木鐸喜輕減税率
牙距曾對廳,
今聞優惠聲。
甘言不可食,
只怖齲將生。
木鐸
(
ぼくたく
)
輕減税率を喜ぶ
牙距
(
が きょ
)
曾
(
かつ
)
て
廳
(
(役所)
)
と
對
(
たい
)
せり,
今 聞く
優惠
(
いうけい
)
の聲。
甘言
(
かんげん
)
食
(
く
)
らふ
可
(
べ
)
からず,
只
(
た
)
だ
怖
(
おそ
)
る
齲
(
むしば
)
の
將
(
まさ
)
に生ぜんことを。
*****
新聞に消費税の軽減税率が適用される、という報道に接しての詩。
優遇されたからといって、今後とも、舌鋒を鈍らせ、攻撃の牙を封じ込まないでほしいものだ。軽減税率の適用は、別に“口封じ”ではないのだから。
この詩は、「甘い毒饅頭は食らわないように、牙が虫歯になるから。」という詩。
------------------
・木鐸:
世人を教え導く者。社会の指導者。かつて新聞は「社会の木鐸」と呼ばれた。ここではその義で使う。本来の義は、金属製の鈴で、舌が木のもの。昔、法令を民に示すときに振り鳴らした。
・牙距:
筆勢の鋭い喩え。ここでは新聞の辛辣な論調を謂う。本来の意は、きばとつめ。
・廳:
役所。
・優惠:
優遇。ここでは、社会の発展に資し、知識や教養を普及する役割を果たす新聞に、消費税の軽減税率が適用されるようになったことを謂う。
・甘言:
人の気に入るようなことば。
・齲:
〔う、(く)qu3●〕むしば。
平成二十七年十二月十七日
次の作品へ
前の作品へ
自作詩詞メニューへ
詩詞概説
唐詩格律
宋詞格律
毛主席詩詞
天安門革命詩抄
参考文献(詩詞格律)
参考文献(唐詩)
参考文献(宋詞)
参考文献(古代・現代漢語学、漢語音韻)
わたしの主張