huanying xinshang Ding Fengzhang de zhuye

宋詞格律

1.はじめに

  宋詞とは、宋代に隆盛を極めた韻文の形式である。その一代前の唐詩に比べ一句の文字数が一定でなく、長短不揃いであり、句数も色々ある。その形式も多様であり、普通は「填詞」、或いは単に「詞」ともと呼ぶ。ただ、本サイトでは、辞、賦、楽府、詩、詞、曲などを採り上げており、辞(じ;ci2)、詞(し;ci2)、詩(し;shi1)と似ており、時代によっては〔『楚辭』→『楚詞』と〕辞と詞を入れ違えている場合もあり紛らわしいのを避けるため、宋代以外の填詞、例えば、唐、五代の詞も「宋詞」と一括して呼んでいる場合があるが、当然のことながら、その時は「宋代に隆盛を極めた韻文形式である填詞(詩餘)」の意で使っている。

  宋詞(填詞)は、五言や七言から構成されている唐詩とは違い、複雑な形をしている。 詞を味わってみると、詩とは全く違った趣を持っているのが解る。 一つには、形式の上から、更には詠い込む対象・内容の違いから、また詞の社会的な地位(詩が正式の韻文)から来ている。 また、初期には歌として歌われ、歌詞として発達してきたという側面もあり、性格の違いからも来ている。 そのため、詞は曲調にあわせて、長短入り混じった句で出来ている。なお、このことについては、本によっては多少違いを見せている。後に曲調が失われてからは、韻文の文学作品として作られ、現在に至っている。
  なお、詞の別称に「詩余」というのがあるが、詩から派生してきたもの、詩の余技として、本来の“格調高い詩”では表しにくい“俗”或いは、生の声、生活、本音、情愛、憤怒などというものの表現形式として新『楽府』とともに出てきたものともいえよう。それ故、初期の詞(唐詞)は、たしかに、詩の余技という雰囲気をよく表している。 また、填詞ともいうが、これは、複雑な詞譜に従って、文字を当てはめていく、(後出 )というところからきている。近体詩にはない複雑な制約のことをよく言い表せている。
  次に詞を実際に見ていただき、その感じを味わっていただく。
  例として、以下に掲げる詞は、本ホームページを御覧になったLさんが、感想と、白居易の『憶江南』を贈って下さった、その詞である。 (Lさん、ありがとうございました。


       憶江南

     江南好,
     風景旧曽
     日出江花紅勝火,
     春来江水緑如
     能不憶江!   

 各句は、3,5,7,7,5(合計27字)と長短の句が入り混じっている、唐詩を見慣れた目には、少しややこしく映るが、数ある詞の中では「憶江南」は比較的単純な形式で、短いもの(小令)の一つである。切り方も、平仄も、唐詩と似通っていて、唐詩に慣れた我々にも違和感を感じさせない。(これを二度繰り返す双調54字もある)。押韻は、平韻の一韻到底格である(韻脚:「諳」、「藍」、「南」で、詞韻 第十四部平声)。白居易だからかもしれないが、なじみやすい形式のものである。

 これが盛唐の李白からといわれる填詞(=詞=詩余=宋詞)である(白香詞譜:「…又云太白菩薩蠻憶秦娥二詞爲百代詞曲之祖」)。五代を経て、宋朝で最高潮に達したため、宋詞とも呼ぶ。(「宋詞」の本義は、「宋代に作られた填詞」であるが、ここでは唐詩(近体詩)と対応して書き進めるため、便宜的に、広く填詞を宋詞と表す。)


2.詞の基本的な形式について

  詞の種類について
  填詞は、その形式の種類が極めて多い。近体詩の形式は五言と七言の絶句・律詩で、その種類は大胆に言えば、四種類になり、仄起、平起を分けても、八種になるだけであるが、それに反して宋詞の形式(詞調)では、長短句入り混じり、平仄、押韻の形式も数多く作られ、その種類は「萬氏詞律全書」(『詞律』)(萬樹:康煕年間版)によると、八百二十五調、千百八十余体がのせられ(『詞律』序より)、同『詞律拾遺』を合わせ、千六百七十余体があると述べられている。(『詞律拾遺』凡例より)。これからみても解るとおり、宋詞には極めて多種類の詞牌(形式名)がある。特に唐五代よりも宋朝の方がより複雑、大きいもの(長調)となっていく。
 それら各形式(詞調)毎に、一つの形式の題名が冠せられている。それが、「詞牌」である。詞の形式は詞牌の数だけある、と入っていい。(厳密にいうと、同一の形式に詞牌が複数ある場合もあるが…)その色々な形式の詞の平仄配列の一覧表が『詞譜』である。

