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日記のフリindex

03.0903.11

日記のフリ 日記というよりは、気になったこと、興味のあることを忘れないようにメモしてる、ってほうが正しいので「フリ」。

日付ごとにアンカー付けています。e.g. http://www5a.biglobe.ne.jp/~nanatsu/diary0310.htm#20031001


2003年10月

その他

エリア・カザン『紳士協定』
黒澤明『赤ひげ』
ローザス『レイン』@彩の国さいたま芸術劇場
カール・ドライヤー『奇跡』@有楽町朝日ホール
ピエトロ・ジェルミ『鉄道員』
鈴木清剛『スピログラフ』
嶽本野ばら『それいぬ』
イザベル・コヘット『死ぬまでにしたい10のこと』@シネリーブル池袋
アンドリュー・ラウ『インファナル・アフェア』


10/26(日)
アンドリュー・ラウ『インファナル・アフェア』(香港・2002)

暴力というよりはめくるめく頭脳戦、隙をみせたら一巻の終わり。アンディ・ラウ、トニー・レオン、アンソニー・ウォン、そしてエリック・ツァンという役者あっての出来だと思う。エリック・ツァンは私にとって「涙腺刺激役」だったことが多かったけど、悪役もぴったりで、にっこり微笑んだ時の顔が怖いったらない。トニー・レオンはコミカルな役もお茶目でいいな、なんて言ってたのはもう全面撤回。潜入捜査官というやり場のない孤独な感情が彼の瞳の中に間違いなく宿っていて素晴らしかった。最初と最後の「無間」の説明がこの映画を照らし、頭の中に瞬く。香港映画はこうでなくっちゃ。

映画をみおわって散歩がてらに2駅先まで歩くと商店街で消防訓練をやっていた。煙が充満するテントで煙の体験ができたり、人工呼吸やっていたり、消防車の前で消防服を着た男の子が記念撮影していたり。電話の前にはすごい列が出来ていたけどなんだったんだろう。人工呼吸の人形の顔はデスマスクを使っていると初めて知りました。調べてみたらレサシ・アンって言うらしい。止まっている消防車を眺められることはなかなかないかも。車体の左側にシールが貼ってありました。キュータ!


10/25(土)
8時に目覚ましで起きたあと、TVつけてゆっくり起きるつもりが再び夢の中。夢の中の舞台がいつのまにか京都に飛んでいて辻褄合わないなあと思ってたら目が覚めた。つけっぱなしのTVの中で、はなちゃんとリサさんが京都観光してた。夢ってほんとに周囲の環境に左右されるってことがわかった。でも、聴覚以外難しいのかな。

イザベル・コヘット『死ぬまでにしたい10のこと』(カナダ=スペイン・2003)@シネリーブル池袋

いくらでも過剰にできる内容なだけに、これほど淡々と描けることにただただ感服。『八月のクリスマス』(ホ・ジノ監督・韓国・1998→感想)では納得できなかった“秘めることの美学”をこの映画では受け入れてしまった。自分の死期を隠しつづけたことは一緒、でも、死んだあとも秘めたままで永遠に伝わらないのと、思いを伝えるものを遺したということがまったく違うのだ。彼女がいなくなったあとの彼女の望んだ生活が実現している様子を見られて、私はやっぱり「伝える」ほうを選びたいと思った。

医師とのやりとり場面がまた、しみじみと良い。ここでのキャンディの味はジンジャー以外しっくりこない。ジンジャーキャンディ味の映画。

続けて『インファナル・アフェア』をみるつもりだったのを、頭痛のため諦めました。薬局に寄って「なるべく早く効く頭痛薬が欲しいんですけど……。以前、子供用風邪薬をすすめられたことあったんですが」と言うと、「どういうつもりですすめたかわからないけど、違反なんですよねー」と言われて、結局、「ノーシンホワイト」の顆粒を買いました。「飲んでいきますか?」と聞かれてびっくり。薬局でお水もらって飲めるなんて! もちろんお願いしました。

顆粒の頭痛薬が出ていたことに驚いた。どうして効き目に違いが出るのか、何をメインの成分にしているかで違ってくるような気がするので、自分に効くのはどれなのか今後観察してみようと思います。今のところ効きがいいのは大日本製薬の「シペラEV」、一番多い成分がイブプロフェン。ほかにイブプロフェンを主成分にしているのは大正製薬「ナロンエース」やアクラス「ノーシンピュア」。同じ「ノーシン」でも、「ノーシンホワイト」は、エテンザミドが一番多くて次にアセトアミノフェンという組成なのです。「バファリンA」はアセチルサリチル酸、胃に悪いと聞くので持ってはいるけど飲んでない。昔は「エキセドリン」ばかり飲んでいたけど、今は買わなくなった。主成分は「バファリン」と同じアセチルサリチル酸。


