竹内古道
　　　　　　　　　　　　　　　

逶古道桃花村， 馥郁羣芳醉帝魂。 孝�ｺ陵孤山上山， 江南三月近黄昏。

逶たる古道　　桃花の村， 馥郁たる羣芳に　　帝魂　醉ふ。 孝�ｺ　陵　孤なり　　山上の山， 江南　三月　　黄昏に 近し。

平成十八年三月十一日

自註
・竹内古道：	難波（なには）から（太子町、当麻町を通って）飛鳥へと続く古街道（写真）。竹之内街道。太子町には、多くの古代の天皇陵があり、最近、王陵の谷と呼ばれだした。孝�ｺ天皇陵もこの道ぞいにある。（写真左手手前）。
・孝徳天皇：	大化の改新後、すぐに帝位についた第三十六代天皇。妻に裏切られて寂しく崩御された天皇。難波長柄豊碕宮にましました。実力者の皇太子（中大兄皇子、後の天智天皇：三十八代）が大和の飛鳥の地に遷都を請うたが、孝徳天皇は許さなかった。そこで皇太子（中大兄皇子、後の天智天皇）は、皇祖母尊（皇極天皇：三十五代＝斉明天皇：三十七代）と間人（はしひと）皇后、皇弟や文武百官を連れて飛鳥に行った。皇后と皇太子とは兄妹ではあるが、極めて親密な関係にあった。そのため、独りになった孝徳天皇は、悲歎の余り崩御した。古代の禁断の愛情を繞る人間関係である。孝徳天皇は、悲しみ歎いた短歌を妻に送りつけて遺している。「わたしの大切にしていた馬を、どうして他の人が見つけてすきになったのだろうか」と。『日本書紀』孝�ｺ天皇の条に「是歳，太子奏請曰：欲翼遷于倭京。天皇不許焉。皇太子乃奉皇租母尊間人皇后，拝率皇弟等，往居于倭飛鳥河邊行宮。于時，公卿大夫百官人等，皆隨而遷。由是，天皇恨欲捨於國位，令造宮於山碕。乃送歌於間人皇后曰：舸娜紀�ｷ該，阿我柯賦古磨播，比枳涅世儒，阿我柯賦古麿乎，比騰瀰�ｷ羅武箇。」（かなき着け　吾（あ）が飼う駒は　引き出せず　吾（あ）が飼う駒を　人見つらむか）とある。

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