Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>9600の組み立て(やえもんデザイン)
基本形ができたので、各種のロストパーツや配管などを取り付けていきます。
煙突とスチームドーム、サンドドーム、そしてシリンダーの蒸気管の覆いなどを合わせてみています。
今のやえもんデザインのロストパーツは、昔よりもボイラーの曲面へのフィット感がよく、あまり苦労して削り合わせなくても大体合いました。
スチームドームと重なるボイラーバンドは、邪魔になるので削り取っておきました。
砂撒管は砂撒器と一体のロストになっています。あらかじめサンドドームに差し込んで、裏からハンダ付けしておきました。
私が初めて買ったブリッジ整流器が、こんな形をしていました…。
形を整えたロストパーツを、ボイラーやランボードに差し込んでハンダ付けしました。
煙突の後ろに付く消音機(Lw31)には、配管を差し込むための穴があります。穴を0.4mmドリルでさらって、手前(公式側)に向けて取り付けました。
ボイラー後部の小さいロストパーツを取り付けました。
Lw29はボイラーに密着するようにカーブを修正し、隣のLw28と干渉する部分を削り合わせました。
Lw32の洗口栓が片側4個ずつ付きますが、部品の形に不ぞろいなところがあり、最初から取り付け穴をスポッと通り抜けてしまうものが数個ありました。細かいので少しの誤差も影響してしまうようです。
これらの部品は裏側に出た足だけでなく、ボイラーの穴の断面に接する部分までしっかりハンダ付けしておかないと、最後に内側をヤスリで平らに削り取るときにポロポロ取れてしまいます。わずかに表側にハンダが滲むくらいの付け方を意識しました(意識だけ)。
煙室側面に、反射板ハンドルと反対側の軸を付けました(形は違いますが部品番号はいずれもLw15)。ボイラーがカーブしているので、向きをまっすぐにするのが少々難しかったです。
公式側の軸は、あとで隣に付くコンプレッサーと干渉しそうだったので、少し削っておきました。
1. 逆転棒(B16)を貼り合わせ、先端をランボードに固定しました。後部はキャブに差し込みます。
※キャブは位置を合わせるためにはめ込んでいるだけで、まだ固定していません。
2. 逆転軸腕のカバー(Lw14)を固定しました。
キャブ取り付けは説明書では最後に記されているため、一応まだフリーにしていますが、もう固定しても問題はなさそうです。
1. 冷却管(C3b)をランボード上に取り付けました。
※左右の冷却管は同じ部品番号ですが、形が違います。
前方に伸びている部分は、逆転棒などに当たらないように曲げ直しました。
2. 先端は少し手前に折り返し、コンプレッサーの裏側に当たるようにしておきました。
複式コンプレッサーを固定しました。下部がランボードに干渉したので少し削りました。
配管の製作は特に触れられていませんが、調圧器が付属していることと、排気側の消音機に穴も開いていることから、この部分の配管を作るところまでは素組みの範疇なのだろうと考えました。
1. 蒸気管は0.4mm真鍮線を曲げて作りました。ボイラーに穴を開け、付属の配管留めで2箇所を留めました。
前側の配管留めのところで、調圧器の配管とつなぐことにしました。
2. 調圧器を複式コンプレッサーに固定しました。
後方の配管は曲げ、先ほどの0.4mm真鍮線の先端と配管留めの部分で接続しました。
1. 排気管は0.3mm真鍮線で作り、上部は消音機に、下部は複式コンプレッサーの穴に差し込んで固定しました。
角度を付けてパキッと曲げたつもりだったのに、結果は何だかだらしない曲げ方です。
まあ、デフに隠れてあまり見えなくなるでしょう…。
2. 小型オイルポンプ箱(Lw27)を取り付けました。
これで終わりかと思ったら…
…空気チリコシ(Lw21)を忘れていました。
これをどう取り付ければよいか、まるで考えていませんでした。微妙な高さにありますし、付属の配管は細くて弱いので、配管で保持することはできません。
結局、ボイラー側に押し付けるようにして、裏側の冷却管やボイラーバンド周辺にベタ付けしました。全然、良い付け方だとは思っていません(でもどうすれば…)。