  詞牌とは本来は詞の題名ではなくて、形式名、音曲名と謂えるので、「本意」でない場合は題を添えて書いている場合がある。題を附けるのではなくて、添え書きをしている場合もあるが、その区別に悩む場合がある。これは主として作者の個性と時代に因っている。ここでいう、本意とは詞牌と詠い込む詞の内容が合致しているものをいうのであって、比較的初期のもの(唐五代詞)に多い。
  また、詞調が同様でも、詞牌が違う場合がある。同一の形式なのに、異なった名称(詞牌)が複数個あるものによく出くわす。これは、一つには、後世の人が、自分の愛する先人の詞の句の一部を詞牌として使うことである。『大江東去』、『江月』などは、その例である。また、『烏夜啼』と『相見歓』、は詞調は同じでも、嘗て詞が歌われていた時代には、宛われていた曲が違うため、本来は、別物と言ってもよいものである。もっとも、詞は現在、曲が失われており(音楽を宛った試みがあるが)、文学作品として接しているため、平仄の配列が同じ事から、同じに扱われている。ただ、或るものは、唐の教坊の曲名、唐の曲名、楽府題など多方面に亘り、嘗てどういう風に歌われてきており、それがどのようにして『填詞』のジャンルに統合されてきたのか真に興味深い。なお、詞牌と詞調の関係については、下記の書物群によっては、些か異なる場合もあるので注意を要する。詞牌、詞譜の種類については「詞牌」のページに述べている。
  また詞牌で、標準の詞牌の後ろに「−引」「−近」「−慢」が、また、詞牌の頭に「攤破−」「減字−」等が付いた場合、元の詞牌より変化・発展してきたことを表す。(これらは、文字の増減を表している。)どの部分が変わったかは、詞譜を見て確かめるほかない。これも作者に因って、使用頻度の差、偏りが大きい。
  詞牌については、例えば「菩薩蠻」のように女性を暗示し、それで作るものは婉約詞的なものを、また、「滿江紅」などは豪放詞傾向のものが多く作られている、ということである。これは曲調の違いや、入声韻で押韻するなどといった力強さ等の違いからきていよう。作詞を使用という場合はこの点を顧慮しておくべきである。

  詞の大別は文字数で決める。その一の文字数から短篇、中篇、長篇(「小令」、「中調」、「長調」)に三分する。
  五十八字以内のものを「小令」、五十九字から九十字までの間のものを「中調」、九十一字以上を「長調」としている(草堂の分け方:「詞律」発凡より)。最も長いものは二百四十字の「鶯啼序」である。(「萬氏詞律」に以下の言葉がある。「鶯啼序  按詞篇字数最長者惟此調舛錯不合者亦惟此調又因作者甚寡故難于考正…」とある。)概括して言えば、初期(唐五代詞)のもの は短く北宋詞、南宋詞となるにつれて、また婉約詞より豪放詞の方が比較的長くなってきている。勿論のことながら、婉約詞でも柳永のものは極めて長く、個人の傾向に負うこともある。

  詞はその構成から、「単調」と「双調」に分けられる。
  単調とは、その韻文形式=一つの作品が、一つにまとまっているもの一段構成のものをいい、双調とはその形式が、二部構成になっている韻文形式をいう。前半を「前」(前段、上片)、後半を「後」(後段、下片)という。詞は双調構成のものが圧倒的に多い。単調は、概ね初期(唐五代)に限られている。双調は、@単調のものを繰り返すもの A単調のものを繰り返すものの、繰り返しのはじめ部分を少し変えるもの B繰り返しをしないで「前」「後」を通して一つのものを作り上げている。双調は、初期の形式はほど、似かよった形を繰り返すことが多い。また前と後の移り変わるところを「過片」(片とは)という。この過片で、詠む雰囲気が変わる。なお、「単調」と「双調」の二種以外、例外的なものもあるにはあるが…。


