すのものの「いろいろ」(その108)

小1女児殺害>NHKニュースの「女の子」は一般の女の子? 被害者?

NHKラジオ第一放送の19時のニュースを聞いていたのだが、 「遺体で発見された女の子」「女の子」という言い方がくり返されていた。 遺体に頭髪が付着していたそうだが、 「女の子のものではない」 「長さから髪の毛の長い女の子のものではない」 などと言われても、 「一般の女の子」の意味なのか、 「その被害者の女の子」の意味なのか、わからない。 髪の毛の短い女の子もいるから後者だろうと推測されるが、 それでは困る。

葬儀の様子の報道は、 「参列した人の話では……とのことでした」というような伝聞になっていた。 葬儀にまで報道関係者が押しかけて、と言われないためか。

その中で、いままでずっと「女の子」と表現していたのに、 「***ちゃんの遺影がかかげられ」と言われていた。 前に新聞などで読んだ被害者と同姓同名だったので、 被害者の遺影だと思われるが、なんだか変な言い方だ。

以上、思い出しながら書いているので、 言いまわしの細部は異なっている可能性が高い。

2004-11-21 (0) 00:41:55 +0900

促音を小書きしないと「ホイッスル」は「補逸する」と同じになる

だから、促音は小書きすべし。

2004-11-21 (0) 00:34:56 +0900

広辞苑第五版>「びっくり」を「吃驚」「喫驚」と書くのは当て字か?

広辞苑第五版で「びっくり」をひくと最初に 《当て字で「吃驚」「喫驚」とも書く》とある。 しかし、「喫驚」「吃驚」と書いて「きっきょう」と読む語は実在するのであって、 広辞苑第五版にも載っている。 意味は《驚くこと。びっくりすること》。

「当て字」なる用語は俗には流用されてこういう場合にも用いられているだろうが、 同じく広辞苑第五版を見れば 「漢字のもつ本来の意味にかかわらず、音や訓を借りてあてはめる表記 (後略)」なのであって、それには当てはまらないように思われる。

(例えば「公孫樹」と書いて「イチョウ」と読むことがあるが、 「公孫樹」と書いて「コウソンジュ」と読む語が漢文に実在するのだから、 これは当て字ではない。「蒲公英」と書いて「タンポポ」と読むのも同様。)

2004-11-21 (0) 00:25:24 +0900

太めの筆記具の頭に小さなアナログ時計をつけられないか

腕時計のカタログを見ていると、 女性用の中にはかなり小さなものがある。 長針は 3 ミリメートルちょっと、 文字盤のさしわたしは狭いところで 9 ミリメートルぐらい。 これだと、少し太めの筆記具の頭にならつけられそうな気がする。

それをポケットにさした胸元をちらっとみて 「ではきょうはここまで」 なんて言うとかっこいいかも。

2004-11-20 (6) 21:46:33 +0900

福音書のイエスは同性愛を禁じているか?

パウロはその書簡で同性愛を批判した箇所がある。 たとえばロマ書 1,26-27.

イエスの言行を記すのは四つの福音書と使徒行伝冒頭だが、 その中に同性愛を禁じた箇所があっただろうか? 思いつかないのだが。

ルカ 17,34 については 《新共同訳>ルカ 17.34> 二人の男が寝ていたのは「寝室」か「寝台」か》に書いた。

ルカ 10,12 には、“七十二人”を迎え入れない町についてイエスが 「その日には、この町よりもソドムのほうが耐えやすいであろう」 (口語訳)と述べたとある。

(仮に、もしないとしても、容認したという意味になるとは限らない。 当然禁じられているから言及するには及ばない、とも解釈できるからだ。)

2004-11-20 (6) 02:47:39 +0900

左手でもそろばんは入れられると思う

小学生のころそろばん塾に通わされていたが、 左ききの子がはいってきて、先生がどう教えようか困っていた。

いま手元にはそろばんはないが、 先日、そろばんの暗算をやってみようとして、 左手でも十分入れられるように思った。 ただし、親指と人差し指を同時に使う際、指がいつ交差するかは逆になる。 3+8 は右手で入れれば交差はないが左手では交差する。 11-8 はその反対。

実際にそろばんを使って計算しようとすると、指のかげになる部分が問題か。 同じようなものかな。

全く左右逆に入れる、ってのは、 字に書くときとそろばんの上とで逆になるから、 だめかな。 縦書きだった江戸時代ならかえってよかったかも。

2004-11-20 (6) 02:06:11 +0900

文房具メーカーのカタログで「ポケットに入れるファイル」というのを見た

ポケットにはいるほど小形なのかと思ったらそうではなく、 ビニールのポケットをとじて表紙をつけたようなファイルで、 そのポケットに書類などを入れるのだった。

2004-11-20 (6) 00:13:00 +0900

回文>「ルイザとザイル」

ルイザは人名。

2004-11-20 (6) 00:10:23 +0900

「反面教師」とかって言うけど「そりつら」さんという人名の可能性はないか

たぶんないな。 それに姓に「教師」をつける習慣もないし。

2004-11-20 (6) 00:08:25 +0900

「イ」という姓があると「胃酸過多」と「イさん方」が同音になる

本文ナシ

2004-11-19 (5) 23:09:44 +0900

デスクカレンダーをディスプレイの上に置いたら変え忘れなくて調子がいいぞ

月・日・曜日がカードになっていて、差し換えるタイプのもの。 前に使っていたが、変え忘れて正しい日付を示しておらず、役に立たなかった。 今回置いたのはこれを書いているパソコンのディスプレイの上。 正子にはここにいることが多いので、変え忘れないようだ。

2004-11-18 (4) 02:07:32 +0900

朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その8)

朝日新聞>おもしろそうなパズルだがルールがよくわからないぞ》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その1)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その2)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その3)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その4)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その5)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その6)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その7)》の続きである。

「その7」でやったようにおじいさんの動きを 10 分刻みに改変してから 「その5」の証明をつければいいのではないか、と気がついた。 おじいさんが C 以西、D 以東にそれぞれ 40 分いないとして、 おばあさんの逃げ方を作ってみせるのだが、本質的には同じであっても、 ずっと簡単に示せると思う。 これが言えたら、 C に 40 分、D に 40 分滞在するしかないことを言うのも前と同様。

別の方法。 「その7」でやったようにおじいさんの動きを 10 分刻みに改変してから次のように考えるのはどうだろうか。 道の絵を次のように描いておく。

     --     --
    |  |   |  |
+---+  +---+  +---+
    |  |   |  |
     --     -- 
おじいさんの位置は「@」で示す。 おじいさんが探し始める少し前におばあさんは頂点を出ているとすると、 おばあさんのいる位置は下の「*」のどこかになる。
     --     --
    *  *   *  *
@*-*+  +*-*+  +*-*+
    *  *   *  *
     --     -- 
どちらに動いているかは、明らかだから書かない。 おじいさんが A で 10 分じっとしていると、10 分後にはこうなる。
     --     --
    *  *   *  *
@--*+  +*-*+  +*-*+
    *  *   *  *
     --     -- 
あとどれだけ A で止まっていても、同じである。 では、A で止まらず、すぐに B まで歩くとどうなるか。
     --     --
    *  *   *  *
+---@  +*-*+  +*-*+
    *  *   *  *
     --     -- 
こうである。おじいさんが A で 10 分止まってから B に動いてもこれと同じになる。 よって、おじいさんが A で止まっていることのメリットはない、とわかった。 次に、おじいさんが B で 10 分止まっているとこうなる。
     --     --
    |  *   *  *
+---@  +*-*+  +*-*+
    |  *   *  *
     --     -- 
10 分以上止まっていても同様。 止まらずにすぐに北の道経由で C へ移動すると
     --     --
    *  |   *  *
+--*+  @*-*+  +*-*+
    |  *   *  *
     --     -- 
となる。B で 10 分止まってから C に移動すると
     --     --
    *  |   *  *
+--*+  @--*+  +*-*+
    |  *   *  *
     --     -- 
となる。 こんなふうに考えてゆけば正解にたどりつくのではあるまいか。

