第二次メモリ大作戦〜リベンジ〜

 

次の日、メモリのことが気になっていつもよりも早く目が覚めちゃいました。

「よっぽどくやしいんだね!」

「うるさい!」

思いついたことを全部試して、ぜんぶだめ。あ〜あ!

「秋○館で買えば、絶対うごくのにねえ!」

「くくくく!」(これは苦しみの歯ぎしりの音。)

朝飯も食べずにアキバへ。

電車の中で考えます。タダで降参するテはない!ほかのドスブイのお店もまわってみよっと。倍だすのはどうしてもばからしい!

同じお店でも、同じ256のメモリなのに、2種類の値段設定があって、かたっぽは3500円台、もうかたっぽは7500円台です。ううん、ワケあり品なのかな?なんて思いながら、でも、お店がちがえばメモリの種類も・・・・

「あ、この店のも若○と同じラベル!」

ということは、同じルートで出てきているということ!あぶねえあぶねえ!買うのはやめ!

危なく同じ間違いをする危険から逃れたぼくに、トホホ妖精が「ちぇっ」という顔をしましたが、ぼくはもっとがっくり来てます。秋○館で買うのは、半分降参したのと同じこと・・・

「マ、たまには思いきって降参するのもいいかもね。」

トホホ妖精も白けた顔でいいました。

・・・

「G4はどの機種ですか?」

秋○館のメモリ売り場の店員さんは、こないだの拡張カード売り場の人とは打って変わって気持ちのいい人で、ぼくはちょっとだけ機嫌をなおし、16000円かけて512メガ分のメモリモジュールを買いました。

「あ〜あ!高いほうのメモリで三枚分のおかねかかっちゃったね!」

「うるさい!」

「安物買いの銭失いって、ホントにあるんだね!」

「・・・」

泣きたくなってきたので、ひさしぶりにT-○-ンのビルになっているほうに入ってみることにしました。

しばらくこないうちに、だいぶ中の様子が変わっています。自作パソコン専門店をだしたので、自作パソコンコーナーは一番上の狭い階へ移っています。

「なんか、変な物売ってないかな・・・」

「だいしょうきせいってやつ?」

「・・・うん・・・」

家に使えないメモリが512メガ分もあるということは、やっぱりショックです。まあ、前回64メガのシムの使えないのを40000円で買ったときに比べれば女々しい落ち込みではありますけれど・・・それを紛らわすためには、なにか・・・みつけたい・・・

「・・・」

「ドスブイのケース」のコーナーに、小さくて平べったいケースが並んでいます。のぞいてみると、中には基板が入ってます。

「ベアボーンキットって、なに?」

ぼくはトホホ妖精にたずねてみました。(店員さんやそばにいたお客さんにではありませんよ。)

「ケースにマザーボードが入ってて、あとCPUとHDDとメモリつければ動く状態のキットだよ。拡張性はないけど、メインマシンの横に置いとくにはよさそうだね。」

「ううむ、メモリはもうあるのう!」

そう。今、女々しく落ち込んでいるぼくが男らしく生きる道は・・・しかもできるだけ安く、男らしく生きる道は・・・・!

ぼくは本気でそれらベアボーンキットを物色し始めました。

でも、並んでいるキットたちは、どれもソケット370仕様のものばかり・・・ぼくは、アップルは好きではないけれど、インテルの方がもっとキライだったりします。「互換機」なのに、互換をなくそうとするあの態度は、マイクロソフトなんかおよびもつかないほど独禁法の精神に抵触してると思うのですが。しかも、あそこのコマーシャルで見るかぎり、あそこの従業員はカラフルな防塵服を着て、ラップで踊りながらチップを生産してるらしいので、そんなふまじめに作った部品は買いたくありません。

「それって、いつのコマーシャルよ!今は・・・そーいえば、最近見ないねえ!」

などと、トホホ妖精と会話しながらも、スペック表を見てゆくと・・・!

「あった!ソケットA!」

べつにエーエムデーという会社に思い入れはありません。アヴィオン・マルセル・ダッソーとおなじ略だからというわけでもありません。インテルじゃないなら、これしかないということで、この、ソケットAをもつベアボーンキットを買うことにしましょう!

「もうCDもFDDもついとる!グラフィックも内蔵してるし、よく見たらマイクロATXじゃん! あとはCPUとHDDとOSと・・・いくらかかるかな・・・」

あんまりおかねはかけたくない。でも、もうとまらない!ぼくはアキバをあとにしましたが、頭の中は、もうG4のことではなく、ベアボーンキットのことでいっぱいでした。

秋○館で買ったメモリを積んで、G4はちゃんと動きました。でも、前のメモリで動かなかった原因は・・・相性という言葉で片づけたくはない。

「あいしょーだべ!きまりだべ!そういうもんだべ!」

困ったことに、きのうあらわれた「相性グール」くんはぼくの部屋に住み着いてしまったみたいです。ぼくに麻痺呪文を投げかけてきます。ぼくは・・・だんだん・・・あ・たま・が・しび・・・れて・・どう・で・も・・・

・・・よくな・・・

「むかし、ドスブイの雑誌かなんかで、メモリモジュールの基板の厚さにメーカによるばらつきがどーのって、載ってなかった?」

・・・!・・・

トホホ妖精の突然の声に、ぼくはわれにかえりました。

「そーいえば、あれ、ちょっとはめ込みが堅かったかな・・・」

同時に、そんな記事を読んだ覚えが・・・たしか、微妙にモジュール基板の板厚が厚いメーカがあって、ソケットにも妙にきついスペックのメーカがあって、それにそこのモジュールをさすと、ソケットが膨らんで接触不良になって・・・それを読んだぼくは、「この人は相性で片づけない、えらいや!」と感心したのです。

「じゃ、うちのもそれだね!」

相性グールはあわてました。

「ちょっとまつだ!それ、ソケットとモジュールの「あいしょう」だべ!けっきょく、あいしょうだべ!」

「でも、理由がある!ばくぜんと「相性」っていうことばでごまかしてるわけじゃない!ぼくが納得できればいいのさ!」

相性グールは「とほほほ」といいながら消えてゆきました。

「悩んだ割に、てきとーな結論で気がすむんだね・・・」

「そ、そんなことはないぞ!・・・」

こうして、うちのG4は、640メガという、MOみたいなメモリ容量を持つマシンになったのです。最初に実装してあった64メガはプロフィールで「遅い」とか書かれてたので抜いてお蔵入り。でも、640メガとかあれば、ラムディスクとかつくって遊べます。フォトショップとかの仮想記憶にラムディスクを割り当てると、とってもはやいんです。〔すぐ使い切っちゃうけど)

「あーうごいたうごいた!ねよねよ!」

640メガ環境に満足して、寝ました。

 

ベアボーンパニック
もどる わくわくウルトラ3
魔剣「ドレメル」
表紙へ