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子供の科学のラジオ その3

その1(トップページ)  3   

一度試行錯誤の末組み立てたラジオでも、もっと実用的にするために、ケースなどを変えたり、自分でプリント基板を設計して作り直したくなるものです。
悲しいかな回路の設計ができないため、実装面しか工夫が及びませんが、配線図の通りに結線さえすれば働くと考えていたら大間違いでした。
お灸をすえられたというか、いい勉強になりました。

#15 #3改:2石レフ・ポケットラジオ プリント配線版

掲載:子供の科学 1976年3月号(奥澤 清吉氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2005年5月成功 
2石レフ・ポケットラジオ回路図(子供の科学1976年3月号より許可を得て掲載)
2石レフ・ポケットラジオ

これは「#3 2石レフ・ポケットラジオ」を、プリント基板に変更してみたものです。
オリジナルのようにユニバーサル基板に部品のリード線を利用して配線する方法では、配線面の見た目がいまひとつで、部品を交換したい場合にもやりにくい面がありました。
そこで、配線路を自分でプリント配線に変更して、もう1台作ってみました。

ケースは現在の薄型名刺ケースを利用し、持ち運びを考慮してダイヤル類はすべてケース内に入れました。部品の取り付け高は制約を受けますが何とかなりました。

オリジナル版オリジナル版です。

2石レフ・ポケットラジオ裏側

結果ですが、なぜか先に作ったオリジナル版よりも感度がよいです。この違いは電波の弱い局でハッキリわかります。
バーアンテナに少し小さいBA-200を使ったのですが、コアが小さいために感度が悪くなると予想していたので意外でした。他の違いといえば、チョークコイルのメーカーが違うのと、プリント配線にしたことだけです。

新しいプリント基板

右がオリジナルの配線、左がこれをもとに配線路を作ったプリント基板です。基本はただ配線をプリント配線路に置き換えただけですが、ケースに直付けになっていたバリコン・ボリューム・バーアンテナも基板に実装するなど、多少は工夫しました。

部品面の高さを確保するため、ボリュームを裏返しに取り付けたので、音量の調節方向が他と反対です。普通の記事では、ボリュームは表から見て時計回りに音量が上がるように配線されています。

#16 #5改・混信がなくて感度がよい4石スーパーラジオ ポケットラジオ版

掲載:子供の科学 1974年12月号(奥澤 清吉氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2005年5月成功異常発振のため一時はダメかと…
4石スーパーラジオ回路図(子供の科学1974年12月号より許可を得て掲載)
4石スーパーラジオ

「#5 混信がなくて感度がよい4石スーパーラジオ」をもとに、小型の基板を作ってポケットラジオのサイズに組み立ててみることにしました。
基板上から一番高さのある部品は、トランスのST−81とバーアンテナですが、スピーカの厚みや乾電池の位置を検討すると、ぎりぎり収まりそうです。
操作性を考えてボリュームとバリコンのつまみの位置を決め、つまみが邪魔にならないように全部をケースの中に実装することとして紙に実体図を描きます。パターンをあれこれ考えるのはとても楽しい作業でした。

オリジナルオリジナル版(#5)です。

基板設計図?

詳しい方なら、いかに無知な人間が考えた基板かいくつも指摘できると思います。この時点では回路図のとおりに結合されていれば、部品の配置やパターンはどうでも働くものと考えていました。

部品を全部取り付け、スイッチを入れると始まった!「ギャー」「ビー」と異常発振が…。まあこれは2〜3石ラジオでも起き得ることなので、最初は簡単に直せると思いました。

バリコンがどこにあっても発振するので、まずは高周波の発振を疑いました。そこで、バーアンテナの同調コイルの接続を入れ替える→TR1のベースの前にある0.005μを、500pF〜0.002μFあたりで調整→どうしてもダメならアンテナコイルの両端に抵抗(30k〜100k)→結果、全然効果ありません。参った…。

中間周波の異常発振も起きているのかと考え、IFTにダンピング抵抗を付け加えたところ、何とかボリュームの中間あたりでのみ発振が止まりました。しかし感度が悪くなってしまい、ボリュームが中間位置より低くても高くても異常発振するので、使い物になりません。

4石スーパーラジオ裏側

しまいにはトランジスタまで疑い、TR1〜TR3の2SC1815-Yを2SC372-Oに、TR4の2SC1915を2SC735のジャンクパーツに変更し、足もうんと短くしましたが、そんな問題ではありませんでした。

