言葉の海 by ディープ・パープル・洋子
黒板に字を書いていてふっと気になり、じっと見つめているのだがなんとなく実感がわいてこない。 確かこの字で良かったはずだがなんとなくピンと来ない。 何かが違っているような気がする。
不安に打ち勝てずにしかたなく辞書を引いてみるが、やっぱり合っている。 けれどそれでも何かが違って見える……。
そんなことはないか?
良く使い慣れたはずの言葉なのに、ある日ふと気づくとそれが別の色合いを、もって現われ直す。
そんなことはないか。
遠い昔、イタリアの若き商人は極東に旅をして黄金の国「ジパング」の伝説を聞いたという。それが転じて「ジャパン」となったという。それはいい。しかしそれまでに1000年を越える交際のあった彼の国に、なぜこのような誤った話しか伝わらなかったのか。
近い昔、子どもたちの悪態の中にたびたび現われた「オカチメンコ」だの「ドデカボチャ」など、分けもわからず傷ついていた。あれは何だったのだろう。
そして今、シュークリームやホットドッグをほうばりながら、「ああ今、私は『靴クリーム』や『熱い犬』を食べてるんだ」と考える不思議。
言葉の海に足を取られると、二度と浮かび上がることはできない。
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付録 Otto
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