10/24(金)
『キル・ビル』。みたい。R-15か。『バトル・ロワイアル』(深作欣ニ監督・日・2000→感想)と『修羅雪姫』(佐藤信介監督・日・2001→感想)で息絶え絶え下向きっぱなし耳ふさぎっぱなしじゃあ、催眠術にでもかかって血が大丈夫にならないと無理だろうね……。いろんな人の感想を聞いて我慢します。


10/23(木)
おとといの真夜中だったか(真夜中は“きのう”とか“おととい”が曖昧になる時間帯だ)、久しぶりにメールをくれた友達が私の日記を読んでくれていると知ってかなりびっくりしてしまった。毎日書かなくなると誰も読んでいないような気がしてくるし、以前にもましてポツンと離れた場所にいる感覚でいたので。そして、書いている時の気持ちも変わっていたことに気付いた。

以前は、誰かしらを思い浮かべながら、あるいはもっと強く、誰かに宛てるような気持ちで書いていた。言うなれば、手紙のように。駅前の自転車置き場のおじいさんたちだったり、その日メールをくれた人だったり、何年も会ってない友達だったり。

だから先日読んだ『それいぬ』の中で一番印象に残ったのはあとがきでした。

『それいぬ』は特定の誰かに宛てて書いているのですかという質問を、よく受けます。ええ、その通り、『それいぬ』はずっと特定の人に向かい書き続けられたのです。或る時はとても親しい人に向け、或る時はまるきり親しくない人に向け、お手紙を一度貰っただけの顔も知らぬ人に宛てられたこともありますし、全く架空の人物が対象であったこともあります。自分へのお手紙だったこともありました。が、不特定多数を思ったことは一度もありませんでした。(pp.185-186)

でもこの頃はそういい切れない。自分でもつまらない。


10/22(水)
それほどひどい頭痛ではなかったけれど薬を飲んだ。痛さが頭に来るのは頭が強いからだという考え方から、薬などに頼らずにツボを押したり横になったりして我慢してる間に治そうという考え方もあるし、なるほどとも思う。頭が痛くないときは「そうだそうだそうしよう」と思う。でも、やっぱり痛いのは耐えられんよ。30分くらいで効いた。

日テレ『共犯者』には三上博史、吹越満、石橋蓮司が出ていて個人的に嬉しい。三上博史が出ている映画『月の砂漠』(青山真治監督・日本・2001)みたときに「この人は映画向きじゃあないのかもしれない……」と少しがっかりしたけれど、TVで見る三上博史はいい。えらくあぶなっかしいエキセントリックな謎の人物で、怖くて信用できたもんじゃないと思う反面、予告での「君を守る」という滅法優しい声音に浅野温子じゃないのに泣きそうになる。三上博史って私生活が見えない人だ。


10/20(月)
曲げわっぱのお弁当箱→中林うい「HAPPYCOLOR」栗久


10/19(日)
オリヴェイラ監督の3枚組DVD-BOX、『家宝』『神曲』『ノン、あるいは支配の虚しい栄光』(→もっと詳しく)。ああ、どこかの映画館でオリヴェイラ特集やってくれないかなあ。

持ちよりパーティーのときのワインがおいしかったので、忘れないようにと調べてみた。ふくろうマークのラベルが目印で、結果、キュベ・ミティークと判明。どうやら、安価でおいしいと人気のワインのようです。持ってきた人も友達にすすめられたと言ってました。ワインに限って、ときたまクシャミが止まらなくなることがあるんだけど、このキュベ・ミティークも、その前に飲んだカヴァでもクシャミが出なかった。私にとってのいいワインなのか変なものが入ってないという証なのか良くわからない。でも、クシャミをしないワインは私にとっておいしいってのは事実です。


10/18(土)
嶽本野ばら『それいぬ』文春文庫PLUS,2001(→Amazon)を読み終わる。

外苑前−表参道−渋谷を散歩。雨にもてあそばれたあげく、水玉模様の傘を買って歩く。

「レゴ」で作った世界遺産展がとっても良かった。25周年記念のポスターを買ってしまいました。

ほのかに指に残るエスティローダーのbeyond paradíseは10/24の発売。


10/17(金)
鈴木清剛『スピログラフ』新潮社,2003(→Amazon)を読み終わる。

スピログラフって単語が魅力的。


10/16(木)
風邪引きました。「あの時うがいをしなかったからだ」と思い当たることが多い。あの怠け心が分かれ道だったのだー。


10/14(火)
ピエトロ・ジェルミ『鉄道員』(イタリア・1954)。ものがなしさとあたたかさが、じわじわしみてくるような映画。こういうのを名作というんだろうなあ。終盤、長男マルチェロが外出するときにマフラーを渡したりおつかいを頼んだりするマルコッチを見ていて、息子が間違いなく戻ってくるためのおまじないのようだと思った。