3.詞の基本的な表現について

  詞は、その表現が極めて多彩であるが、制約も極めて多い。
  まず、長短句が入り混じって複雑なリズム感を醸し出している。平仄の韻律も近体詩に比べ、格段に複雑・多様化した。王力先生の『漢語詩律學』によると、平仄のパターンを四十六種に分けている。平仄の並び方が実に多種なのである。この点も近体詩の十種に満たないのと大きな違いである。一句の中の平仄は、二字でまとまり、基本的には「
○○」と来れば次は「●●」と来ることが多い。その後が続くとすれば、再び「○○」となるのが多い。もっとも、「●○○…」となっていくものも比較的多く、一概には言えないが…。
  また、一字で独立した句(正確に言えば、節奏=切れ目で、韻は踏まない。仄字)の「一字逗」「…………」がある。 句の前半三字目で切れる三字逗等の逗「
○○+」もある。外見だけからすれば、上古の「天馬歌」や一部の辞賦などと似通っているとも謂える。
  また、句をリフレイン(「畳句」)させるタイプの詞牌もある。

  近体詩では、概ね「平」「仄」の二分法で、詩を作っていたが、詞では、場合によっては、「平声」「上声」「去声」「入声」等と指定されている場合がある。これは『元曲』では更に厳しくなってくるところである。
  なお、詞牌に因っては、対句にするところもある。このことについて、王力先生の大部の著作『漢語詩律学』(1958年)に対して『詩詞格律網要』(塗宗濤:1982年)は争論を挑んでいる。 『漢語詩律学』では、「詞の対句は律詩ほど厳格ではない」として、同一詞牌でありながら作者によって対句にしているもの、していないものの双方を多数例示し、詞の対句の曖昧さを主張している。これに対して『詩詞格律網要』では、『花間集』、『東坡樂府』中の「浣渓沙」、「西江月」両詞牌作品の対句の割合を出して、対句が厳然として存在したことを証明しようとしている。また、詞牌の原型を求めて、祖型にたどり着き、対句にすべき所を証明しようとしている。いずれにせよ、対句は(詞牌によって)一応あると見ておいた方がよいだろう。
  中調や長調では、押韻が平韻と仄韻が交互に換わる、「換韻」があるとともに、全ての句で韻を踏むというのも比較的多い。おもしろいのは、換韻の変種で同一の韻部で声調だけが異なるというのも少数ながらある。
  わたし自身の感じでは、例えば「水調歌頭」は、対句が多い。もっとも、いろいろな詞人の「水調歌頭」を比べてみると、対句の場所(範囲)にムラがある。確かにこのことは面白い。
  本サイトでは、「詞牌」のページから、同一詞牌の作品を見比べようとすればできるようになっている、なお、ここを押すと、念奴嬌の対句部分の比較結果へ移る。


.詞譜・平仄・詞韻について

  『詞譜』とは、詞牌の平仄式の一覧表である。これは填詞を作る際の韻書であるともいえる。詞の平仄と詩の平仄とは、平仄そのものは同じであるが、押韻の韻目の分類で違うところがある。「詞譜・詞牌」のページを見ていただけば、その雰囲気が分かると思う。填詞では、近体詩を作る際に用いられる『平水韻』(詩韻、百六韻(百七韻))を使わない。独自の詞韻を用いる。(なお、本サイトでは「詩韻」・「詞韻」では紛らわしいため、「詞韻」「詞譜」・「平水韻」と言い換えている場合が多い。)

  平水韻と詞韻を比較すれば、詞韻の方がより簡明で、現代語に近い。特徴的なところとしては、ang韻系統(唐韻・陽韻と、独用であった江韻との統合)、eng韻、ing韻の統一、声調を超えて、同一韻母の韻部を同一の韻部にまとめるなど、同一韻母の換韻に極めて便利に出来ている。
  詞の韻部は、明・沈謙、清・仲恒の先だつ規范があり、「詞林正韻」では、平水韻分類法を用いないで、廣韻を用いているので、このページでは、廣韻分類法を用いていくことにする。清・戈載の『詞林正韻』(写真)を基本として、音価は『漢語語音史』(王力先生)を、参考として、清・梁僧実の「四聲韻譜」を用いる。廣韻の方が平水韻よりも韻目が多く、少し複雑になるものの大差はないので、そのままにしておく。詩詞の鑑賞、分析、また作詞にも、大胆に見れば、基本的には両者は同じと考えても特に問題はなかろう。

