Topぺーじ   五十野惇の 制作あとがき
(このページを別ウィンドウで開く)         毎月のパピーちゃん絵本 売店

のおはなし


創刊:1987(昭和62)年

解説
西本鶏介先生

現在、
350冊を超える
絵本・児童書を
発表・活躍されている
児童文学作家。












 
空に向かって
ぐんぐんのぼっていくたこの爽快さは

昔も今もかわりありません。
でも、それを眺めているよりも、自分であげる方が、
どんなにかうれしいでしょう。
そんな幼児の願いを楽しく描いた お話です。

 パピちゃんが一人であげようとしても、
たこは いうことを聞いてくれません。
そこへ約束通り う−ちゃんが来て〈れました。
糸を持つパピー ちゃんとたこをもつう−ちゃん。
空へあがっていくたことともに
パピーちゃんの心がはずみます。

 
うれしくて、うれしくて走り出したら、
どんとしり もち。

せっかくあがったたこが、
たちまち落ちてき ます。

あわててう−ちゃんといっしょに
糸を引っ 張るパピーちゃん。  

たこあげのスリルが
手にとるように伝わってきます。

まるで自分があげているような気分になりま す。
時間のたつのも忘れるぐらいです。

まっ赤な夕 焼けの中にあがるたこ。
大人に手伝ってもらわないで、

自分たちだけであげたたこだけに、
満足感があ ふれています。


ところが、たこはなかなかとまって くれません。
二人とも転んだら、また落ちてきまし た。
まだまだ二人の腕は未熟なのです。
「よし、明日 こそ上手にあげてやる」、
二人は約束して別れま す。


もう、これで大丈夫。
たこあげの楽しさを
明日にまで残していく幕 切れが、

子ども達の心をとらえずにはおかないで しょう。

失敗しても、またやりたくなる、
その思い が、
たくましい好奇心を育てて〈れるのです。


毎月のちいさいパピーちゃん絵本 売店
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