2004-11-18 (4) 02:02:46 +0900

子どものころからだが弱かったので秒針のない時計にしている人はいないか

「病身」と同音だから避けている、というだけ。

2004-11-18 (4) 01:36:44 +0900

「俺が死んだらコンブで墓を作ってくれ。柔らかいのはだめだぜ。硬いので」

そうやってできたのが「カタコンブ」、なわきゃないよな。 実際、私はコンブ大好きだけど。

2004-11-18 (4) 01:35:40 +0900

九年がかりで 600 万貯めたぜぃっ! ってドラゴンクエスト VI の話だけど

VI のカジノはあまりもうからないみたいなので遊ばず、 戦ってコツコツ貯めていた。 発売直後にやったときはアモスがどこかへ行ってしまい、 一度は「ぼうけんのしょ」がとんだので、 いまやっているのは三度めのプレイ。 実際にかかった期間は二年ほどか。それもずっとやっていたわけじゃない。

きょう、貯まった 6000000 ゴールドを 300000 コインに換えて 「はかいのてっきゅう」を入手。 キラーマシン2の一人め「ロビン2」に持たせてみた。 手元には 1 ゴールドしか残らなかった。 攻撃時のグラフィック、サウンド、初めて見聞きするものだ。 でも、はいるダメージにそれほどの差はないのでセーブせず、 コイン購入前に戻った。 敵全体を攻撃できるといっても、 サマーソルトなどの特技があるからそれほどうれしくもないし。

ところで、一度に持てるお金は 999999 ゴールドまでなので、 銀行からコイン売り場まで、一度では運べない。 999... ゴールド持ってコイン売り場へ行き、一枚 20 ゴールドと言われたって、 何枚買えるのか割り算しなくちゃわからないじゃないか。 「買えるだけ」という選択肢もあったらいいのに……と思ったが、 どうせ 7 回かかるのだから、 900000 ゴールドずつにすればよかったのだ。そうすりゃ計算が楽。

付: お金かせぎは、 カダブウ(ランプの魔王・盗賊)+ロビン2・ヤスケ・カンカン (いずれもキラーマシン2・商人)で、天馬の塔でやっていた。 はぐれメタルがまだ仲間になっていなかったので、 ミレーユとバーバラを魔物使いにして馬車に入れ、 自分はドラゴン。 はぐれメタルが出たら入れ換えて自分は「しっぷうづき」をする。 こうやっていたら、600 万ゴールド到達直後、 はぐれメタルが仲間になった! 偶然だと思うけど。 自分で倒した一匹のほかにカダブウがサマーソルトでもう一匹倒したので、 ついたのがどちらかはわからない。

2004-11-17 (3) 23:55:35 +0900

「不正に盗み取る悪質なメール」だとメールそのものが盗むみたいにも思える

Yahoo! JAPAN IDとパスワードを不正に盗み取る悪質なメールに関するご注意」。

メールを読んだ時点で盗まれているかと思ってあせる人がいないとも限らない。 実際には、だまして自分のページに記入させるのだが。

2004-11-17 (3) 02:46:07 +0900

朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その7)

朝日新聞>おもしろそうなパズルだがルールがよくわからないぞ》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その1)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その2)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その3)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その4)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その5)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その6)》 の続きである。

「その6」で考え始めたように、 探し始めの時刻にどこかの頂点にいるおばあさんだけを考えると、 90 分で済んでしまうことに気づいた。
     ―○―○―
    A B C D E F
元の問題ではおじいさんが C と D でそれぞれ 40 分待つところが 30 分でよくなるからだ。

これを回避しよう。 まずは、110 分間にわたるおじいさんの動きが一つ与えられたとし、 それに応じて、おばあさんの動き方を制限する。 「その6」で行なったおじいさんの動きの改変はそのままとする。 第一段階の証明もそのまま。 第一段階の改変が終わったところで、 おじいさんが頂点を出発する時刻のそれぞれについて、 それよりあとの 10 分の整数倍のうちの最小のものとの差を求め、 その最小値よりも小さい正の数の一つを ε とする。 そして、 そのおじいさんの動きについては、 おじいさんが探し始める ε だけ前におばあさんは頂点を出たところ、とする。 そのようなおばあさんの動きについては、 第二段階の改変前の動きで出会うなら改変後の動きでも出会うことを証明する。 それには、第二段階の証明で

と書いたところを とすればよい。 (ε を上のように小さくとったのは、 第一段階の改変後の動きで、 二人が t+10 の少し前に頂点 P で出会っている可能性を避けるためである。 また、「……」としたところは計算がめんどうになったのでさぼっただけである。)

最後まで改変してみると、 ε は 0 < ε < 10 を満たしていればいくつであっても同じであることがわかる。 つまり、おじいさんの動きを 10 分単位にしてしまったあとでは、 ε がいくつであっても出会うか出会わないかは変わらない。

これだと、 例の探し方ではおじいさんが C と D で待つ時間がそれぞれ 40-ε 分になる。 ε は任意だから 40 分待たなければならない。 (ここで述べたのは、 このアイディアを用いてあの探し方しかないことが言えるかも知れない、 ということのみである。証明されたわけではない。)

最後まではゆかないのだが、もう少し考えてみよう。

おじいさんが探し始める時刻の ε だけ前に、 各頂点から各辺に沿って歩き出すすべてのおばあさんを考える。 辺が七つあり、その両端に頂点があるから、全部で十四人である。

おばあさんは分かれ道にくると二人に分裂し、 いまきた道以外の二つの道から出てゆくとする。 同じ道をゆくおばあさんは合体する。 もしも二人のおばあさんが分かれ道で出会うと、 二人はそれぞれ分裂し、第三の方向へ向かう二人は合体するので、 結局のところ、三つの方向全てへそれぞれ一人ずつ、 すなわち三人のおばあさんが出てゆくことになる。 もしも三人のおばあさんが分かれ道で出会うと、 三人はそれぞれ分裂し、それぞれの方向へ向かう二人ずつが合体するので、 やはり、結局のところ、三つの方向全てへそれぞれ一人ずつ、 すなわち三人のおばあさんが出てゆくことになる。

おじいさんに出会ったおばあさんはそこでいなくなるとする。 最初の問題は、 おじいさんが 110 分以内にすべてのおばあさんを消すにはどうしたらよいか、 という問題になる。