基板の下側のほう、グラウンドを広く取らなかったのがまずかったのかな…TR1のベースまでの距離が長いのかな、抵抗を変なところに立てて信号線が長くなったのがまずいのかな…。

ここでようやく勉強の必要性を感じ、ラジオや高周波回路の設計の本を読み漁りました(書店の検索端末で「ラジオ」で検索すると、数千冊マッチして気絶)。あ〜あ、本を読むとダメな例にすべて該当する。まあこれも勉強だ、あきらめずに基板ごと作り直すか…。

基板にジャンパ追加

ところが、左図の青線のリード線を追加し、パターン面から見てコ型になっていたグラウンドを口型にしたところ、ぴたりと異常発振が止まりました。
それまであちこちにくっつけていたダンピング抵抗などを元に戻しても異常発振しません。なんだか脱力しました。

TR3(電圧増幅)の信号が、グラウンドから高周波側に回帰するとか、他の信号と混じって異常発振していたということなんでしょうか。本当は不適切なところはここだけではないのでしょう。
これを見て問題点をご指摘くださる優しい方、メールお待ちします(笑)。

解決まで相当かかると覚悟しましたが、1週間程度で解決でき嬉しいです。でもこれは偶然です。

★2006.1.11 なんと、これをお読みいただいた方から、問題点の可能性について誠に詳しいアドバイスを頂きました。見づらい回路図とパターンをご検討いただきまして本当に感謝しております。ありがとうございました。
オリジナルとの大きさ比較

左が子供の科学のオリジナル版(#5)の作例で、長さ110mm×幅80mm×深さ34mmです。右は今回の完成品で、長さ98mm×幅64mm×深さ28mmとなりました。しばらくはこちらがレギュラーになるでしょう。

もしこれがうまくいったら、さらに密度を上げて同じケースに6石スーパーなどを組んでみたいと思っていたのですが、今の私には実力的に早すぎるようです。




しかし、結局始めました(笑)。

#17 6石スーパーラジオ ポケットラジオ版

オリジナル版:CHERRY CK-606 (科学教材社で購入)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2005年6月成功 
6石スーパーラジオ

市販されていたラジオと同様の6石ラジオを、いつか自作の基板とケースに組んでみたいと思っていました。
自分で回路設計ができない私は、回路図の入手とテストを兼ねて、まず科学教材社に足を運んでキット(CHERRY CK-606)を購入しました。組み立ててみると実に感度が良くて、ボリュームを最低にしても音が大きすぎるほどです。

チェリー ラジオキット そのまま組み立てたところです。

6石スーパーラジオ基板設計

次に、この回路図を参考に、自分でプリント基板を起こしてポケットラジオを組み立てます。
紙に鉛筆による基板パターンの検討は試行錯誤がしにくいので、今回は画像ソフトを使いました。どうにも上手に配線路をつなぐことができず、線ばかり込み合ってしまいます。
今も売られている市販製品なので回路図を載せられませんが、左の基板パターンと部品配置は私が考えたものですから差し支えないでしょう。基板のサイズは58.5mm×67.5mmです。部品についている番号はキットと同じ番号です。

最初はキットと同様の部品を別途集めて組もうと思っていましたが、電力増幅で使われている2個のトランスと同じものが入手できません。STトランスで同じ規格のものは大きくて実装できないので、結局同じキットをもう一つ買って部品をそっくり使うことにしました。今度は通信販売を利用しましたが、科学教材社に在庫確認のメールを送ると、10分としないうちに返信を頂けてちょっとビックリ。

前回の4石スーパーの異常発振がひどかったので、今回はできるだけグラウンドを広くし、信号線を太く短くするように心がけました。しかし、作図しているうちに頭の中でピーピーと異常発振の音が聞こえてきそうな感じでした。

パターンを考えたら基板の製作です。
パターンが込んでいるので、今までのようにテープやマジックを使う方法ではうまくいかないかもしれないと考え、細い曲線や広い面は、プラ用塗料(水性アクリル塗料)を筆塗りすることにしました。模型をやっていますから、筆と塗料の扱いに慣れています。

パターン張り込み中 パターン筆塗り終了 エッチング後
直線に近いところはテープのほうが楽です。あとで塗りつぶすアースの大体の輪郭もテープで形作っておきます。 息を殺して細筆でパターンを描きます。少しでも指先が狂うと、表面張力で隣のパターンに塗料がくっついてしまうので、失敗は許されません。
広い面は平筆で手早く塗ります。乾いてから何度か重ね塗りして確実にします。
念のため一晩乾かして翌日にエッチングしました。シンナーでふき取ると、きれいな銅箔パターンが現れてひと安心!

