Topぺーじ   五十野惇の 制作あとがき
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★☆★  西本鶏介先生の解説  ★☆★
昭和女子大学名誉教授・評論家・作家


のおはなし
海水浴

解説
西本鶏介先生
児童文学評論家・作家



創刊:1987(昭和62)年

どんな現実のできごとからでも
幼児の夢は大き く、ふくらみます。
たとえ、まねっこ遊びからだって
本物以上の体験を
感じることができます。  


見えな いものが見え、
不可能なことが可能になる、
そんな 豊かな心をいっぱい持っているのが
幼児のすばら しいところです。  
その心をた〈みに刺激して、
海水浴の楽しさを
存分に味あわせてくれるお話です。  


たった三本の白いヒモが、
たちまち波になって、

パピーちゃんを
海の世界へと運んで〈れます。

もうすっかりその 気になった
パピーちゃんの頭には、

海のことしか ありません。

色紙で魚を作り、
タコをつくつて並べ ると、

部屋の中は完全な海。
とびこみ台のつもりの 椅子から
海へとぴこんだら、

色組の魚も、波も、白 いヒモも、
いよいよ本物に変わってしまいます。

ここには、 食いしんぼうで、
冒険好きの幼児を、

お話の世界に 運び込まずにはおかない
りアリティがあります。
泳ぎ疲れて食べるおむすびの味。
色紙のおむすぴ とて
本物以上のおいしさです。

そして、ふと現実に もどつたとき、
今度は本当の海水浴が待っていま す。
空想のできごとは、
明日になれば現実となるの です。


ファンタスティックなお話の魅力は
お話の国へ 行って帰り、
また行きたくさせるところにありま す。

そのまた行きたくなるところが
本当の海という のですから、
子どもにとって、
こんなうれしいこと はありません。

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