いま、A から C までの間を考える。 この中におばあさんが一人だけいて、ある頂点を出発しようとしているとする。 おじいさんはこの中にこないとすると、 10 分ごとにどれだけおばあさんが増えるかを見てみよう。

      +----+          +----+          +----+          +----+
      |    |          |    |          |2   |          |   2|
 0    |1  2|     1  0 |2  3|     3  2 |0   |     2   1|   0|
------+    +    ------+    +    ------+    +    ------+    +
      |1  2|          |2  3|          |   1|          |1   |
      |    |          |    |          |   3|          |    |
      +----+          +----+          +----+          +----+
上は四つの別々の図を並べたものである。 線で書かれたのが道。 左の線分の上に書かれている数字は、 左端のはおばあさんが A から B へ向かう時刻、 右端のは B から A へ向かう時刻である。 長方形の中にあるのは、左上は B から北の道を通って C へ向かう時刻。 これだけ説明すればほかはわかっていただけるであろう。 ただし、「n」はある時刻から計って 10*n 分後のこととする。

一番左の図では、「0」におばあさんは A から B へ向かう。 「1」では B で分裂して二人になって C へ向かう。 「2」では C から二人が B へ向かう。 その次には B から三人が出てゆくが、それを観察したところで記入をやめた。 ほかの図も同様である。 B および C を出発して南の道をゆく図は、 右の二つの上下を逆にしたものにすぎないから、省略した。

これからわかることは、 「おばあさんはどんどん増える」ということである。 もしもおじいさんが C 以西に一人でもおばあさんを残して D へゆき、 D 以東のおばあさんを全滅させて C へ戻ってきたころには、 おばあさんは元どおりに増えていると思われる。

2004-11-17 (3) 02:41:23 +0900

最後に次の段落があったのですが、大間違いでしたのでここへ移しておきました。

上と同じ状況で、別のことを考える。 おじいさんがおばあさんと同じ速度で歩き続けると仮定する。 これだと、一人のおばあさんに出会ったらあと 10 分は次のおばあさんに出会わない。 上の考察でわかるようにおばあさんはおじいさんに会わない限り、 増えることはあっても減ることはない。 よって、 全てのおばあさんを見つけるには、 最初のおばあさんに会ってから最低でも 130 分はかかることになる。 実際には前に示したように、 歩き続けていてはすべてのおばあさんを見つけられないのだったが、 こんなふうに考えて、静止しておばあさんを待つことの必要性を言えないだろうか。

おじいさんが歩き続けた場合、5 分ごとにおばあさんに会います。

2004-11-17 (3) 23:42:06 +0900

朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その6)

朝日新聞>おもしろそうなパズルだがルールがよくわからないぞ》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その1)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その2)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その3)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その4)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その5)》 の続きである。 一部は「その5」の後半につけておいたメモと重複する。

おじいさんは、 最初におばあさんがどこにいても見つけられるような探し方をしなければならない。 「最初におばあさんがどこかの頂点にいる」というのはその特殊な場合だから、 その場合にも見つけられるはずである。 逆に、 最初におばあさんがどこかの頂点にいたら見つけられるような探し方があったとしても、 最初に頂点以外の場所にいたら見つけられないかもしれないが、 これでかなり絞り込めるのではないか。 われわれは答えをすでに知っている。 あの正解を見ると、この考え方で正解にたどりつけるような気もする。

解があったとする。 おじいさんの動きを、次のように変える。

  1. 第一段階:おじいさんが頂点にいない時刻 t を考える。 t より前でおじいさんが頂点にいる時刻の上限を a とし、 t より後でおじいさんが頂点にいる時刻の下限を b とすると、 時刻 a および時刻 b にはおじいさんは頂点にいる。 時刻 a にいる頂点を P とし、時刻 b にいる頂点を Q とする。
  2. 第二段階: 探し始めの時刻から順に、次のように改変してゆく。

元の動きでおばあさんと出会うなら、 第一段階の改変のあとの動きでもおばあさんと出会うことを示そう。

頂点で出会っていたら、明らかである。 改変後も、その時刻にはおじいさんはその頂点にいるのだから。

そうでないとして、改変後、おじいさんはその時刻 t に頂点にいるとしよう。 すると、元の動きでは、 おじいさんはある時刻 a にある頂点 P から出て他の頂点 Q へ向かう道を途中まで行き、 ある時刻 b にその頂点に戻るところだったことになる。 おばあさんが頂点 P から頂点 Q へ向かっているところだったとしたら、 おばあさんが P を出た時刻 a' は a <= a' <= b を満たすから、 改変後の動きでも二人は出会う。 おばあさんが頂点 Q から頂点 P へ向かっているところだったとしたら、 おばあさんが P に着く時刻 b' は a <= b' <= b を満たすから、 改変後の動きでも二人は出会う。

残っているのは、改変後、おじいさんが頂点以外の場所にいるときである。 元の動きでは、 おじいさんは時刻 a にある頂点 P から出てある時刻 b に別の頂点 Q に着く途中だったことになる。 おばあさんも頂点 P から頂点 Q へ向かっているところだったとしたら、 おばあさんが頂点 P を出た時刻 a' と頂点 Q に着く時刻 b' は a <= a' < b' <= b を満たすから、 改変後の動きでも二人は出会う。 おばあさんが頂点 Q から頂点 P へ向かっているところだったとしたら、 おばあさんが頂点 Q を出た時刻 a' と頂点 P に着く時刻 b' は a' <= b, a <= b' を満たすから、 改変後の動きでも二人は出会う。

おばあさんの動きを、最初にどこかの頂点にいるものに限るなら、 第一段階の改変のあとの動きでおばあさんと出会うなら第二段階のあとでも出会うことを示そう。

ステップごとに証明する。 このステップでの改変箇所では、 おじいさんは頂点 P から頂点 Q へ向かっているものとし、 時刻 a, b を元のおじいさんの出発時刻・到着時刻とする。 時刻 t は 10 分の整数倍で t < a < t+10 < b を満たすものとする。 改変後は、おじいさんの出発時刻・到着時刻は t, t+10 になる。 時刻 t と時刻 b におけるおじいさんの位置は変わらない。 真にこの間にある時刻におばあさんと出会うとしたら、 おばあさんは時刻 t または t+10 に頂点 Q を出て頂点 P に向かうところでしかありえない。 おじいさんが時刻 t に頂点 P を出て時刻 t+10 に頂点 Q に着くように改変するのだから、 時刻 t+5 に辺 PQ の中点で出会うか、時刻 t+10 に頂点 Q で出会うようになる。

これで、おばあさんの動きを最初にどこかの頂点にいるものに限るなら、 おじいさんの動きは 10 分の整数倍を単位とすると仮定してよいことになった。 問題は組み合わせ的になった、ということだ。

付: しまった、最後におじいさんが頂点にいない場合を見落としていた……。

2004-11-16 (2) 02:47:09 +0900

その場合、 おじいさんはある頂点を出てある辺をゆくが途中でおしまい、となる。 その間におばあさんと出会うとしたら、 そのときおばあさんはその辺の上を動いている途中である。 よって、その部分はその頂点で静止しているように改変すればよい。 元の動きで出会うおばあさんとは改変後の動きでも出会う。 (言い忘れていたが、 おじいさんの探し方は 110 分かかるものだけを考えている。 時間が 10 分の整数倍でないとおばあさんがその頂点までこないことがある。)