非公式側のランボードに各種ロストパーツを取り付け、火室上部にはATS発電機(Lw19)を付けました。
写真ではタービン発電機と台座も取り付けてありますが、ハンドレールが取り付けられず、一度取り外しました。
1. 冷却管(C3b)を固定しました。
2. 左右のハンドレール(C1,C2)を固定しました。
3. 改めて、タービン発電機の台座(B17)と発電機本体(Lw18)を取り付けました。
1. ブレーキ管(C12)を固定しました。
2. 付属の0.25mm線を曲げてカプラー解放テコを作り、4つのテコ受け(Lw24)を差し込みました。
3. 外側のテコ受けは垂直にして、端梁の穴にピンを差し込んで固定しました。
4. 内側のテコ受けは水平にして、デッキ上部の穴にピンを差し込んで固定しました。
5. 連結器座(Lw23)を取り付けました。
6. 左右に標識灯を取り付けました。
内側のテコ受けはそのまま付けると前に出すぎ、解放テコが斜めに飛び出してしまいました(仮組みして確認しなかった…)。
これが実物ならテコがびくとも動きません。あとで何とかしなければ…。
デフの上部を折り曲げるため、裏から定規を当ててPカッターでスジ彫りしました。
やえもんデザインのデフは、必ずこの作業を要します。デフが非常に薄いので、裏からあらかじめ折り線をエッチングしておくことが困難なのかもしれません。この部分は表からもエッチングされてハーフ面になっているため、いっそう薄いのです。
※上部のステーの基部は、裏からあらかじめスジがエッチングされていますが、この部分は表からエッチングされていないのでまだ厚みがあります。
固い板の上でスジ彫りしましたが、なぜか力の入り方がおかしくて失敗気味。これからカバーできるかどうか、です。
このあと、上部を少し折り曲げ、裏の補強ステーを折り返してハンダ付けしました。
1. デフの下部の2本のピンを、ランボードの水平部の穴に差し込み、裏からハンダ付けしました。
2. デフ上部のステーをボイラーに重ね、デフの傾きを調整しながら1本ずつハンダ付けしました。
3. デフの先端部は、内側からハンダでデッキにベタ付けしました。
この部分にも、取り付けピンが欲しいところです。
ランボード下の配管(C4,C5)は非常に細いです。触っただけで曲がるほどなので、キット商品の強度としては不足しているようです。
まずは、非公式側のC5をランボード側面の凹みに合わせてハンダ付けしました。
その上から、ランボード下板の断面をふさぐ形で、フチのパーツB8,B9,B10をハンダ付けしました。
B8は前端の1点を最初に留め、順次後ろに向かって少しずつハンダ付けしていきました(熱膨張を後ろに逃がすため)。
B10はその下の配管が邪魔になり、内側からハンダ付けしにくかったので、表から付けました。
実はこのフチを付ける作業が非常に難しそうで恐れていたのですが、ランボードの上板が少し出ているために位置決めがしやすく、意外と簡単でした。
公式側も同様に付けました。
まず配管C4を付け、上からB7、B9、B10を付けました。
これらのパーツを白塗装しておき、黒塗装した本体に接着すれば、手軽に白線が表現できそうです。ただ、キャブの下部の白線だけは直接塗らなくてはいけません。
ランボード下の配管の後部がぐにゃぐにゃになってきたので、ここでキャブを取り付けて保護することにしました。
1. キャブに逆転棒を通してからボイラーにはめ込み、傾きを調整しながらハンダ付けしました。
2. ランボード下の配管後部をキャブ前側に裏から重ね、ハンダ付けしました。
1. デッキ下にステップ(C9a)を固定し、中段のステップを付けました。
説明書の図示とは違いますが、ステップ下部の斜めの部分は前向きにしました。
2. エアホースを付けました。
3. 左右のテコ受けを少し前に傾けて、少しでもテコがまっすぐになるようにしました。
(内側のテコ受けを短く付け直すのはあきらめました)
今回は端梁がエッチングのため薄く、初めてやえもんデザインのエアホースを裏からハンダ付けすることができました。
1. 組み立て済みの煙室扉を取り付けました。
2. 左右につかみ棒を取り付けました。これは真鍮挽物ではなく、ロストです。
これで金属部は最後です。