プラ用塗料は金属への食いつきが弱いので、エッチング中に誤ってパターンをこすったりしないように注意が必要です。でも、一度コンピュータでパターンを作っているんですから、普通はこんなことをせずに、ポジ感光基板を使うでしょう。

6石スーパーラジオ裏側

基板さえできたら、気分的にはもうできたようなものです。
これで異常発振したらダンピング抵抗だらけになるような気がしていましたが、幸い一発で鳴ってくれました。ちょっと拍子抜けしましたが嬉しいです。

各部の寸法がシビアなので、ケースへの組み付けのほうが大変でした。イヤホンジャックを無理に基板実装しなければ、もう少し余裕があったと思います。

感度が良いので、2〜3石ラジオと違い、バーアンテナの指向性をあまり気にしなくても十分です。車の中でもガンガン鳴ります。

なぜこれを「子供の科学のラジオ」でご紹介したかといいますと、子供の科学の広告にずっと登場していたおなじみのラジオであり、今も手に入るものだからです。

オリジナルとの比較

左が元のキットをそのまま組み立てたもの、右が今回の工作です。

原型としたキットは少なくとも1977年には発売されていました。この頃はすでに家庭用テレビゲーム(テニス、スカッシュなど)の最初のブームが起きており、テレビゲームの組み立てキットも発売されていました。そして、その後まもなくついに「マイコン」のキットが子供の科学の広告にも登場します。
1974年頃まで1誌につき4つほど掲載されていた電子工作の記事は、1975年には3つ、1976〜77年には2つと減っていき、他の工作の記事も目に見えて単純なものになっていきました。

オリジナルとの比較

◆そのほか◆

秋葉原には、通信販売でも見つけにくい部品が普通に売られていますが、トランジスタラジオの組み立てに欠かせないと思われる部品でも、見かけなくなったものもあります。

バーアンテナホルダー
バーアンテナのコアをはめる、軟質プラスチックの部品です。昔はコアーの形に応じて各種ありました。差し込んで焼き止めするものと、ネジ止めするものもあったのですが…。今ではほとんど見つけられませんし、選べません。
平型ボリウム
ここで紹介した作例では、1つを除いてすべてスイッチ付き平型ボリウムを使っていますが、これが意外とありません。目的の抵抗値を見つけられないこともありますし、平型であってもスイッチがないこともあります。
今でもラジオキットや作りの古いポケットラジオには使われているので、製造はされていると思うのですが。
平型ボリウムの「つまみ」
バリコンのつまみに似ていますが、直径も軸径も違います。これが単体で売られていることは少ないと思います。

このほか秋葉原にはありますが、スピーカーを止める「つめ」、スーパー用バーアンテナ、中間周波トランスなども地方では意外に手に入りにくい部品です。古いトランジスタラジオを探して分解したほうが、安く手っ取り早く入手できたりします。

(2005.7.11補足)

ジャンク店を探せば、平型ボリュームをまだ発掘可能との情報をいただき、探したところありました。「つまみ」も色々あって助かりましたが、お店の方いわく「あんまり平型ボリュームを欲しがる人はいないから」とのこと。ポケットラジオの工作には欠かせないと思っていたのですが…。でも、昔も地方では入手しにくい部品でした。

(2006.6補足)

5kΩ平型ボリュームのスイッチ付きが、つまみ付きで秋葉原に入荷しているのを発見。まだちゃんと仕入れてくれるお店があったことも嬉しかったです。

#18 (#13改)出力をちょっぴり大きくした3石高1ラジオ プリント配線版

オリジナル掲載:子供の科学 1975年3月号(奥澤 清吉氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2005年6月成功 
3石高1ラジオ回路図(子供の科学1975年3月号より許可を得てトレス)
3石高1ラジオ

「#13 出力をちょっぴり大きくした3石高1ラジオ」はラグ板使用でサイズが大きかったのと、混信が多くて当初の性能が出ているのか気になったため、自分でプリント基板を起こして新たに組み立ててみることにしました。
奥澤先生の作風に似せるため、昔ながらの厚手名刺ケースを新品で購入しました。50個ひとまとめなので、かなりの数が手元に余っています。

オリジナルオリジナル版(#13)です。

基板設計図?

