、それぞれの料理にコメントやエピソードが添えられている。たとえばカトリックコーヒーのページには、「音を立てて飲んでかまいません。下からコーヒー、上からクリームを引き上げるように飲むと、上唇にクリームが白いひげのようについて、楽しめます」(p.94)。それとは別にはさまれるエッセイも面白い。7歳で煙草をやめた話や、イタリア人神父のお見舞いにステーキを焼いてバイクでぶっ飛ばしていたら警察官に止められた話など。

ある夜、私はこんな話を聞かせたことがありました。英語はビジネスのための言葉、フランス語は男に話しかけるため、イタリア語は女を口説くため、そしてスペイン語は神様と話す、つまり祈りのためにあるのです。では日本語はといえば、フランシスコ・ザビエルがこのように言っています。「日本語は悪魔に見いだされた言葉」。2年たっても日本語を覚えられなかったザビエルは「ああ、こんなに素晴らしい日本人にキリスト教が広まらないように、悪魔が日本語を見つけたのだ」(p.96)

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03.1003.12