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9200の組み立て

8100の発売から半年、ワールド工芸から9200蒸気機関車「三菱芦別専用鉄道9201仕様」のキットが発売されました。
9600と同じ、1Dのコンソリデーション型です。ボディキットであるD52を除けば、ワールド工芸初のD型機で、しかもエンジンドライブです。

2005.4.30/2015.5.12

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2015年追記:この記事はもともと2005年発売の初代製品について述べたものです。2015年にリニューアル発売された品は、下廻りが分解可能な構造となりましたが、上廻りの構造はほとんど変わりません。要所におもな相違点を追記しました。

基本的には8100と同じですが、8100を組み立てた人が見れば、全体的にうまく省略され、やや簡単になっているかもしれません。
8100も組み立て後の下廻りの調整には苦労したので、今回はどうなっているか楽しみでもあり、怖くもあります。
これは私の組み立てた手順と失敗をご紹介するものであり、キット付属の説明書とは違っている部分もあります。正しい手順とも限りません。

キャブ張り重ね

キャブとテンダーは、型崩れ防止のスポンジにはめ込まれています。
形を壊さないように注意して、スポンジから取り外します。
側板は二枚重ねになっているので、ずれないようにぴったり合わせ、中央のハンダ流し穴からハンダを流します。

次に、離れている妻板と側板のカドを合わせて、きちんと直角にしてハンダを流します。
あらかじめ、前後左右から見て、歪みを直しておきます。

リニューアル品ではスポンジはありませんが、曲げ済みのパーツは小さいブリスターケースに入って保護されています。

分離している屋根板が珍しい

キャブのパーツ構成です。このほかに妻板があります。

屋根板が完全に分離しているのは、この時点のワールド工芸のキットとしては珍しかったと思います。
その後は色々な形式が発売され、屋根板が分離している形式は他にも出てきました。

屋根板の仮付け 屋根板をまっすぐに取り付けるのは難しいので、1箇所だけ点付けして曲がりがないか確認します。
まっすぐに付いたら、他の流し穴にもハンダを流してきちんと固定します。
天窓の取り付け キャブ天窓のレールを差し込み(図上)、このあと裏側に出た足をハンダ付けします。
次にフタをかぶせて(図下)、裏側からハンダ付けします。
ハンダを控えめにしないと、取り付け穴から表にハンダが流れ出してしまいます。
妻板の固定

妻板を前から合わせて、裏側2箇所のハンダ流し穴(矢印)にハンダを流して固定します。
このときも片側ずつ曲がりがないか確認しながら進めます。

まっすぐ付いたら、側板と接合している角の穴にもハンダを流します。

キャブの完成 完成したキャブを表から見たところです。
密閉キャブのような手すりもなく、正面窓のひさしもなく、屋根後端の板もないので組み立ては楽です。
床板を並べたところ

ランボード兼キャブ床板(A-3)を取り付けます。左右対称に見えますが、よく見ると向きがあります。
ランボードの幅が途中で変わっていますが、その位置が左右で違います。コンプレッサーの取り付け穴も片側だけです。

リニューアル品ではランボードは洋白に変更されました。

床板の仮付け

裏側中央付近の穴を、キャブ下側の2箇所の突起に引っ掛けて、ハンダで仮止めします。
突起を削り取ってしまった場合は、左右のはみ出しが同じになるように注意して合わせます。

このあと、前後左右および上下のあらゆる方向から見て、曲がっていたら修正します。

床板の本付け まっすぐ付いたら、キャブ内側からきちんとハンダを流します。
写真は途中まで流したところです(矢印)。
妻板の下側もきちんとハンダ付けします。
仮ブリッジの切り取り しっかり固定したら、中央の仮ブリッジを切り取ります。
ここから先、ランボードを曲げないように注意が必要です。
ボイラーA・Bの合体

長いボイラーAに、ロストのボイラーヘッドをまっすぐに差し込んで、内側からハンダ付けします。
真鍮の塊のため、小型のハンダごてでは十分に熱が回らないかもしれません。その場合は、無理をせずに接着剤などでつける方法もあります。

短いボイラーBは、ボイラーAの中央部分に重ねますが、ボイラーAの下側を少しすぼめるようにして、その後端からボイラーBを重ねて差し込めば簡単に取り付けられます。

説明書には、「ボイラーA、Bは、あらかじめスチームドームあたりから漸次ボイラー裾部分のRをもどして」と書かれていますが、2つのボイラーをハンダ付けする前にくせをつけておくとよいようです。
ボイラーBの前端に当たるあたり、ボイラーAには切れ目がありますので、このへんから後ろ側を少し開いておき、2つ下の写真のようにランボード内側にぴったり接触するようにします。