2004-11-17 (3) 01:07:34 +0900

デパートで「原産国は〜となります」という貼り紙を見た

「原産国は〜です」が普通だろう。

「こちらラーメンになります」との関連で。

2004-11-15 (1) 19:21:50 +0900

朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その5)

朝日新聞>おもしろそうなパズルだがルールがよくわからないぞ》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その1)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その2)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その3)》、 《朝日新聞>先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その4)》 の続きである。 問題は一番最初のに書いてある。 また、本項は一応の完結編ということで、前に書いたものと若干の重複がある。

14日づけの朝日新聞 Science&Technology 面に正解が載ったが、 私が考えていたのと同一の手順を述べたあとに 《こうすれば、最悪でも 110 分以内におばあさんに会えます》 とあるだけだ。 10月31日づけの問題には 《どう探すと、いちばん“巡り合わせ”が悪い場合の、 出会うまでの時間を最短にできるでしょうか》 とあったので、ほかの探し方では 110 分以内におばあさんに会えない場合があることを示さないと答えにならないと思うが、 解答には 15 行しか割いていないし、 試験ではなくパズルなのだからしかたがないかも知れない。 また、 おじいさんが時計を持っていることは暗黙のうちに仮定されているようで、 何の言及もなかった。

以下、私の解答を示す。

行き止まりと分かれ道の点を「頂点」と呼び、 それらに下の図のように名前をつけよう。 (この公園のあるのは北極点・南極点の近くではないとし、図は上が北とする。)

     ―○―○―
    A B C D E F
頂点と頂点を結ぶ道を「辺」とも呼ぶ。 問題の仮定により、おばあさんは一辺を 10 分かけて歩く。 はっきりと述べられていないが、 おじいさんの歩く速度もそれを越えられない。 距離は、おばあさんの歩く速さで測る。 すなわち、各辺の長さは 10 分である。 おばあさんの速度は 1 となる。

まず、最悪の場合の時間が最短となる探し方を述べる。

  1. 最初 A にいるおじいさんは、 20 分かけて C まで移動する。 その間におばあさんに会えばそれでおしまい。
  2. そうでなければ、そこで 40 分間待つ。 その間におばあさんに会えればそれでおしまい。
  3. そうでなければ、10 分かけて D まで移動する。 その間におばあさんに会えばそれでおしまい。
  4. そうでなければ、そこで 40 分間待つ。
以上、全部で 110 分である。 B から C へ至る道が二つあるので、方法は二通りである。

これで必ずおばあさんを見つけられることを示そう。 それにはまず、

を観察する。 これはいまおばあさんがどこにいてどっちに進んでいるかで場合分けをすればすぐわかる。

上の探し方で、おじいさんが C に着いた時点でおばあさんが C 以西にいれば、おじいさんが C で 40 分待っている間におばあさんに会える。 そうでない場合におじいさんは D へ向かうが、 D に着くまでに会えなければ、 おじいさんが D に着いた時点でおばあさんは D よりも東にいる。 よって、ここで 40 分待てば必ずおばあさんに会えるのである。

(厳密にいえば、最後は 40 分未満でおばあさんに会える。 でも、こういう場合も 40 分待つと言うのが普通であろう。)

あとは、 「110 分以下の探し方でこれ以外のものにはおばあさんが見つからない場合がある」 ということを示すのだが、これがなかなかむずかしい。

実は、問題の仮定について、まだわかっていない部分がある。 それは、おじいさんにどのような動きが許されるのか、である。 おじいさんの位置が時刻の連続関数であることは誰もが認めるだろう。 しかし、それは微分可能とは限らない。 おじいさんは瞬時にして等速運動から静止状態に移ることができるのだ。 すると、 「各点で左側微分係数、右側微分係数が存在し、その絶対値が 1 以下」 ぐらいになりそうだ。 では、x = t²sin(1/t) は許されるだろうか。 t = 0 のときは x = 0 と決めれば連続関数になる。 t = 0 以外では x' = 2t sin(1/t) - cos(1/t) となるし、 |x| <= t² なので t = 0 では x' = 0 である。 よって、t = 0 の近くでは x' は有界となり、 適当な定数をかければ上の条件を満たす。 しかし、これではおじいさんは x = 0 を無限回横切る。 こういうのは許されるだろうか?

あとで使うのは「おじいさんの平均速度は 1 以下」、すなわち 「x = f(t) とおいたとき | f(t') - f(t) | <= | t' - t |」 だけであるが、 上の仮定だけからこれが言えるかどうか、まだ私にはわかっていない。 でも、これは言えたことにする。 (こちらを仮定にしてしまうことも考えられる。 この仮定のもとで、左側・右側の微分係数が存在すれば、 その絶対値は 1 以下である。)

110 分以下の探し方があったとする。 110 分未満だったら、終了後、 110 分経つまで適当におじいさんに歩いてもらうことにし、 110 分かかるものにしてしまう。

その探し方でおじいさんが C に至らないことはありえない。 おじいさんが C にいる時刻全体のなす部分集合には下限 T が存在するが、 おじいさんの位置は時刻の連続関数なので、 時刻 T にもおじいさんは C にいる。 すなわち、その時刻 T はおじいさんが最初に C に着いた時刻である。

命題: もしも、おじいさんが最初に C に着いた時刻 T のあとでおじいさんが C 以西に 40 分以上滞在していないか、 D 以東に 40 分以上滞在していないとしたら、 おじいさんに出会わないようなおばあさんの歩き方がある。

証明: まず初めに、時刻 T 以降にはおじいさんにつかまらない逃げ方があることをいう。 「もしも C 以西に 40 分以上滞在していないとすると」として述べるが、 「もしも D 以東に 40 分以上滞在していないとすると」の場合も、 東と西を入れかえ、点の名前を取りかえれば全く同様である。

もしも C 以西に 40 分以上滞在していないとすると、ある時刻 x で

ものが存在する。 (おじいさんが上述の x = t²sin(1/t) やそれよりもさらに複雑な動き方をした場合、 滞在時間をきちんと定義するのは大学初年級の範囲を越えるかと思われるが、 そのあたりにはこだわらないことにする。)

時刻 T 以降のおばあさんの動きで、 これらの時刻に C を通って A -> B -> C -> B -> A と回るものを考える。 BC 間を回る向きは二つあるが、とりあえずは適当に回っておく。 このおばあさんは、時刻 T および C を通る時刻にはおじいさんよりも西にいる。 それらの時刻のうちの隣り合った二つの間には、おばあさんは

のどちらかである。 よって、これらの時刻の間にはおじいさんに会わない。 もしも西へ動いているときに出会うなら C をおじいさんと同時に出ていなければならないし、 東へ動いているときに出会うなら C におじいさんと同時に着かなければならないことになり、 矛盾するからである。

上の動きをするおばあさんが最後に C を通るとき以降、 110 分が経過するまでを考える。 おばあさんが西へ向かっているときにはおじいさんに追いつかれない。 A で追いつかれることもない。 だから、 もしもこの間に二人が出会うとしたらおばあさんが東へ向かっているときである。 二人が同一地点にいる時刻全体は閉集合であるから、 「最初に出会う時刻」に意味がある。 よって、そのときに二人がいる場所、すなわち、最初の出会い場所で分類する。

