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作者不詳(上下) ミステリ作家の読む本/三津田信三 |
2002年発表/2010年刊 講談社文庫 み58-4,5(講談社)/(講談社ノベルス(講談社)) |
(2010.12.27) 文庫化に際して若干改稿。引用した作中の文章は、文庫版の方を優先しています。 |
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*1: ノベルス版での「娯楽としての殺人」の“解決篇”には、文庫版では『迷宮草子』に回されている各篇の執筆者名の謎解きが配されていました。怪異に取り憑かれた飛鳥信一郎が三津田信三を『迷宮草子』の作者だと“告発”した挙げ句、独力で謎を解こうと呻吟する三津田信三に対して
“三津田信三には謎が解けない。自分で造った本なのに、その謎を解くことができない”(ノベルス216頁)と叫ぶ場面は気に入っていたのですが、やはりこの段階で三津田信三が“告発”されるのは早すぎるでしょう。 *2: 実際、「朱雀の化物」とは少々違ったトリックながら、やはり人物を隠匿する叙述トリックを中心に据えた〈テン・リトル・インディアン型ミステリ〉が他にもあります。 *3: ちなみに、ノベルス版ではこの解釈は明示されていません。 *4: 余談ですが、「陰画の中の毒殺者」の“作者”とされている“廻数回一藍”は、なぜか『スラッシャー 廃園の殺人』で実在した作家の名前として登場しており、そちらを読んだ時には『迷宮草子』各篇の執筆者名をすっかり忘れていたため、“S・H・I”と読める名前に何の意味があるのかしばらく悩まされてしまいました(苦笑)。 2007.10.13 ノベルス版読了 2010.12.20 / 12.22 文庫版読了 (2010.12.27改稿) |
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