「私のスクラップブック」

10年2月1日


私のスクラップブック

三輪研史

日本二輪史研究会

1999年

   
 
この本は日本二輪史研究会の責任者(だと思います)である三輪研史さんが1973年から1985年にかけてオートバイ雑誌に書いたものを集めたものです。
内容は以下の通りです。

アリエル・スクエア・フォア
BSA・B34ゴールドスタークラブマンズ
オートバイの始祖・それはスチームバイクだ
4気筒オートバイの歴史 その1
4気筒オートバイの歴史 その2
星型エンジン発展記
イギリス伝説の名車 H・R・D
JAPドラッグスターをテストする
サイドカーの歴史を探る
空気で走ったオートバイ トライスィクル
オートバイにかけた青春 島津楢蔵物語 前編
オートバイにかけた青春 島津楢蔵物語 後編
ブラフ・スーペリアストーリー
輸入外車ひすとりい
クラシック入門 1
クラシック入門 2
RACING MOTORCYCLE 1895〜1939
RACING MOTORCYCLE 1947〜1958
OUTSIDER
兵器としてもモーターサイクル・その黎明期
スクーターばんざい
レーシングモーターサイクル
クラシックモーターサイクルーその魅力
モーターサイクルひとすじ350台
名車とデザイナー

アリエル・スクエア・フォアやBSAゴールドスターは三輪さんが実際に所有したもので、その時の苦労話などが書いてあります。この方はその他にもブラフはこの本を出した時点までに6台も入手し、2台もブラフサイドカーを所有してると書いてあります。

ブラフは1928年のSS80を1975年に日本で700万で売ってたそうです。6台ともなれば金額もかなりのものでしょうね。アラビアのロレンスがブラフを愛好したことは有名な話ですが、ブラフ・スーペリアストーリーを読むとT・E・ロレンスは当時ブラフ・スーペリア社のモニターを引き受けていてタダでブラフ・スーペリアが手に入ったと書いてあります。
7台も乗ったそうですが、全部タダだったんでしょうか。なんだ、という気がしますね。

クラシック入門では三輪さんなりの「名車」の定義やクラシックオートバイの入手の仕方や付き合い方などが書いてあります。レストアの仕方について、ピカピカの新車状態にもどすよりも、むしろ、いかに使い込まれた状態に見せるかが大切だと書いてます。
このあたりが三輪さんならではの価値観なんでしょうね。これはその通りなんでしょうがなかなか難しいことでしょうね。

JAPについては、これはジェイエイピイと発音すべきであってジャップと呼ぶのは下品な言い方だと書いてます。CADはシーエーディー、JAFはジェイエイエフと呼ぶべきだという意見もたまに見ます。この点私も同感です。

ところで「JAPドラッグスターをテストする」では「1/4マイル(400m)」と書いてますが、
1/4マイルは402.3mなんですね。これを400mと近似して0−400mテストとしたのが
小林彰太郎さんなんです。三輪さんのように最大限に正確を期する人でもたまにはこういう間違いがあるんですね。私のような凡才はむしろほっとするような気がしますね。

三輪研二さんはこの分野では恐らく日本で頂点にいる人でしょうから、クラシックファンは言うに及ばずオートバイが趣味の人は一度読んでみる価値があると思います。

 

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