Case 1) もしも B -> C でおじいさんに出会うなら、 B を出る時刻で二人に分身し、 もう一人は B -> C の道のうちもう一つのほうを選ぶ。 おじいさんはもう一人のおばあさんにも出会うはずだが、 それはおばあさんが二人に分身したあとである。 二人のおばあさんが C に着くまでに制限時間の 110 分がくるのだから、 おじいさんはこの 10 分より短い間に二人のおばあさんをつかまえることになる。 同時につかまえることはありえないし、 最初のおばあさんに出会ったあと、そのおばあさんと同じ向きに動いても、 逆に動いてもう一人のおばあさんを追いかけても、それは不可能である。 つまり、どちらかのおばあさんはつかまらない。 おばあさんが分身したのは最初から計って 100 分より多く経過してからであることを覚えておこう。

Case 2) もしも A -> B でおじいさんに出会うなら、 その前に B から A へ向かった時刻 s --- この時点で残り 30 分未満である --- で二人に分身し、もう一人は C へ向かい、その後は時間まで東へ進む。 E につく前に 110 分の制限時間終了となる。 時刻 s の 20 分前には、 おばあさんは A から B に着き、B から C へ向かおうとしているところだが、 ここでも分身し、 分身したおばあさんは B から C へ向かうもう一つの道を行き、 B -> C -> B -> C と動いて、 あとは二番めのおばあさんと一緒に東へ向かう。 どのおばあさんも s より前にはおじいさんに出会っていないことは、 前と同じように示せる。

s-20 s-10 s  s+10 s+20 s+30
一人めB南の道C 北の道B  A*B C
二人め南の道C  D E
三人め北の道南の道北の道
(「北の道」「南の道」はいま適当に決めた。 「*」が、一人めのおばあさんがおじいさんに出会う時点である。 また、一人めのおばあさんが次に C に着くまでに制限時間終了なので、 s+30 は範囲外である。)

この三人のおばあさんは、時刻 s に、 B から出ている三つの道を同時に出てゆくことになる。 おじいさんは、時刻 s 以降にこの三人のおばあさんをつかまえるはずであるが、 B から C へ向かう二人のおばあさんを B と C の間でつかまえるのが不可能であることは上と同様に示せる。 ということは、時刻 s+10 以降に C 以東でおばあさんをつかまえることになる。 このことと、時刻 s+10 と s+20 の間に B と A の間でおばあさんに出会うこととは矛盾する。 つまり、三人のうち少なくとも一人のおばあさんはつかまらない。 おばあさんが分身したのは残り時間が 50 分を切ってからなので、 最初から計って 60 分より多く経過していることを覚えておこう。

これで、 おじいさんが最初に C に到達する時刻 T 以降にはおじいさんにつかまらないようなおばあさんの逃げ方が存在することがわかった。 それは、 A -> B -> C -> B -> A と回るのを基本として、 必要に応じて最後のほうの動作を変えて得られるのであった。 これを時刻 T より前にさかのぼらせるのであるが、 おじいさんが D 以東に 40 分以上滞在していない場合は簡単である。 単に、おばあさんは D 以東を回り続ければよいからである。 よって、おじいさんが C 以西に 40 分以上滞在しない場合だけを考える。 おじいさんが D 以東に 40 分以上滞在していない場合は済んでいるので、 そうではないと仮定する。 すると、T <= 60 が成り立つ。C から D への移動に 10 分かかるので T + 10 + 40 <= 110 でなければならないからである。 Case 1 では、これにより、基本動作を変えるのは T+40 以降であることがわかった。 Case 2 では、表の「*」の時点で AB 間においておじいさんとおばあさんが出会うから、 それ以降におじいさんが D 以東で 40 分以上滞在することは不可能である。 よって、その前にもいくらかは D 以東に足を踏み入れている。 ということは、おじいさんは CD 間を少なくとも一度往復している。 また、おじいさんは時刻 T 以降に C 以西に 10 分以上滞在している。 AB 間でおばあさんと会っているからである。 よって T + 10 * 2 + 40 + 10 <= 110 となり、T <= 40 が得られる。 もしも T > 30 なら、 時刻 T 以降におじいさんが C 以西にいるのは 110 - 30 - 10 * 2 - 40 = 20 分未満である。 このとき、最初の時刻 x の選び方に 20 分以上の“自由度”が生じるので、 110 分の時点でおばあさんが東へ向かっているように x が選べる。 よって、Case 2 で T > 30 の場合は起こらないとしてよい。 T <= 30 としてよいから、 基本動作を変えるのは T+30 以降であることがわかった。 いずれにせよ、基本動作を変えるとしたら T+30 以降である。

おばあさんの基本動作を、時間を逆転させて、T よりも前へ延長する。 以下では、しばらくのあいだ、時間が逆転しているとして述べる。 どのケースでも、おばあさんは C に至り、 そのあとは D -> E -> F -> E -> D と回り続ける。 また、 T の定義により、おじいさんはもう C へは戻らないことに注意。

以下の場合分けで 「A から B へ向かっている場合」には B に到着した瞬間の場合も含む。 他も同様だが、仮定により、C にいることはありえない。

ここで再び時間の流れを正常な向きに戻そう。 すると、ここでの基本動作の改変は、T+30 より前に限られている。 前の改変は T+30 以降だった。 よって、両方の改変が干渉しあうことはない。 また、 T <= 60 と仮定していたので、 T 以降の残り時間は 50 分以上ある。 よって、少なくとも T+10 までは、 おじいさんがおばあさんよりも東にいるという事実だけで、 二人が出会わないことが言えるのだった。 上の四つの場合分けのうち、 最初の三つは時刻 T 以降のおばあさんの位置について、 BC 間のどちらの道を通るかしか変えていないので、 この改変によって時刻 T 以降におじいさんに出会うようになることはない。 最後の場合では、時間の流れを正常にしてみると、 元は時刻 T に A から B へ向かっていたのを C から B へ向かうように変えたことになり、 10 分以内に元の動きと同じになる。 時刻 T におじいさんは C にいることを思い出すと、 この改変でおじいさんとおばあさんがその 10 分以内に出会うようになることはない、 とわかる。

これで、110 分の間おじいさんにつかまらないように逃げる方法の存在が示せた。 [Q.E.D.]