ボイラーの本付け 曲がりがないか確認してから、裏側中央のハンダ流し穴に少しハンダを流します。曲がりがなければきちんとハンダを流して確実に固定します。
ボイラーとキャブの固定 ボイラーとキャブを合体します。
まずランボードの付け根あたり(矢印)を仮付けして曲がりを直し、次にボイラーすそ(広げた部分)にランボードを合わせてハンダ付けします。
隙間から表側にハンダが流れてしまうかもしれませんが、あとで削り取ってきれいにしておきます。

ここで2時間たったので、一度すべての道具を片付けて机の上をきれいにしました。


ドームなどの取り付け ボイラーの上に、ドーム・煙突・安全弁座を取り付けます。後ろ側から順に取り付けていけば、前から見てまっすぐになっているか確認しやすくなります。
ロスト部品には石膏が残っていることがあるので、ハンダ付けする面は磨いてきれいにしておきます。また、内側に出た取り付け足はあとからでは削りにくいので、固定に支障のない範囲であらかじめ短くしておくと楽です。
消音機の取り付け 消音機の後ろには、あとでφ0.4mmの真鍮線が差し込まれるので、もし穴が小さければドリルで穴をさらっておきます。
穴が後ろ側になるように、煙突の後ろに取り付けます。
発電機の取り付け 発電機の座を固定し、発電機を差し込んでハンダ付けします。
両者を重ねて一度にハンダ付けしようとすると、座がボイラーと平行にならずに修正に苦労することがあるので、やはり1つずつ固定していくのがよいように思います。
前部ランボードの折り曲げ 前部ランボードを折り曲げて組み立てます。この写真は裏返しの状態です。
前部ランボードの取り付け

ボイラーの裏側にはめ込んで1箇所を仮付けし、曲がりを直してから残りをハンダ付けします。

この部品は、特に気をつけてボイラーにしっかりハンダ付けします。あとで緑色の線の位置から左右をつないでいるブリッジを切断しますが、ハンダ付けが不十分だと曲がってしまいます。

砂撒き管の取り付け

ここからは配管になります。重なりに上下関係があるので下から順に進めます。

前後2箇所のサンドドームに、付属のφ0.25mm真鍮線を差し込みハンダ付けします。真鍮線はあらかじめボイラーのカーブに沿って曲げておき、下端もハンダ付けします。
サンドドームの穴が小さいときは、事前にφ0.3mmドリルで穴を広げておきます。

次に、コンプレッサーをランボードの穴に差し込んでハンダ付けします。

コンプレッサーの配管 コンプレッサーの吸気管を、キャブ妻板とコンプレッサー裏側に差し込んでハンダ付けします。
コンプレッサー排気管

φ0.4mm真鍮線を曲げ、コンプレッサーと消音機をつなぎます。
私は説明書の試作写真より、少し高い位置に取り付けました。
現物合わせで曲げるのは結構骨が折れるので、折り曲げ位置の目安の寸法を、説明書に書いていただければありがたいです。

ワールド工芸のキットは、配管がエッチングの板で表現されているところと、真鍮線を曲げて表現するところがあります。
エッチングのパーツレイアウトがしにくいものだけ真鍮線表現にしているのかもしれません。ここでは調圧器を一体にするため、吸気管のみエッチングにしたのかもしれません。

放熱管の連結 左右の冷却管をつなぐパイプ(C-3)を、左右のランボード前端に差し込んでハンダ付けします。
左右で高さが違いますが、写真に向かって右の矢印のほうが下側に長くなっています。
ハンドレールを中央で結ぶ 左右のハンドレール(C-1)を差し込んで取り付け、前端は上に曲げて中央で合わせ、余分な部分があれば切断してハンダ付けします。
放熱管の取り付け エアタンクを取り付ける前に、冷却管をハンダ付けしました。順序が逆になると、ホワイトメタルのエアタンクを溶かしてしまうからです。
非公式側

非公式側の配管をφ0.4mm真鍮線で作って取り付けます。
余ったφ0.4mm真鍮線はテンダーの組み立てで使用するので、捨てずにおきます。

キットの部品表では、φ0.25真鍮線のほかはφ0.4が2本、φ0.5が1本入っていることになっていますが、私のキットにはφ0.5がなく、全部φ0.4でした。まあ微妙な違いです。

上廻り完成

エアタンクの裏側の足を切り取って、接着剤で固定すれば上廻りは一応完成です。
下廻りができたときに、位置を合わせて前方の斜めのステーを取り付けることになります。

ほぼ2時間たちましたし、きりがいいのでここで終わります。

適度に表現が省略されているので、比較的簡単に組み立てていけました。
やや難しいのは、ランボードとボイラーをぴったり合わせるところでしょうか。


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