基板は、スピーカー裏の段よりも低い位置に収めるため、幅55mm×長さ42mmとしました。後ろ側に電池を縦に置くので、あまりスピーカーを下に寄せると厚みで電池が高くなりすぎ、名刺ケースのフタができなくなります。
ボリュームとバリコンの間が狭いので、部品の配置が少々困難でした。

発振すると手が付けられなくなるので、今までの経験を踏まえてできるだけアースを広くし、信号線は太くして最短で結ぶように心がけました。しかし、いくつかの線が交差しているところがあるうえ、チョークコイルとバーアンテナの距離も近くて心配です。
なお、上の配線図風の絵では、TR2はC828となっていますが、プリント配線版ではC1815GRを使いました。
バーアンテナはSL−55GTを使い、バーアンテナホルダーはケント紙をコアにぐるぐる巻きにし、プラ板で台座を接着する方法で自作しました。

※注 左図は部品側から見たイメージです

3石高1ラジオ裏側

異常発振は起きましたが、次の方法で治りました。この方法はオリジナルの記事にもあります。

  • バーアンテナの同調コイルの接続を入れ替える
    →感度がちょっと悪くなるのと、受診帯の端のほうの局がカバーできなくなったのでやめました。
  • チョークコイルの接続を入れ替える
    →これでもOKで、感度にも影響ありません。しかし、チョークコイルとアンテナコイルの位置関係が重要で、この位置が狂うと発振してしまいます。

他に、チョークコイルと並列に抵抗をつなぐという常套手段がありますが、そこまでには及びませんでした。

今回の作例では、バーアンテナのコイルを左の写真の位置にすると最高の感度となり、分離もよくなります。チョークコイルとバーアンテナの位置関係に大きな意味があるようです。

オリジナルとの大きさ比較

左が子供の科学のオリジナル記事の作例(#13)で、長さ110mm×幅80mm×深さ34mmです。右は今回の名刺ケースサイズで、ケース寸法で長さ91mm×幅61mm×深さ35mmです。

性能はオリジナルに比べて一段上がり、感度が上がって混信もまったく感じられなくなりました。オリジナルとの違いは配線をプリント配線にしたことと、TR2をC828からC1815GRに変えたこと、そしてバーアンテナをPB−450(丸コア)からSL−55GT(現在のリード線型)に変更したことくらいです。

◆気付いたこと◆

奥澤清吉氏の「子供の科学」でのトランジスタ工作は、1974年頃まではほとんどプリント基板を作る小型のものでしたが、1975年になると一転して大半がラグ板を使うものに変わります。76年になると電子工作の記事は各号1つだけに減り、田嶋一作氏と奥澤清吉氏が1号おきに執筆されていますが、プリント基板を使うものは5月号の2石レフレックスラジオ1つだけで、それも74年5月号の使いまわしです。
奥澤氏の記事は76年7月を最後に子供の科学から消えているようで、そのあとを増永清一氏・高田瑛道氏が引き継いでいます。

#19 容量結合の2石レフレックス・ラジオ(記事名:2石レフレックス・ラジオの作りかた)

掲載:子供の科学 1974年4月号(奥澤 清吉氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2005年7月成功 
2石レフ

この2石レフが紹介されたのは74年4月号ですが、翌月の5月号では2石直結レフが紹介されています。ちょっと2つの回路を比べてみましょう。

2石レフレックス・ラジオ回路図(子供の科学1974年4月号より許可を得てトレス)

●4月号の回路図 「子供の科学」編集部の許可を得て作図し掲載

こちらが今回製作した4月号の回路です。容量結合となっています。実は奥澤清吉氏の記事にこの回路の2石レフが登場するのはこれが最後で、これ以降はすべて次の直結式が繰り返し出ています。

直結式2石レフ回路図(子供の科学1974年4月号より許可を得てトレス)

●参考:5月号の回路図 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載

実は「その1」でご紹介した「#4 感度がよい2石レフレックス・ラジオ」も同じ回路です。
部品が少ないのですが、100kΩ平型スイッチ付きというボリウムを入手しにくいので、そっくりそのまま作るのが難しくなっています。4月号のほうは部品は多いのですが、現在唯一秋葉原で手に入る5kΩ平型スイッチ付きのボリウムが素直に使われているので、ほぼ同一のものを製作することも可能です(2008年6月現在)。

