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私は「赤毛のアン」のことを思うと、 いつでも ″ヒットの発想″とは何かを 考えさせられます。 ● ● |
作者のモンゴメリーは、 四十数社の出版社を訪ね、断わられ、 ついに出版にこぎつけたのは、 書きだしてから 十余年の月・日がたっていたということです。 主人公が、 赤毛で、そばかすだらけ,やせている。 という少女は、小説の主人公にするには、 どこの出版社の編集子も 論外だったのです。 ましてや [バーリの池→輝く湖水]、 [丸木橋のそばの泉→ドライアドの泉]、 [白い湿み木道→歓喜の白路]、 [窓の外のさくらの木→雪の女王] というような空想遊びは、 ばかげて見えたのです。 豊かな想像力にまかせて 話し始めると、 とまらないおしゃべり。 @登場人物は自然にとけこんで生きている。 A登場人物たちのしっかりしたした存在感。 自分の意見、他人への配慮が、 いずれもくっきりしている。 B簡素な生活。 C自立への少女の努力。 好奇心にあふれ、 失敗をくりかえし、 自らを精いつばい 表現しながら成長する姿がさわやかだ。 |
赤毛のアンは、モンゴメリーが 郵便局の忙しい仕事の合間を ぬって書きました。 |
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モンゴメリーの生家は、 カナダでもっとも美しい州といわれる プリンス・エドワード島に あります。 |
一躍 ヒット商品(作品)になると、 あのマーク・トウェインさえも 「こんなすばらしい子ども(アン)は これまでの文学作品にはなかった」と 激賞しました。 ヒットの発想とは、 結果だけを見れば、昔も今も変わらず、 異端者を創造して行く 仕事なのでしょうか。 それにしても、 その二十数年前に スイスで書かれた『ハイジ』を思い出します。 大自然、簡素な生活という背景に加え、 孤独だった 少女と老人の交流まで似ている。 それに、趣味のよいユーモアと、 生活の中の祈り。 共通するのは、 人の心、愛情への信頼感。 それが深いところで 心を打つのでしょう。 |
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