CD 間の移動に 10 分かかるから、 おじいさんの動きは 「20 分で A から C まで移動後、 C 以西に 40 分滞在し、C から D までを 10 分で移動し、 D 以東に 40 分滞在」以外にはありえないことがわかった。

これを仮定すると、時刻 T のあとでおじいさんが C に 40 分滞在し、D に 40 分滞在するのでなければ、 おばあさんにはおじいさんにつかまらない逃げ方があることは、 次のようにして簡単に示せる。

時刻 T のあとでおじいさんが C より西へ行くときがあれば、 おじいさんが最後に C に着く直前におばあさんは東から C 以西にもぐり込んであとは A と C の間を往復していればよく、 その前には D と F の間を往復していればよい。 時刻 T のあとでおじいさんが D より東へ行くときがあれば、 おじいさんが最初に D を離れた直後におばあさんは D を通って西へ逃げ出してあとは A と C の間を往復していればよく、 その前には D と F の間を往復していればよい。

(おじいさんが x = t²sin(1/t) のような動きをする場合、 どちらへもぐり込むか、どちらから逃げ出すかの決め方が気になるかもしれないが、 単にその時刻におじいさんがいないほうを選べばよい。)

よって、最初に述べた探し方以外には 110 分以内の解はない。 以上で解答は終わりである。

二週間にわたって考えてきたことをきょうまとめ直したが、 きょうになって気づきあわてて埋めた穴もある。

上の解答はかなり複雑だが、 それは x = t²sin(1/t) のような奇妙な動きをも考えに入れているからではない。 110 分を有限個の区間に分け、 その一つずつではおじいさんはある頂点で静止しているか、 ある頂点から他の頂点までをおばあさんと同じ速度で移動するかである、 と仮定しても、いまの私にはこれしか思いつかない。

以下には、ここ二週間の間に書いてきたものをほぼそのまま載せる。 間違いもあるし、 かなり上と重複もするが、どんなふうに考えてきたかを残しておきたいので。

 ―○―○―
A B C D E F
上のように点に名前をつける。 「おばあさんが C 以西にいる場合、 40 分以内に必ず C にやってくる」ということは、 場合分けして考えればすぐ確認できる。 対称性により、D 以東にいる場合、 40 分以内に必ず D にやってくることもわかる。

解答。 いま A にいるおじいさんは、 20 分かけて C まで移動する。 その間におばあさんに会えばそれでおしまい。 そうでなければ、そこで 40 分間待つ。 おじいさんが C に到着した時点でおばあさんが C より西にいれば、 40 分の間におばあさんは C にやってくるのでそこで会える。 そうでなければ、おじいさんは 10 分かけて D まで移動する。 その間におばあさんに会えばそれでおしまい。 そうでなければ、おばあさんは D よりも東にいるのだから、 そこで 40 分間待てば必ず D にやってくる。 これで、110 分で必ず会えることがわかった。

これが最小であることは、すぐには言えなさそうだ。 まず、“local theory”を考えよう。

その1. D 以東におじいさんが 40 分未満の滞在をしたのでは、 その滞在開始時に D 以東にいたおばあさんが、 その滞在時間中につかまらない場合があることを示そう。 滞在時間を 40 - 2ε 分とするとき、 おじいさんが D についた ε 分前におばあさんは D を出発し、 E を経て F まで行って D に戻る。 するとおじいさんが D を去った ε 分後に D に着くことになるが、 その間におじいさんに会っているはずはない。 (おじいさんがどのような動きをしても、である。)

その2. D 以東におじいさんが 40 分間の滞在をしても、 その間に D を離れるとおばあさんはつかまらない場合がある。 おじいさんが最初に D を離れた際、北の道を行ったとすれば、 その直後におばあさんが南の道から D に着き、西へ向かえばよい。 (それより前におばあさんは何をしていたかって? たとえば、 D -> E -> F -> E -> D と往復していればよいだろう。)

(付記:おじいさんがこっちの道を行ったという言い方は厳密には正しくない。 《朝日新聞> 先日の「メガネ公園の散歩」パズルを考える(その3)》参照。)

これらを使って、 「おじいさんが最初に C にいたとすると、90 分間に 『C に 40 分滞在、10 分で D へ移動、そこで D に 40 分滞在』 以外の行動をした場合、おばあさんは 90 分間“逃げまわる”ことができる」 が証明できそうな気がするし、 これが言えれば最初の問題も解けるような気がする。

以上、2日深夜(厳密には3日未明)に記す。

きのう最後に書いた問題を考えているが、 むずかしいのは、おじいさんには 「おばあさんよりも速く歩いてはいけない」という条件しかないことだ。 たとえば、C で 10 分とまり、D へ移動して 10 分とまり、 C に戻って 10 分とまり、……といった動きは解でないことを言わなければならない。 つまり、そのような任意の動きに対し、 90 分間逃げ切れるようなおばあさんの動きがあることを言わねばならない。 さらに、おじいさんが CD 間の移動をわざとゆっくり行なう、なども考えられる。

しかし、次が言えた。

命題1:おじいさんが AB 間、EF 間にはいり込まないならば、 90 分以内の解においてはおじいさんは 「C 以西で 40 分を過ごし、10 分で CD 間を移動し、 D 以東で 40 分を過ごす」。

証明: おばあさんを一人ずつ考えるのではなく、まとめて考える。 おばあさんは A-B-C-B-A と動くことができるが、 一人がそう動いているのではなく、 たくさんのおばあさんが「前へならえ」をしたままそのように動いている、と考える。 逆向きに動くおばあさんたちも考えるので、おばあさんたちは二列である。 F-E-D-E-F も同様。 このおばあさんたちを、 おじいさんは一人で 90 分以内に全部つかまえなければならない。

さらに、おばあさんは“連続的”だとしよう。 上の二つのループにそって、それぞれ二本のテープが逆向きに、 おばあさんと同じ速さで動いている。 この速さを 1 としよう。 テープは最初は緑色だが、おじいさんにふれると赤くなる。 そこにいたおばあさんは見つかって“アウト”といったところである。

この命題の仮定の元で、おじいさんが速度 a でテープのあるところを動いていると、 二本のテープの上では単位時間あたり高々 1+a, 1-a の長さが赤くなる。 (「高々」としたのは、 すでに赤くなっている部分がおじいさんとふれているかもしれないからである。)

この二つを足すと 2 となる。すなわち、おじいさんが動いていても、 単位時間に赤くなるテープの長さの上限は動いていないときと同じである。 おじいさんが C でじっとしていると、 40 分かかって左側の二本のテープが完全に赤くなる。 おじいさんは右側の二本も赤くしなければならない。 このことから結論が得られる。 [Q.E.D.]

以上、3日深夜(厳密には4日未明)に記す。

おじいさんが「C 以西で 40 分を過ごし、10 分で CD 間を移動し、 D 以東で 40 分を過ごす」解は、 「C で 40 分待ち、10 分で CD 間を移動し、 D で 40 分待つ」以外には存在しない。 もしも C に 40 分とどまらないなら、 最後に C に戻る直前におばあさんは C から西へすべり込めばよい。 もしも D に 40 分とどまらないなら、 最初に D を離れた直後におばあさんは D から西へ向かえばよい。

あとは、 おじいさんが「C 以西で 40 分を過ごし、10 分で CD 間を移動し、 D 以東で 40 分を過ごす」解しかないことを示せばよいのだが。

もしもおじいさんが C 以西にいる時間が 40 分未満だと、 modulo 40 分で考えて、おじいさんが C 以西にいない時刻がある。

(補い1: modulo ということばづかいを知らない人のために、別の言い方で説明しよう。 紙テープを用意し、0 分から 90 分まで、目盛りをつける。 このうち、おじいさんが C 以西にいる時間には色を塗る。 そのあとで、このテープを 40 分と 80 分のところで切る。 すると、 「0 分から 40 分」「40 分から 80 分」「80 分から 90 分」 の三本のテープになるが、 左端の 0 分、40 分、80 分をそろえて重ね合わせる。 これを透かして見たとき、 もしもおじいさんが C 以西にいる時間が 40 分未満だと、 重ねたテープのどれにも色が塗られていないところがあるだろう、 というのである。

