Topぺーじ    五十野惇の 制作あとがき
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解説:西本鶏介先生(昭和女子大学名誉教授・評論家・作家)


のおはなし


解説
西本鶏介先生
児童文学評論家・作家



創刊:1987(昭和62)年
























 
美しい桜の花びらごはんに
葉っぱのお皿とお金。
桜の木の下の花の家。

幼児の大好きなままごと遊びの楽しさが、
ぐんぐんふ〈らんでいきます。


やっと五つまで数えられるようになった
パピー ちゃんが、

自分で花びらを集め、
五円の花びらごはんをつくったのです。

もし、だれも買いにきて〈れ なかったら
どうしよう。

 
「あそぼう、あそぼう、五えんであそぼう、
さくら のはなびらごはん、
一さら五えん」  

パピーちゃんの呼びかけは、
友だちを求める幼児の心そのもの。
五円のくり返しには、
五つまで数え ることのできた うれしさが

こめられているのです。

それにこたえてうさぎのう−ちゃん、
ねずみの ね−くん、くまのく−こちゃんが、
思い思いの菓っ ぱのお金を
持ってかけつけてくれました。


いっしょ うけんめいサービスする
パピーちゃんと

花びらごはんをたべるお友だち。
ただの花びらも、
ここでは、ど んなものよりも

おいしい心の通いあったごちそうで す。

すっかりうれしくなった
パピーちゃんは、

おみやげに、花びらでつくった
首かぎりまでプレゼントし ます。
「またあそぼう、さようなら」。
送るものも、送 られるものも、
それぞれの思いを胸に、

明日もまた 遊べることを
信じて別れます。  


ままごと遊びや買い物ごっこの楽しさから
友情のすばらしさまでも
つなげてくれる花びらの首かぎ り。
美しいイメージと暖かな春風の中で、
幼児の姿をいきいきととらえます。

児童文学評論家・作家  西本鶏介

毎月のちいさいパピーちゃん絵本 売店

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