  韻目・韻部
  詞韻の分け方は、詩韻の場合とは、違う。詞韻は、詩韻の韻部を活用して分類しており、詩韻に慣れた者にとっては、極めて便利に出来ている。
  詩韻の分類では、平声(ここを形式上、更に上下に二分(現代語の陰陽の区分とは別))、上声、去声、入声の四部に分けて、各声調毎に韻目別に分類しているのに対し、詞韻の分類方法は、異なる。
  先ず、全韻部を大きく十九部に分け、第一部から第十四部までと、第十五部から第十九部までの二部構成にしている。前者(第一部から第十四部まで)では各韻部内をそれぞれ平声、上声、去声に三分している。そして、第十五部から第十九部までは、入声のみとしている。これは、宋詞(填詞)で多用される仄韻や換韻の際、甚だ重宝であり、なかなか便利な構成となっている。
  また、入声が別扱いになっているのも当然といえる。歴史的に見て平上去声は声調だけの差異であるのに対し、入声は一音節(一字)の最後が子音で終わるという、他とは異質のものであるということから来ていよう。更に、詞では入声韻に限る、という詞牌も多々あり、合理的な分類法といえる。



5.どのような詞牌を選ぶべきか 

 蛇足の項目であるが、我々日本人が、詞を作ろうと思うとき、やはり詞牌を選ぶことが重要になってくる。なにしろ我々にとっては、漢語は母語ではなく、異国の言葉であるからである。また、日本の漢詩(近体詩)とは、違った、我々にとっては未知の領域であるからだ。そこで、次のような目安があってもいいのではないかと思う。如何?
(1).小令(五十八字以内のもの)か、長くても中調(五十九 字以上九十字までのもの)までのものとする。
  長い詞は、押韻の箇所も多くなる。また、長い詞で我々日本人がメリハリの利いた詞を作るのは大変だからだ。

(2).平韻の一韻到底のものを選ぶ。
  詞は換韻するものも多いが、その場合は始めが平韻であれば仄韻に換わることが多い。しかし、日本で手に入る韻書は漢詩(唐詩:絶句、律詩用)の韻書なので、仄韻の載っていない韻書が多い。また仄韻が載っていても、我々には平韻の漢詩の伝統・習慣(?)があり、平韻の韻目に因る分類には慣れていても、残念ながら、仄韻には、慣れていない可能性が高い。

(3).出来るだけ押韻の箇所の少ないものを選ぶ。
  詞は詩よりも押韻の箇所が多い。中国語で味わう場合は、押韻の文字をはっきり、しっかりと強調して詠むため、押韻で一層味わいが深まる。しかし、漢語を異国語とする我々にとっては、押韻は難関の一であるし、日本人は、それを日本風に読み下すという、一種の翻訳を通じて味わう。そのため、音韻の美しさは、味わえない。そのため、日本人の中でのみ玩味する場合は、出来るだけハードルの低い方を採った方がいいかもしれない。

(4).単調のものを選ぶ。
  詞には、単調と双調のものがあるが、(1)と同じ理由で単調を選んだ方がよい。また、双調で前、後と分かれていれば、過片の処理問題がまた持ち上がってくる。

(5).複雑な制限事項(特定の声調を使用するものや逗、その他)があるものは、避ける。
  例えば調笑令などは短いものの、畳句や文字を顛倒させて使うこと、また、全句の押韻、更に数回に亘る換韻と、実に多くの要求がある。 わたしもこれを作ったことがあるが、作り甲斐があって面白いものの、初めは避けた方がよいのではないか。
等々。
  