(補い2: おじいさんが C 以西にいる時刻のなす集合は区間 [0, 90] の閉集合だが、 閉区間の有限個の和集合とは限らない。 Cantor 集合を含むこともあり、そのときは 「おじいさんが C 以西にいる時間」の定義は大学初年級の範囲をこえる。)

この時刻を x 分、x+40 分、x+80 分としよう。 x+80 が 90 を越える場合は三つめのは考えない。 おばあさんが、 これらの時刻に C を通過するように A -> B -> C -> B -> A と回り続けると、 90 分の間、おじいさんにつかまらない。

最初、このことは非常に自明だと思った。 おじいさんが C より西にはゆかないとカン違いしたようだ。 それは間違いだが、次のように考えればよい。

x は 0 ではない。時刻 0 にはおじいさんは C にいるからである。 よって、時刻 0 にはおじいさんはおばあさんより東にいる。 まず、時刻 0 から x までにおじいさんがおばあさんに出会わないことを示そう。 もしも時刻 0 でおばあさんが西へ向かっていたとすると、 おばあさんが A に着くまでにおじいさんはおばあさんに追いつくことはできない。 おじいさんの歩く速さは高々おばあさんの歩く速さだからである。 おばあさんが東へ向かって戻るときにおじいさんに出会うこともない。 もし出会ったとしたら、その後おばあさんは東へ歩き続けて時刻 x に C に至るが、 おじいさんはそのときおばあさんよりも東にいることになり、矛盾するからである。

全く同様にして、時刻 x と x+40 の間、 および、もしも x+80 が 90 を越えないとして、 x+40 と x+80 の間でもおじいさんはおばあさんに出会わない。

実は、残りの時間も同様に明らかだと思っていたが、それは誤りだった。 ここでは、おばあさんの歩き方を変える必要が生じる場合がある。

最後におばあさんが C を通過する時刻を y としよう。 50 < y <= 90 である。 もしも 90 分を越えておばあさんがこのまま歩き続けるとしたら、 次におばあさんが C を通過するのは y+40 であるが、 そのとき、おじいさんが C より東の点まで戻れる必要はない。 ここを見落としていたのだ。 たとえば、y = 60 だとして、残り 30 分。 おじいさんが時刻 70 で C を通過し、 おばあさんと同じ速度で西に向かえば、AB の中間地点で二人は出会う。 これを避けるには、おばあさんが進む道を変えるしかない。 (いま、おじいさんの 90 分間の歩き方を決めて議論をしているので、 それは変えない。注意。)

おじいさんがおばあさんに出会うとしたら、 おばあさんが東へ戻っている間であることは前と同様に示される。 いま考えているおばあさんがおじいさんにつかまっても、 それでおじいさんの動きは終わりではない。 おばあさんがどんな動きをしていてもつかまえるのだったから。 だから、いま考えているように動いているおばあさんに出会ったあとも、 二人は歩き続けると考える。 よって、おじいさんとおばあさんが最初に出会う時刻を考え、 その時点での二人の位置で分類する。 (おじいさんとおばあさんの距離は時刻の連続関数だから、これには意味がある。)

B と C との間(両端は含まない)で最初に出会う場合を考えよう。 このとき、おばあさんは B から C へ向かう道を変えれば、出会わなくなる。 説明のため、B でおばあさんは分身し、 二人のおばあさんが別々の道を C へ向かうとしよう。 おじいさんが両方のおばあさんを同時につかまえることはない。 二人のおばあさんが一緒にいるのは B までであるが、 そこまでにはおじいさんはおばあさんをつかまえられないし、 次に二人のおばあさんが一緒になる前に制限時間終了となってしまうからである。 どちらかのおばあさんを先につかまえ、 次にもう一人のおばあさんをつかまえることは不可能である。 先のおばあさんをつかまえたあと、 おじいさんが一緒に東へ向かえば途中で時間切れとなるし、 B に戻ってもう一人のおばあさんを追いかけても追いつくことはできない。

A と B との間(端は B のみを含む)で最初に出会う場合を考えよう。 このとき、おばあさんは B から A へ向かわず、C へ向かう道をとり、 時間切れまで東へ向かい続ければ出会わなくなる。 (残り時間を考えれば、F まで到達することはない。) B から C へ向かう道は二つあり、そのうち適切なほうを選ばなければならないが、 そのためには、20 分前、すなわち、 その前に B を通って東へ向かう時点で道を適切に選ぶ必要がある。 (これはルール違反ではない。ある動きをしたら 90 分間逃げ切れる、 といえばいいのだから。)

ここではおばあさんは三人に分身したことになる。 一人は最初に考えていたおばあさん。 あとの二人は、B で分かれて、別々の道を通って C に向かうおばあさんである。 (これだと、 あとの二人のうち一人は B で U ターンしたことになってルール違反なんだけど、 言いたいことはわかってもらえると思う。)

時刻 y ではおじいさんはおばあさんよりも東にいた。 それから B で三人に分かれる時刻 y+10 まで、おばあさんは西へ向かい続ける。 よって、その時点でもおじいさんはおばあさんよりも東にいた。 すなわち、B よりも東にいた。 分身して C へ向かう二人のおばあさんを両方ともつかまえるには、 B と C の間では同時には不可能である。 C 以東まで戻って二人同時につかまえるにせよ、 一人をつかまえてから一緒に東へ向かって C でもう一人をつかまえるにせよ、 それから 10 分以内に AB 間で最初のおばあさんに出会うことはできない。 一人をつかまえたあと、 西へ向かっても追いつくことはできないのは前の場合と同じ。

時刻y y+10  y+20 y+30  y+40
おばあさん(その1) C  B  A*B C
おばあさん(その2・その3) C D E
(「*」がおじいさんが(最初の)おばあさんをつかまえるところ。)

以上で言えたことは、 90 分以下のおじいさんの歩き方で、 C 以西にいる時間が 40 分間未満のものでは、 おばあさんに、そのあいだ逃げ切れる歩き方がある。 (上では 90 分として述べたが、それ未満でも同じ。)

D 以東についても同様。 よって、90 分以下の解では、 おじいさんが C 以西に 40 分いて、 それから D まで 10 分間で移動し、 それから D 以東に 40 分いる、という解しかない。

これで、最初に C にいる場合は証明できた、かな?

