Topぺーじ 五十野惇TV         五十野惇の 制作あとがき
              白雪姫・いばら姫              
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NHK海外取材[童話の国々]から

メルヘンの城     
グリム童話
Youtubeでも一部、ご覧になれます


       
ヘンゼルとグレーテルは、
帰りの目印のために石とパンをおきながら、
不思議な森をどこまでもはいっていきました。
五十野ディレクターも,
同じことをしてみました。

NHK TV「童話の国々」から五十野ディレクター
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森の国・ドイツ


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日本のドライバーなら、
一度は走ってみたいアウトバーン。 
最低速度は時速60キロ、最高は無制限。
ど の車も、100キロ以上の
スピードでぶっと ばしています。
 これは、ヒットラーの残した唯一最大のも ので、
国内の主要都市はもちろん、
国境へも 3時間で行けるよう、
ヒットラーの大号令で
国をあげて完成されたものです。
 

                
アメリカ人にいわせれば、
テキサスの大平原を走っているハイウェイと
ちっとも変わらないじゃないか、
と悪口をいいますが、
ドイ ツ人は、緑の大平原といって、
そのアメリカ 人の悪口を封じ、
たいへん自慢をします。
ほんとうに、アウトバーンを走ると、
森と森がアウトバーンで
つないでいるように思えるほど、
ドイツには、森が多くあります。

森といえば、なんといっても
グリム童話に登場する森を思い出します。
白雪姫やねむり姫、王子さま、小人……
そして魔女が住んでいた森です。
 どこまでも、どこまでもつづく森。
でも、
あっというまに過ぎてしまう森も、
歩いたら それこそ たいへん。
「ヘンゼルとグレーテル」 の
お話ではありませんが、
それこそ道に迷い、
魔女にでも出合わないとは限りません。
私も歩いてみました。



うっそうとした木々。
それも、陽が影をつく り、
それが かげろうのようにゆれる時、
だれ でも、「オー 魔女!」と、
叫んでしまいそうです。。  
ディレクターの私までが、胸をときめかせ、
魔女の出るドイツの森にいるような
気持ちになって
しまっ たほどです。思わず
「魔女は、いるのでしょうか?」と、
尋ねて みたくなりました。





魔女の森  



森のコミニユケーション
ドイツ人の中には、魔女を信じている人も いると聞きました。
中には、森にこもり、時 に、町に出て、
魔女の論文を発表するという 人もいるとのことです。
地方によ っては、実際に魔女狩りという催事もあるそ うです。  
しかしこれは、年に一度のお祭りで、男たちが森に美女を求めて騒ぐ、
まあ、美人コン テストの一種だとも開きました。  
日本では、女人禁制だなんていう山があり ましたが、
魔女狩りをして、美人コンテスト をするなんて、
やはり、ドイツの男性は、狩 猟民族なのでしょうか。  
それと、ドイツ人の先祖は、この森で、
人の心臓を も食べたりしたのでしょうか? 
グリム童話の 原作には、そんなことも書いてありました。  









イラスト  毛利 厚




ドイツでの森は、アルプスや軽井沢 というイメージではありません。
どちらかというと、その町の裏 山というイメージです。  
小さな町なら、どこにでもある森のことでしょう。  
その森は、ここでは、町の人々の公園になってい ました。
そこには、フィールド・アスレチッ クや、 木にかけられた ながいブランコ、
ターザン になって遊べるロープ、
何十メートルも登れ るように杭が打ってある太い木、それに、キ ャンプ施設……。
いってみれば、ここは、こ の町の、この村のコミュニティ広場といえる ところです。  
私が訪ねたときは、恋人達が、時間を忘れて楽しんでいました。
しかし、悲しいかな、この森の木々も、ア ウトバーンを走る車の排気ガスで、
一本一本 枯れていっていくと聞きました。






ねむり姫の森

ザバーブルグの城


どこの国でもそうですが、
物語の舞台をめ ぐつて、
本家・元祖争いがあるものです。  
日本でうたう 「山のお寺の鐘が鳴る…」 。 
かつてこのお寺をめぐつて、この歌のお寺 は、
オラが町の、いや オレの村といった
ユーモラスな争いがありました。
 ドイツにも、グリム童話をめぐつて、
それ と似た争いは、いくつもあります。  
恐ろしい魔女については、
やはりそうした 争いは少ないのですが、
白雪姫やねむり姫な ど、
とくにかわいい主人公の物語では、
この 登場人物こそ、
オラの町の城に住んでいたとか、
それはそれは、お国自慢がたいへんです。  
ドイツでは、どんな片田舎に行っても、
城 あるいは城跡があります。  
グリム童話に登場する王子さまや王女さま は、
私たち日本人から見ると大きな国の王子、
王女というイメージですが、
実はそうではあ りません。
日本でいえば、庄屋さんの息子か
娘さんといったところで、
これらの物語を、ドイツ人は、
オラが村の事件や話と
考えているの が一般的です。  
ですから、いきおい白雪姫の舞台は、
オラ が村の城だ、というのです。  
私が訪ねた小さな村、ザバーブルグでは、
この村にこそ、ねむり姫が住んでいたと、
歴 史学者の権威をつけて、話してくれました。
ねむり姫が実際に使ったという、
つむぎ織り機も見 せてくれました。  
そして、この村では、
年に一回、ねむり姫 大会を行い、
ここでも、一番の美人(中学生 ぐらい)を
選ぶんだと聞きました。  
グリム童話では、
この国(実は村なのです が…)で
一番美しい女の子といういい方が
し ばしば出てきますが、ドイツ人は、そんなに
美人コンテストが好きなのでしょうか?  


私は、その日、今年、
村一番のねむり姫と なった
少女(中学二年)と食事をしました。  
食事をしながら、その少女は、
煙草を吸う のです。
この国では、女の子も、小学生高学 年から、
煙草を吸うと開きました。  
でも…・、グリム童話に出てくる白雪姫や、
ねむり姫は、煙草を吸うと書いてなかったと
思いながら、この少女に私は
いささか とまど つてしまいました。

                   


〈引用〉


             

このページは、
NHK番組
「童話の国々・五十野惇取材構成」、
小学館月刊誌
「幼児と保育・童話のふるさと・五十野惇執筆」
学習研究社月刊誌
「幼児の指導・童話のふるさと・五十野惇執筆」
メイト出版月刊誌
「ほいくのひろば・童話のふるさと・五十野惇執筆」
を もとにして作成しました。
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