10月のおはなし 解説 西本鶏介先生 現在、 |
乗り物の大好きな幼児の心を いきいきと描いたお話です。 パピーちゃんのように運転できたら、 どんなにすてきだろう。 遊園地の豆自動車から 本物の自動車へと 夢が広がっていきます。 まっすぐな道を走ったり、 カーブをまがったり、 信号の前でき ちんと止まったり。 まるで自分が運転しているよ うな 気分になってきて、 パピーちゃんを応援したくなります。 それにしてもパピーちゃんは、 なんと運転が上手でしょう。 ストップもスタートも、 ま るでお手のもの。 おまわりさんにもほめられました。 楽しいドラマの進行につれて、 いつの問にか交通ルールまでも、 頭の中に入ってしまいます。 「あかはとまれ。 きいろはちゅうい。 あおはすすめ。」 「みぎだ、ひだりだ、よくみてすすめ。」、 自動車の側だけでなく、 歩行者の側のルールまでも 教えてく れます。 知識絵本でありながらも、 それをストレートに描くのではなく、 リズミカルな語りと、 乗り物のおも しろさをふんだんに 盛り込みながら お話そのものの世界へと 運び込んでくれます。 しかも、最後は、 「つぎのばん、 きみのばん、 こうたい、ゴーゴー」と パピーちゃんにかわって、 この豆自動車に 乗ることをすすめてくれます。 現実と空想の間を 自由に行き来できる幼児にとって、 それがどんなにうれしい 問いかけになるか、 絵本を見ている子ビも達の笑顔が 目に浮かぶようです。 |
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