8100形の発売から半年、ワールド工芸から9200形蒸気機関車「三菱芦別専用鉄道9021仕様」のキットが発売されました。
9600形と同じ、1Dのコンソリデーション型です。ボディキットであるD52を除けば、ワールド工芸初のD型機で、しかもエンジンドライブです。
2005.4.30/2021.1.31
2015年追記:この記事はもともと2005年発売の初代製品について述べたものです。2015年にリニューアル発売された品は、下廻りが分解可能な構造となりましたが、上廻りの構造はほとんど変わりません。要所におもな相違点を追記しました。
基本的には8100形と同じですが、8100形を組み立てた人が見れば、全体的にうまく省略され、やや簡単になっているかもしれません。
8100形も組み立て後の下廻りの調整には苦労したので、今回はどうなっているか楽しみでもあり、怖くもあります。
これは私の組み立てた手順と失敗をご紹介するものであり、キット付属の説明書とは違っている部分もあります。正しい手順とも限りません。
キャブとテンダーは、型崩れ防止のスポンジにはめ込まれています。 側板は二枚重ねになっているので、ずれないようにぴったり合わせ、中央のハンダ流し穴からハンダを流しました。 リニューアル品ではスポンジはありませんが、曲げ済みのパーツは小さいブリスターケースに入って保護されています。 |
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キャブのパーツ構成です。このほかに妻板があります。 屋根板が完全に分離しているのは、この時点のワールド工芸のキットとしては珍しかったと思います。 |
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屋根板をまっすぐに取り付けるのは難しいので、1箇所だけ点付けして曲がりがないか確認しました。 まっすぐに付いたら、他の流し穴にもハンダを流してきちんと固定しました。 |
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キャブ天窓のレールを差し込み(図上)、このあと裏側に出た足をハンダ付けしました。 次にフタをかぶせて(図下)、裏側からハンダ付けしました。 ハンダを控えめにしないと、取り付け穴から表にハンダが流れ出してしまいます。 |
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妻板を前から合わせて、裏側2箇所のハンダ流し穴(矢印)にハンダを流して固定しました。 まっすぐ付いたら、側板と接合している角の穴にもハンダを流しました。 |
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完成したキャブを表から見たところです。 密閉キャブのような手すりもなく、正面窓のひさしもなく、屋根後端の板もないので組み立ては楽でした。 |
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ランボード兼キャブ床板(A-3)を取り付けました。左右対称に見えますが、よく見ると向きがあります。 リニューアル品ではランボードは洋白に変更されました。 |
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裏側中央付近の穴を、キャブ下側の2箇所の突起に引っ掛けて、ハンダで仮止めしました。 このあと、前後左右および上下のあらゆる方向から見て、曲がっていたら修正します。 |
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まっすぐ付いたら、キャブ内側からきちんとハンダを流します。 |
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しっかり固定したあと、中央の仮ブリッジを切り取りました。 ここから先、ランボードを曲げないように注意が必要です。 |
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長いボイラーAに、ロストのボイラーヘッドをまっすぐに差し込んで、内側からハンダ付けしました。 短いボイラーBは、ボイラーAの中央部分に重ねますが、ボイラーAの下側を少しすぼめるようにして、その後端からボイラーBを重ねて差し込めば簡単に取り付けられました。 説明書には、「ボイラーA、Bは、あらかじめスチームドームあたりから漸次ボイラー裾部分のRをもどして」と書かれていますが、2つのボイラーをハンダ付けする前にくせをつけておくとよいようです。 |
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曲がりがないか確認してから、裏側中央のハンダ流し穴に少しハンダを流しました。曲がりがなければきちんとハンダを流して確実に固定します。 | |
ボイラーとキャブを合体します。 その後のリニューアル製品の組み立てでは、ここまでベッタリと接合しておらず、数か所のボイラーバンド部分で固定するだけにしています。 |
ここで2時間たったので、一度すべての道具を片付けて机の上をきれいにしました。すぐ道具が散乱してめちゃくちゃになってしまいます。
ボイラーの上に、ドーム・煙突・安全弁座を取り付けました。後ろ側から順に取り付けていけば、前から見てまっすぐになっているか確認しやすくなります。 ロスト部品には石膏が残っていることがあるので、ハンダ付けする面は磨いておきました。また、内側に出た取り付け足はあとからでは削りにくいので、固定に支障のない範囲であらかじめ短くしておくと楽です。 |
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消音機の後ろには、あとでφ0.4mmの真鍮線が差し込まれるので、もし穴が小さければドリルで穴をさらっておきます。 穴が後ろ側になるように、煙突の後ろに取り付けました。 |
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発電機の座を固定し、発電機を差し込んでハンダ付けしました。 両者を重ねて一度にハンダ付けしようとすると、座がボイラーと平行にならずに修正に苦労することがあるので、やはり1つずつ固定していくのがよいように思います。 |
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前部ランボードを折り曲げて組み立てました。この写真は裏返しの状態です。 | |
ボイラーの裏側にはめ込んで1箇所を仮付けし、曲がりを直してから残りをハンダ付けしました。 この部品は、特に気をつけてボイラーにしっかりハンダ付けしました。あとで緑色の線の位置から左右をつないでいるブリッジを切断しますが、ハンダ付けが不十分だと曲がってしまいます。多少はみ出すぐらいハンダをしっかり付けました。 |
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ここからは配管になります。重なりに上下関係があるので下から順に進めます。 前後2箇所のサンドドームに、付属のφ0.25mm真鍮線を差し込みハンダ付けしました。真鍮線はあらかじめボイラーのカーブに沿って曲げておき、下端もハンダ付けしました。 次に、コンプレッサーをランボードの穴に差し込んでハンダ付けしました。 |
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コンプレッサーの蒸気管を、キャブ妻板とコンプレッサー裏側に差し込んでハンダ付けしました。 | |
φ0.4mm真鍮線を曲げ、コンプレッサーと消音機をつなぎました。 ワールド工芸のキットは、配管がエッチングの板で表現されているところと、真鍮線を曲げて表現するところがあります。 |
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左右の冷却管をつなぐパイプ(C-3)を、左右のランボード前端に差し込んでハンダ付けしました。 左右で高さが違います。写真に向かって右の矢印のほうが下側に長くなっています。 |
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左右のハンドレール(C-1)を差し込んで取り付け、前端は上に曲げて中央で合わせ、余分な部分を切断してハンダ付けしました。 | |
エアタンクを取り付ける前に、冷却管をハンダ付けしました。順序が逆になると、ホワイトメタルのエアタンクを溶かしてしまうからです。 | |
非公式側の配管をφ0.4mm真鍮線で作って取り付けました。 キットの部品表では、φ0.25真鍮線のほかはφ0.4が2本、φ0.5が1本入っていることになっていますが、私のキットにはφ0.5がなく、全部φ0.4でした。まあ微妙な違いです。 |
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エアタンクの裏側の足を切り取って、接着剤で固定すれば上廻りは一応完成です。 ほぼ2時間たちましたし、きりがいいのでここで終わります。 |
適度に表現が省略されているので、比較的簡単に組み立てていけました。
やや難しいのは、ボイラーの曲げを途中で間戻し、ランボードと合わせるところだったでしょうか。