狂詩(打油詩)
錦城讚歌
櫻樹金城鐵壁雄, 豐臣勳耶公輸功。 休言天下大愚論, 遮莫錦城千古崇。 |
櫻樹の金城 鐵壁の雄, 豐臣の勳か 公輸(こうしゅ)の功? 言ふを 休(や)めよ 天下の大愚論, 遮莫(さもあらばあれ) 錦城 千古に 崇(たか)し。 |
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自註: | |
わたしが子どもの頃、「大阪城は誰が建てたのか?」という謎々が流行った。 「豊臣秀吉。」と答えると、「間違い。答えは、『大工さん』です。」というのであった。 そういえば、万里の長城も人民の膏血でできたという。たしかに「人民只有人民,纔是創造歴史的動力」ともいうし…。社会全体がそういう見方に与していたから、子どもの我々にも投影したものなのだろう。 とっくに大人になった今、答えは、やはり企画立案者、施工主のほうではないのか…と、子どもの遊びに真剣に考えてしまう。 現存の大阪城は、残念ながら、秀吉が縄張りをして建築設計をしたものではない。しかし、昭和初期のコンクリート造りではあるものの、鉄筋が多かったためか(或いは、太かったためか)、よく米軍の空襲に耐え、大震災をも乗り越えた。これは第一級の建築士の手になった、正に昭和の金城鉄壁とも謂うべきものである。(平成17年11月23日) (後日記:この詩は、作詩当日、新聞紙面を賑わしていた姉歯耐震強度偽装事件を基にして詠ったもの。 平成28年2月17日) ----------------- ・公輸:〔こうしゅ(こうゆ);Gong1shu1○○〕春秋時代の魯国の名工。公輸班、公輸般ともいう。ここでは、直接建設に携わった技術者の意で使う。 |
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