Topぺーじ 五十野惇TV           五十野惇の 制作あとがき
                赤毛のアン                 
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NHK海外取材[童話の国々]から

異端のヒロイン         
「赤毛のアン」

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「バラは、たとえほかのどんな名前でも、同じように、におう と、書いてあったけれど、
どうしても信じられないの。
もしバラがアザミとかキャベツなんていう名前だったら、
あんなにステキだとは思えないないわ」。


私は「赤毛のアン」のことを思うと、
いつでも ″ヒットの発想″とは何かを
考えさせられます。
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作者のモンゴメリーは、
四十数社の出版社を訪ね、断わられ、
ついに出版にこぎつけたのは、
書きだしてから
十余年の月・日がたっていたということです。
主人公が、
赤毛で、そばかすだらけ,やせている。
という少女は、小説の主人公にするには、
どこの出版社の編集子も
論外だったのです。
ましてや
[バーリの池→輝く湖水]、
[丸木橋のそばの泉→ドライアドの泉]、
[白い湿み木道→歓喜の白路]、
[窓の外のさくらの木→雪の女王]
というような空想遊びは、
ばかげて見えたのです。
豊かな想像力にまかせて
話し始めると、
とまらないおしゃべり。
@登場人物は自然にとけこんで生きている。
A登場人物たちのしっかりしたした存在感。
自分の意見、他人への配慮が、
いずれもくっきりしている。
B簡素な生活。
C自立への少女の努力。
好奇心にあふれ、
失敗をくりかえし、
自らを精いつばい
表現しながら成長する姿がさわやかだ。



赤毛のアンは、モンゴメリーが
郵便局の忙しい仕事の合間を
ぬって書きました。
 モンゴメリーの生家は、
カナダでもっとも美しい州といわれる
プリンス・エドワード島に
あります。

一躍
ヒット商品(作品)になると、
あのマーク・トウェインさえも
「こんなすばらしい子ども(アン)は
これまでの文学作品にはなかった」と
激賞しました。
ヒットの発想とは、
結果だけを見れば、昔も今も変わらず、
異端者を創造して行く
仕事なのでしょうか。
それにしても、
その二十数年前に
スイスで書かれた『ハイジ』を思い出します。
大自然、簡素な生活という背景に加え、
孤独だった
少女と老人の交流まで似ている。
それに、趣味のよいユーモアと、
生活の中の祈り。
共通するのは、
人の心、愛情への信頼感。
それが深いところで
心を打つのでしょう。
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〈引用〉


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このページは、
NHK番組
「童話の国々・五十野惇取材構成」、
小学館月刊誌
「幼児と保育・童話のふるさと・五十野惇執筆」
学習研究社月刊誌
「幼児の指導・童話のふるさと・五十野惇執筆」
メイト出版月刊誌
「ほいくのひろば・童話のふるさと・五十野惇執筆」
を もとにして作成しました。
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