10/13(月)
友達と持ちよりパーティー。友達のだんなさん(フランス人)に、「ココウってなに」と聞かれて、みんなで「?」。戸数と同じじゃないの? と答えながら国語辞典を引き、戸口をココウと読むことを生まれて初めて知った。戸数の意味ではコグチとは読まないんだー、と。


10/12(日)
カール・ドライヤー『奇跡』(デンマーク・1954)@有楽町朝日ホール。

テーブルランプを中心に左右対称に配された医者と牧師が対話をする場面がきれい。科学と宗教、思想的には180度に位置する彼らが終盤の“奇跡”の場面では、牧師よりも医者のほうが“奇跡”を素直に受け入れるかのようだった。対話の場面は対立ではなく、表裏一体のあらわれ?

祈りが届かないのは信仰が足りないからだ……“奇跡”を目の当たりにしてしまえば、この言葉の重みがひときわ大きく感じられて、宗教を持たない私はそれがとても怖い。それとも宗教を持っていたら余計怖いのだろうか。いつでも信仰を試されているような気になってしまうから。でも、宗教とは信じるのが前提で、プラス、信仰の強さが求められるものなのか……。

すべては宗教を持たない私の空回りな考えで、宗教絡みの物語をみると「ちゃんと理解できていないんだろうなあ」と思うことしきり。

明日のピアノ伴奏つき『裁かるるジャンヌ』がどうしてもみられなくてとっても残念。みようか迷っている人は、どうかみてください…。これはスクリーンでみるべきだと思うし、サイレントのピアノ伴奏つきっていいものです。ユーロスペースの上映ではピアノ伴奏なしです。→聖なる映画作家、カール・ドライヤー


10/11(土)
ローザスの『レイン』(→舞台映像がみられる)を彩の国さいたま芸術劇場にて。タイトに構成されているに違いない流れを緩くやわらかく見せる、それだけですごいなあと思ってしまう。ダンスは私にとっては抽象画のようなもの。自分で好きなように感じられる自由さがとても好き。おまけにこのダンスにはあたたかさがあふれていて、より幸せな気持ちになった。

伊藤まさこ『まいにち つかう もの』主婦と生活社,2003(→Amazon)と「relax for girls」(マガジンハウス)のvol.5を買いました。


10/10(金)
黒澤明『赤ひげ』(日・1965)。荘厳、涙、小気味よさ、笑い。オムニバス形式で進むのかと思っていたら、それらが後半有機的に絡み合ってゆく構成に唸った。“井戸話”の終わりの構図、演出が印象的だった。あぶくの返事、返事はあぶく。


10/6(月)
髪を切って久しぶりに耳を出し、本屋へ行った。本屋で本を見てもなんだか目がチカチカしてしまって、なかなか視点が定まらない。ポケミスの解説目録(→Amazon)の新しいのが出ていたんだなあ。

本を買うのも久しぶりなので書いてみる。
保坂和志『カンバセイション・ピース』新潮社(→Amazon
新渡戸稲造『武士道』岩波文庫(→Amazon
たなかれいこ『スープがごはん』雄鶏社(→Amazon

パニーノ・ジュストは混んでいないし隣に座ったおばさんも一人。話しかけたくなってしまった。


10/5(日)
散歩しながら久しぶりの鼻歌は、KinkiKidsの「solitude」でした。いい歌だと思う。

隣駅まで歩く道には何通りかあって、一番近いルートはどれなんだろうと思いつつ、この辺りの地図は持っていないから俯瞰して眺めることもできない。かかる時間を計ってみようと出発するときに時計を見ても、着くころには忘れている。

このごろCDデッキの蓋が開かないことが多く、オープンボタンを押して蓋をぐっと押さえると反動で開いたりもするんだけど、それすら難しい状況になってきた。初めてのバイト代で買ったデッキだし、使えるうちはと思ってはいるものの、蓋の開閉困難とは微妙な故障具合だ。なので、CDを入れ替えるときは慎重です(嘘)。ずっとそれを聴くはめになる可能性があるので……。


10/1(水)
エリア・カザン『紳士協定』(米・1947)。愛は信条より強いというよりも、行動は言葉よりも強いといった感じ。登場人物たちが「何かに気づく」のはしかし、対話によってなのだった。対話という行動、かな。1947年から時が経った今も主人公のお母さんが望んだ世界は実現されていません。


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03.0903.11