  前記の事項に留意して、更に唐五代の詞を参考にして作るとよい。宋代のものは、特に蘇軾以降は、長いだけでなく、詞に使われる言葉に白話、現代中国語に繋がる語彙や修辞法等が現れ、また、独特の修飾が発展し、漢和辞典だけでは対応しきれない。中国人は、より現代語に近く、より繊細な感情を表している分、宋代のものに親しみを覚えるかもしれないが、日本人にとっては、やはり唐(・五代)のものだろう。唐・五代のものは、語彙の上でも日本語に入った漢語(熟語)が使われており、日本人には抵抗感が少ない。
  また、詞語を出来るだけ使うことも味わいを深めるのに重要である。

  以上は、日本国内を想定しての、全くの個人的な見解です。乞寛宥。


6.詞譜の表記法について (現在、この項目は「詞牌」の頁と、一部重複している。)

 詞譜の表記方法は数多くある。以下にその例を挙げ、各々の特質を見ていく。
 王力先生の『漢語詩律學』では、詞譜をとても丁寧に、分析的に取り上げられており、その詞牌の特質や傾向、他の詞牌との関連を分析するには、最高ともいえる、実にすばらしいものがある。しかしながら、「詞を作る」という観点から見れば、暗号表を見ているようで、解りにくい。(上述書の表記法を以下に紹介してみる。)


  柳梢青    
4x   4s  4x|4X 4s 4x||
           6X[3a'(b)4b]|〃 〃 〃 ||
  
  解佩令    
4s 4a'(b)|[3A 5a] | 4X [3b' 4x]|[3A△○●△]||
           〃 〃  |[〃 4a']| 〃 〃 〃 |  〃  〃   ||
      
  傳言玉女   4A      6a |4a(A)1+4s(5a)|○△△△|(4b) 6x|4x 4a||
          〃[3A3b'] (6a)| 〃    〃 |○○△○|(4b)〃|〃 〃||


  以上のようである。 また、『唐宋詞格律』(龍楡生)や『詩詞曲格律綱要』(塗宗濤)等は、なかなか分かり易いが、見た瞬間は、それでもとまどってしまう。(これも以下に紹介してみる。)



  虞美人    
+−+ | −− | (仄韻) 。 + | −− | (叶仄韻) 。 + - + | |
                   
                                  

 - -(換平韻) 。 + | + - + |  | - - (叶平韻) 。 
 
                             △               

 + - + | - - (換仄韻)。+ | - - | (換仄韻)。 + - + |  | - - (再換平韻)。
             △                   △                                       

 + | + - |  | - - (叶平韻)。            
                   
    
                                                  


  少し古くなるが、『詞譜』(康煕五十四年 内府刻本)では、次のようになっている。
日本の漢詩を作っている人には見慣れた表現と思える。


   帰字謡    
●○○●○○○●●●○○


  これもやや古いが『周詞訂律』(楊易霖:民国)では、古典的な四声の声調符号を付けている。更にその後ろに、注釈文で詳しく説明をしている。以下のようである。


   蘇幕遮    
■■■▲■
           
▲■ ■▲■■■
           
■■▲■■      ……(双調:以下略)


 詞には上声、去声、入声などを特に指定する場合があるが、それには便利である。(些か例が悪かった。上の例では、必ずしもそれが明瞭ではないが…)


 また古い書に戻るが『萬氏詞律全書』(別名『詞律』)(康煕年間)、『宋詞緒』等は、見本の詞を掲げて、それに注釈を加えている。これもよくみかけるタイプだ。


また、始めに掲げた王力先生の別著『詩詞格律概要』(文革終了後に出版)、また、北京大学中国伝統文化研究中心の『詩詞曲的格律和用韻』(耿振生)では、漢字で表している。例えば、


南歌子   
        
||仄平平仄,平平仄仄平。仄仄平平。平平仄,仄平平。||
                          △           △              △



 この方式は漢字なので、初めての人が見ても誤解が起こらない。(また、入力も比較的簡単でもあるし……)それ故、本ページでは漢字方式を採用することとする。


********************
続く。

99. 6.17
99. 9. 4
99. 9. 5
99. 9. 6
99. 9. 7
99. 9. 9
99. 9.22
99.10.10
00. 2.27
00. 4.16
00. 9. 1
00. 9.21
03. 2. 9

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