どこまでも青く

無残に失敗してしまった「テレビdeアドバンス」を隠して、涙をこらえながら『どこまでも青く』をプレイし始めたぼくでしたが、30分くらいして早くもイライラし始めました。

「最近のギャルゲーっちゅうのは、選択肢ちゅうもんはないんかのう!」

「さっきからボタン押して会話の続きを読んでるだけだもんね・・・」

「もう少しすれば」、「次かな?」などと思いつつ進めてきたのでしたが、そのうちに、トホホ妖精も飽きてきたらしく、ぶつぶつとぼくの頭の中に、さっき忘れたはずのケーブルの話を蒸し返しはじめたのです。

「コネクタに全部線をハンダ付けしたら?・・・」

「今日はもうハンダも線材も引っ張り出す気になれん!」

「じゃ、あしたもう一台買って・・・」

「健全かつ使用しないテレビデアドバンスがいっこできるの?それは悲しすぎる!」

また泣いてしまいそうです。

過去、テレビdeアドバンスに挑戦し、敗れ去っていった強者どもに思いをはせました。彼らも、こういう夜をすごしたんだろうなあ。

ゲームに身が入らなくなったので、風呂に入りました。

やっぱりあした、線材をコネクタ基部にハンダしようか・・・自信ないなあ・・・

風呂から上がって、箱を引っ張り出し、折れちゃったケーブル端子を未練がましく眺めます。

「折れたとはいえ、まだ、少しだけ直線部分は残ってるなあ」

裏をみると、絶縁の樹脂でコートされているものの、この樹脂をはがせば端子部を0.5ミリほど稼ぐことができそうです。

「やってみるか・・・」

丸刃のナイフを出してきて、端子の折れ残りの部分を刃を垂直に立てて慎重に削ります。数分後、ケーブルの先端に、胴色に輝く部分が0.5ミリほどできました。

「これを組み立てて・・・」

スイッチオン。テレビにはノイズだけ映りました。ゲームは動いています。液晶で確認しています。でも、テレビに映ったノイズはまるで静止したまま。

もう一度分解してみると、挿したはずの削りだしケーブルが抜けてました。

もう一度、さっきより深く押し込みます。

組み立てて、電源オン。

「ついた・・・」

テレビ画面には、「タクティクスオウガ外伝」が表示されています。やった!とりあえず、やった!でもすぐに画面がぼやけはじめて、にじんで・・・

「また泣いてるの?」

そりゃそうです。心配させやがって、コイツウ!

そうっとネジを締めました。一本足りなくなってたのは秘密です。その晩はそのままタクティクスオウガをやりました。

ところで、「テレビdeアドバンス」のケーブルをまちがって破損しちゃった場合は、メーカーにいえば新しいのを送ってくれるそうなので、これから挑戦しようという皆さんにはいいニュースですね。(だからって乱暴に扱わないように!取説に「金色の部分が見えなくなるまで」とあっても、見えなくなるまで押し込もうとしてはいけません。四分の三入ればよろしい!)

『どこまでも青く』は・・・そのうち続きをやるかもしれません。あのイラストは、ああ、もうたまらん!もえ〜〜〜!なので。

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