1. ハシゴをランボードに差し込んでハンダ付けし、ランボード裏側は平らに修正しました。
2. ハシゴを付けたあとで、左右の空気溜め(Lw3)を固定しました。
3. ドロダメ(Lw5)に台座(C10)をハンダ付けし、ランボード裏に固定しました。
4. 汽笛(3室)をハンダ付けしました。
ちょっと長いようだったので、取り付け穴を少し広げて、汽笛の下部を少々埋めました。
ボイラー内側に出た部品の脚を削り取り、それによりハンダ付けが弱くなった部分は補強するなどしました。
動力は何となくKATO製にしようと決めかけていたところ、作例の内側寸法がどうも狭めであることに気づきました。
このままでは、KATOの動力をぎりぎりまで加工しても入らないかもしれません。そこで、急きょマイクロエースに変更しました。
(初回なので安全なほうに振りました)
マイクロエース製品を使う場合、そのままではモーターが後部妻板につっかえますが、以前に小型モーターに変更していたものがあったので、それを使うことにしました。
しかしこれ、バルブギヤ廻りはKATO製に交換されていますし、怪しい…。
モーターはBトレモーターなのでキャブ内に収まっていますし、なぜだかダイキャストブロックの上部も削ってありますので、このへんはそのまま使えそうです。
動力ユニットの前端は、フロントデッキの後方に当たってしまうので、カットする必要があります。
補足説明書の写真を見ても、やはりカットされているようです。
ダイキャストブロックを手持ちし、金ノコで20分くらいかけて切り取りました。
これでOKなハズ…です。
しかし。
ランボード下に、KATOから移植したバルブギヤーが色々当たってしまいます。
かたっぱしからカットしました。配管前端も宙ぶらりんだったので、合併テコよりも後ろに曲げ直してきちんと固定しました。
先輪はKATOのスポーク先輪に交換したのですが、ベース車が銀車輪のころの製品なので、色が合いませんね…。
今度こそ、うまく被せられました。
元のマイクロエース製品よりも車体が短く、モーターもはみ出していないので、ドローバーも3mm弱カットして機炭間隔を詰めました。もう少し詰めてもよかったかもしれません。
エンジン部のみ、アクリジョンで黒に塗装しました。つや消しの程度を、ベース車のテンダーの塗装になるべく合わせるようにしました。
1. 汽笛の塗装をはがしました。
2. 手持ちの安全弁を取り付けました。余っていた旧KATOのパーツです。
3. ライト内側を銀色に塗り、レンズを付けました。
4. 手持ちのダミーカプラーを付けました。これも旧KATOのパーツです。
5. 窓ガラスとして透明プラ板を裏から貼り付けました。
6. ナンバープレートを前後左右の4箇所に貼り付けました。
番号には特に希望がなかったので、メーカーの公式サイトのサンプルと同じものにしました。
何とかできました。実力不足で細々と失敗はしていますが、とてもよくデザインされた製品で、組み立てが進むにつれて9600らしさがにじみ出てくるのは嬉しかったです。
強度的に弱いところや、位置決めが難しいところもありましたが、意外と簡単だったところもあり、始終緊張を強いられることはありませんでした。
ベース車となるKATO・マイクロエースの製品と並べると、次のような感じです。
KATO 9600デフ付
マイクロエース 9600標準型(大型デフ)
やえもんデザイン 9600標準タイプ
※ベース車はマイクロエース 9600北海道重装備
金属キットは接着剤で組み立てることもできますが、このキットはすべてハンダ付けでガッチリ組み立てたほうが、簡単にできるように感じます。
接着剤を使うときは、ランボードとボイラーの組み合わせの際に特に注意を払い、ランボード下の細い配管は何かで補強するか、省略したほうがうまくいくかもしれません。
組み立てを通じて、9600のエンジン部は意外と小さいのだなと感じました。実物を今までと違った観点で見られるようになるのも、キット組み立ての楽しさかと思います。それほど日数がかかったわけではありませんが、工作したという不思議な達成感があるキットでした。
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