Topぺーじ  五十野惇の 制作あとがき
 (このページを別ウィンドウで開く)               毎月のパピーちゃん絵本 売店

解説:西本鶏介先生(昭和女子大学名誉教授・評論家・作家)

のおはなし
ひな祭

解説
西本鶏介先生
児童文学評論家・作家


創刊:1987(昭和62)年





















 
ひな祭りの人形を素材にして
春になった喜びを 描くお話です。

川に流れてきたおひなさまの持ち主を探して、
まだ雪の残っている森の上まで歩いていく
パピーちゃんのやさしさが、
春を迎える心に重なり、

更には楽しいひな祭りへの思いまでも
ふくらませてくれます。


もう春が来ているのに
長く眠りすぎた くまさん達にとって、

パピーちゃんは、まさに春のお使いです。
 
川上から流れてきたおひなさまという
アイディ アは、

かって盛んであった流しびなの風習を
うまく生かしたもので、

今でもこの風習の生きている ところがあります。

もともとひな祭りは暖かく なった春の日に、
子ビも達が川岸に座って、 人形と 話をしたり、
ままごと遊びをしていたのが始まり で、
それがいつしか家の中の行事になったのです。

むかしのピクニック用の食べ物であったあられを、
今も食べるのは外の遊びが
家の中の遊びに変わった証拠でもあります。

それはともあれ、
みずみずしい 季節感のあふれた お話で、

のどかな自然の背景にも
春を告げるもの が、
たくさん登場してきます。


つくしんぼに、桃の 花、
楽しそうにさえずる小鳥、 あたたかいお日さま、

まだ冷たい小川の水にも
春のにおいがいっぱいで す。  

く−こちゃんの家の素朴なひな祭りにも
春の心が はずんでいます。


はでばてしく人形を飾るより、
ほんとうのひな祭りとはなにか、

そんなことまで教えてくれます。
/ ・
児童文学評論家・作家  西本鶏介

毎月のちいさいパピーちゃん絵本 売店

3月 / 4月 / 5月 9月 / 10月 / 11月 12月 / 1月 / 2月
   
Topぺーじ    このページの始めにもどる