以上、6日深夜(厳密には7日未明)に記す。

元々の問題では、おじいさんは最初 A にいるのだった。 おじいさんが C まで行かない解はない。 (それならおばあさんは D 以東をぐるぐる回っていればよいから。) 最初に C につくまでには最低で 20 分かかる。 それから 90 分、上の問題の解答のように動く、というのが一つの解になる。 これより短い解がないこと、 110 分でこれ以外の解がないことを示すのは簡単だと思っていたが、 そうでもないと気がついた。

C までにもっと時間をかけることで、 C で止まっている時間を短くできるかもしれないからである。

ただし次は言えると思う。 「おじいさんが A から C まで最短時間で行くと仮定するなら、 そのあとは前の解しかない」。 前に述べたおばあさんの“逃げ方”を時間をさかのぼる向きに 20 分延長して見せればよいと思う。

話は変わるが、 おじいさんが頂点から頂点へ移動する際、 10 分より長い時間をかけても意味がないことが言えそうな気がする。 また、ある頂点から少し動いてまた戻るなら止まっていても同じ、 と言えそうな気がする。 これらが言えれば、A から C までのおじいさんの動きは 「A で止まっている」「A から B まで 10 分で移動」 「B で止まっている」「B から C まで 10 分で移動」 となる。 考えやすくなるかもしれない。

以上、7日深夜(厳密には8日未明)に記す。

きのう最後に書いたことの証明をする前に、 ある時間の間のおじいさんの動きが一つ与えられたとき、 それを区分的に等速運動にする操作を考えよう。 なお、 その時間の最初と最後におじいさんが頂点にいない場合は考えない。

おじいさんが頂点にいない時刻 t を考える。 t より前に頂点にいる時刻の上限 a と、 t よりあとに頂点にいる時刻の下限 b を考える。 おじいさんが頂点にいる時刻は閉集合だから、これらは決まり、 それらの時刻にはおじいさんはどこかの頂点にいる。

時刻 a と b の間におじいさんがいた辺は時刻 a にいた頂点と時刻 b にいた頂点とを結ぶ辺である。 時刻 a と b との間に t 以外の時刻 t' をとると、 時刻 t と t' におじいさんがいた辺は同一であることに注意して、 おじいさんの時刻 t における位置を、 時刻 t におじいさんが頂点にいない場合のみ、 「時刻 t にいた辺の上の点で、 時刻 a にいた頂点と時刻 b にいた頂点を (t-a) : (b-t) に内分する点、 と決めると、これはおじいさんに許される動きになり、 おじいさんの動きは「静止」と「ある頂点から他の頂点までの等速移動」 の有限個の組み合わせになった。

元の動きでおばあさんと出会うなら、 改変したあとの動きでもおばあさんと出会うことを示そう。

頂点で出会っていたら、明らかである。 改変後も、その時刻にはおじいさんはその頂点にいるのだから。

そうでないとして、改変後、おじいさんはその時刻 t に頂点にいるとしよう。 すると、元の動きでは、 おじいさんはある時刻 a にある頂点 P から出て他の頂点 Q へ向かう道を途中まで行き、 ある時刻 b にその頂点に戻るところだったことになる。 おばあさんが頂点 P から頂点 Q へ向かっているところだったとしたら、 おばあさんが P を出た時刻 a' は a <= a' <= b を満たすから、 改変後の動きでも二人は出会う。 おばあさんが頂点 Q から頂点 P へ向かっているところだったとしたら、 おばあさんが P に着く時刻 b' は a <= b' <= b を満たすから、 改変後の動きでも二人は出会う。

残っているのは、改変後に、おじいさんが頂点以外の場所にいるときである。 元の動きでは、 おじいさんは時刻 a にある頂点 P から出てある時刻 b に別の頂点 Q に着く途中だったことになる。 おばあさんも頂点 P から頂点 Q へ向かっているところだったとしたら、 おばあさんが頂点 P を出た時刻 a' と頂点 Q に着く時刻 b' は a <= a' < b' <= b を満たすから、 改変後の動きでも二人は出会う。 おばあさんが頂点 Q から頂点 P へ向かっているところだったとしたら、 おばあさんが頂点 Q を出た時刻 a' と頂点 P に着く時刻 b' は a' <= b, a <= b' を満たすから、 改変後の動きでも二人は出会う。 (a', b' はもしかしたらいま考えている時間の範囲からはみ出しているかもしれないが、 構わない。)

元の問題に戻る。 おじいさんが最初に C に達した時刻 T から計って C 以西に 40 分滞在しないか、 D 以東に 40 分滞在しない解があったとすると、 T 以降にはつかまらないようなおばあさんの動きがあることはすでに示した。 問題は、その動きが最初まで延長できるか、であった。

おじいさんは A から出発して B を通って C に着くことは間違いない。 最初に C に着く時刻 T までを上の方法で区分的に等速運動にすると、 「A で止まっている」「A から B までおばあさんと同じ速度で歩く」 「B で止まっている」「B から C まで、どちらか片方の道を選び、 おばあさんと同じ速度で歩く」の四ステップになる。 第一と第三のステップの継続時間は 0 かもしれないが。

前に示したおばあさんの動きを、時間を逆転させて、過去へ延長する。 おじいさんは 「C から B まで、どちらか片方の道を選び、 おばあさんと同じ速度で歩く」 「B で止まっている」「B から A までおばあさんと同じ速度で歩く」 「A で止まっている」 という動作をする。 この動作の開始時刻におけるおばあさんの位置によって分類するが、 いずれにせよ、おばあさんは C に至る。 そのあとは D -> E -> F -> E -> D と回り続ければよい。 (「A から B へ向かっている場合」には B に到着した瞬間の場合も含む。 他も同様だが、仮定から、C にいることはありえない。)

(ここでの道の選び直しは、 前の証明の中の道の選び直しとは矛盾しない。 時間が逆転していることに注意。 でも、本当に大丈夫かなあ……。)

6日深夜(厳密には7日未明)に記した証明には怪しいところがあった。 それは、90 分かかると決めつけているところである。 しかし、こう考えればよい。 「90 分未満でおばあさんに出会えるようなおじいさんの歩き方があったとしたら、 90 分たつまでおじいさんは適当に歩き続ける」。 この歩き方でもおばあさんに出会えるが、 「C 以西に 40 分、D 以東に 40 分滞在しないと矛盾する」 ことが示せたから、元々の 90 分未満の解は本当の解を途中で打ち切ったもので、 それでは見つからないようなおばあさんの歩き方があることから矛盾、となる。

前の証明でおばあさんが道を選び直すのは 90 分のうち 40 分は経過したあとである。 今回の道の選び直しは 90 分のうちの初めの 30 分以内である。 だから重なることはない。これで安心した。

補:おじいさんの動きを区分的に等速運動にする方法で 110 分間の動きを分類して議論するのは大変だと思う。

以上、8日深夜(厳密には9日未明)に記す。

もしもおじいさんが孫を連れていて、 孫もおじいさん・おばあさんと同じ速さで歩くとしたら、 おじいさんと孫は C まで移動し、 そこでおじいさんは立ち止まり、 孫に C -> B -> A -> B -> C と一回りさせる。 それから二人で D まで移動し、 おじいさんは立ち止まって、 孫に D -> E -> F -> E -> D と一回りさせればよい。 一回りさせるのは孫におばあさんをさがさせるためではなく、 おばあさんが一周する時間を計るためであるから、 孫でなく、おばあさんの顔を知らない、通りがかりの人でもよい。

以上、10日深夜(厳密には11日未明)に記す。

2004-11-15 (1) 02:07:24 +0900

一つめの [Q.E.D.] の最後のピリオドが落ちていたので付け足した。 学生には「『s.t.』の t のあとの点を忘れるな」と厳しく言っているのに、 情けない。:-)

2005-10-30 (0) 00:09:30 +0900


すのもの Sunomono