250TRさようなら、FTRこんにちわ

10年9月18日


   
ホンダFTR

223cc キャブ仕様単気筒

ハンドルは少し高く狭くしてます

プラグキャップは赤から黒に換えてます

ホイールリムはシルバーの方が良かったです

 
昨年11月に買ったカワサキ250TRはミスファイアを起こすトラブルが出て修理してもらいましたが、その後ミスファイアはなくなりましたが、時々エンストするようになりました。
またアクセルを開けたときに駆動力が出るまで一瞬間があることが多く、どうも車がアクセル操作どおりに動いてないようでした。

前回の修理ではECUとスロットルボディーを換えてもらったんですが、換えた物も不良品だったのかもしれません。再び販売店に持って行きました。80歳以上まで20年乗るつもりで購入したものですが、こんなトラブルが出るようでは車はカワサキに引き取ってもらいホンダFTRに買い換えたい思いでした。今時インジェクションでトラブルが出るなんて信じられない思いです。FTRはキャブです。

この思いを販売店に言ったら販売店が「FTRに買い換えるんだったら250TRは下取りとして取ってもいいですよ」とi言ってくれたので、直るアテもないし、この際気分一新してそうすることとしました。もちろん買った値段での下取りにはなりませんから、最初からFTRを買ったときに比べて15万円ほどの損害となりました。この250TRのインジェクションは一度リコールがあったなどからも、恐らく開発が不十分なものだったように思います。

もっとも販売店の話では250TRを後にテスト試乗して特に悪いところはなかったとのことでした。引き取ってもらったんですから、そう言ってもらったほうが気が楽です。

販売店でFTRを受け取り、走り出して最初の角を曲がってアクセルを開けた瞬間に
「これだ。これだよ」と思いました。FTRはアクセル操作に間髪入れずに軽やかに弾むように回転を上げました。私が求めていたものはこれだったんです。まるで私がそこでアクセルを開けることを知っていたかのようでした。オートバイはこれでなくてはいけません。

インジェクションはオートバイには適していないということも考えられます。車では特に問題なかったわけですが、オートバイではアクセルを手で操作しますから、足よりも感覚は鋭敏です。また現在のオートバイのキャブは十分に開発された完成品です。スポーツカーに多く使われ、スーパーセブンにも使われていたウェーバーキャブなどとは完成度の次元が違うようです。ウェーバーにはそもそもチョークがありませんでした。

25年ほど前に乗った日本最初のインジェクションオートバイのヤマハYJ750Dはアクセルがオンとオフしかないような感じでしたが、現在乗っているインジェクション(ウェーバーアルファ)のスーパーセブンもFTRの絶妙さに比べればオンとオフしかないと言えなくもないです。それでもウェーバーキャブよりはいいし、もちろん不満はありません。

オートバイというものは駆動力の出方が不自然だとカーブで姿勢が不安定になりますから、キャブへの要求水準は必然的に高くなり、改善を続けてきたんです。実際250TRでは小さな角を曲がるときに駆動力の出方が不自然でぎこちない感じでした。

FTRのキャブは基本はおなじみのCVキャブですが、排気対策のために混合気を薄くし、極低速を良くするためにピストンは強制作動になってるそうです。乗った感じでは(特に直前に乗った250TRが具合悪かったため)もはや芸術品という感じがします。

FTRは低速ではバネのようにしなる感じがあり、そこから嬉々として弾むように回転を上げます。乗っていて心地いいです。注意して乗ってみると、これは単にアクセル操作どおりに動いているというだけではなく、アクセル操作が及ばない微妙なところはキャブが勝手に働いて具合良くしているようです。これはデジタル制御のインジェクションでは到底出来ないだろうと思うに至りました。

合成酒ではいい酒が出来ないことと同じです。整形では本当の美人が出来ないことと同じといった方が分かりやすいかもしれません。ホンダがFTRをキャブにしているのもそうした理由があるのかもしれません。車にインジェクションが採用されたのは80年代初めですが、その後20年以上オートバイはキャブのままでした。インジェクションの方がいいんだったらとっくにインジェクションになっていたはずだとも思います。

今後オートバイのインジェクション採用は排気対策のために加速すると思われますが、キャブのこの良さがなくなるということは寂しいことです。(私はもういいんですが)
なおFTRが弾むように軽やかに回転を上げるのはエンジン本体の素性がいいということもあるでしょう。以前乗っていた同じ220単気筒のセローよりもFTRの方が明らかにいいです。

オートバイ人生の最後の車でとんだつまづきがありましたが、FTRでいい締めくくりが出来そうです。毎日FTRに乗るのが楽しいです。考えてみればホンダは10台と最も多く乗ったんですから、最後もホンダということでいいと思います。

追記

補足ですが、始動性という点ではインジェクションの方がいいでしょうね。長期間放置した時で特にバッテリーが弱ってる時などに違いが出てくるでしょう。長く放置してガソリンが腐るとキャブの細い通路が詰まるということもあるようです。キャブの場合は週に一度は乗るようにしたいです。

忘れないうちに私の車歴を書いておきます。

三菱シルバーピジョン(1964年)、ホンダCS90、ホンダCB250セニア、ホンダCB500F、ヤマハTX750、ヤマハGX750U、BMW R100S、ホンダCBX、ヤマハXJ750D、ホンダDAX ST50、、ホンダCBX750Fボルドール、ホンダCBX750Fボルドール(サイドカー)、ホンダCBR1000F、ホンダST1100(サイドカー)、ヤマハセロー、ホンダCBX125カスタム、カワサキ250TR、ホンダFTR

 
最後のオートバイは18台目で
11台目のホンダ
   
デイトナのタコメーター
   

目次へ   ホームページへ   次のページへ