辭書ヲタクへの道
個々の辞書そのものにも強く惹かれますが、とりあえず、周辺書をいくつか。
斎藤秀三郎『熟語本位 英和中辭典』って、知ってますか?
存在を知ったのは、柳瀬尚紀『辞書はジョイスフル』の中ででした。その辞書の面白さに目覚めてしまった私は、当時品切れだったその辞書を求めて、神田古書店街まで赴いて、外国辞書の専門店に行きました。そこで思いがけず入手(発行者の名刺が貼り付けてある〜)。それから少ししてから、新増補版が発行されたんですが、大きな本屋さんでもあまりみかけなかったですね。お茶の水の三省堂にはさすがに置いてあり、そこで買うことができました。
辞書協会編 『日本の辞書の歩み』 を読んでみると、この辞書は「我が国の英和辞典史上燦然と輝く金字塔である」のだそうで、面白いだけじゃあないのはわかるのだけど、やっぱり中身を読むと面白いです。
たとえば、彼の『和英大辭典』も有名で、「出来心」の項には、こんな都都逸を英訳してたりします。
「お前一人と/定めて置いて/浮気は其日の/出来心」
で、「家」の項がこんな。
「吉原が明るくなれば家は闇」
自伝も出ているようなので読みたいと思っているんですが、新刊ではないみたいです。
とにかく、柳瀬尚紀氏の前述書を読んでみるとよいです。面白さがわかります。
もともと辞書って面白くて好きです。少し前には、新明解国語辞典を題材にした、『新解さんの謎』もブームになりましたね。けど、新明解に関しては、赤瀬川原平さんよりも武藤康史さんのほうが元祖なのかと思ってたので、あの本が出たときにはちょっとびっくりしました。新明解に限らず、武藤康史さんって、元祖辞書オタクって感じだと思ってたからなあ。
漢和辞典では、諸橋轍次 『大漢和辞典』 の編纂の歴史がわかる、『「大漢和辞典」を読む』が面白いです。
参考文献
これだけでも結構いいとこまでいけます。
(1998/9/16)