2石レフ裏側

さて、今回限りで登場しなくなった、4月号の回路で製作しました。

バーアンテナはPB−450の代わりにBA−200を使いました。今のPB−450は丸棒型のコアのため、長さも太さもスペースをオーバーしてしまいます。
このラジオも、アンテナコイルの絶対位置がこの場所でないと十分な音量が得られません(あとで調べると、どうもチョークコイルの位置関係に秘密があるようです)。
分離がよく混信しませんし、聞きやすい音のラジオができました。

しかし、最大感度に調整しても、直結式の2石レフレックス・ラジオに比べると、感度は少し落ちるように思います。バーアンテナなどいくつかの部品を変えて、条件を近づけて実験しましたが、感度は追いつきませんでした。

2石レフレックスラジオ用プリント基板(子供の科学1974年4月号より許可を得て掲載)

●プリント基板パターン 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載
拡大図に部品の配置方法を記載しました。

●おもな部品(他に各種2mmビス・ナット・2mmはとめ・配線用ビニール線等)

  • トランジスタ…2SC372-Y、2SC735
  • 単連ポリバリコン+つまみ
  • バーアンテナ…PB-450
  • トランスー…ST-81かST-32
  • ダイオード…1N60、SD34など×2
  • コンデンサ セラミック… 50V 100pF、同0.01μF×3
        電解…6.3V 47μF、10V 3.3μF、同10μF、同33F
  • 高周波チョーク・コイル…4mH
  • 抵抗器…1/8P 100Ω、3.9kΩ、4.7kΩ、20kΩ、470kΩ
        (※調整用 100kΩ、68kΩ、47kΩ)
  • S付きボリウム…平型5kΩ(A)+つまみ
  • スピーカー…5cm 8Ω
  • ケース…名刺入れなど ※深さ35mm程度の厚口用でないとできません。
  • イヤホン・ジャック
  • 電池…9V(006P)+スナップ

※異常発振したときは、基板のヨビ穴に調整用抵抗の100kΩをつなぎます。だめなら68kΩ、47kΩと順に下げます。

2石レフ基板

プリント基板は、名刺ケースに組み立てるいつものサイズ(幅55mm、長さ48mmくらい)です。広いアース面が少なく、基板用テープで難なくパターンを作れます。
ただ、現在ではバリコンの端子の位置や電解コンデンサの足のピッチなどが違うことがあるので、穴の位置を調整しないとぴったり部品を差し込めません。上のパターン図は、バリコンのE端子は最近のものに合わせて中央に寄せてありますが、電解コンデンサなどの足の間隔は大きいままなので、細い部品を使うときは適当に穴の位置を調整するか、足のほうを曲げてください。

この手のラジオは、基板作成時間:ケース加工時間:配線時間=5:4:1くらいでしょうか?小中学生向けの工作としては、実装工程が本格的です。

◆気づいたこと◆

  • 2個のダイオードの逆方向の抵抗を調べ、大きいほう(良いもの)をD1に使うようにと書かれています。なるほど…。
  • いくつものラジオ工作で、スピーカーの穴を大量に開けた安物のハンド・ドリルがとうとうバラバラに!

#20 感度がよい3石ラジオ(記事名:感度がよい3石ラジオの作りかた)

掲載:子供の科学 1974年3月号(奥澤 清吉氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2005年8月成功3石にしては感度悪し?
3石ラジオ

これは3石式ですが、記事の中では、スピーカーを鳴らすラジオで一番簡単な2石式の改良として紹介されています。

【一番簡単な2石式】
同調→検波→増幅(Tr1)→トランス→増幅(Tr2)→トランス→スピーカー

ここから、中間のトランスをやめてトランジスタに置き換え(「これで感度が少し良くなります」とあります)、さらにトランジスタ検波にしています。

【この3石式ラジオ】
同調→検波・増幅(Tr1)→Tr2→増幅(Tr3)→トランス→スピーカー

バーアンテナのタップの変更

もうひとつ、バーアンテナのタップを変更する工作もあります。
バーアンテナに最初からついているタップを使うと、図の左のようになりますが、このラジオはもっと上からタップを出しなおし、高い信号電圧をかけるようになっています。

ただし、細い線を針先で引っ張り出してタップを出すため、記事がターゲットとしている小・中学生には難しいと思われます。大人でも緊張します。

3石ラジオ裏側

そのバーアンテナは、国際ラジオから買ったジャンク?(その割にはきれい)で型番不明です。コアが55mmと長く、コイルは1個だけです。端から1/3くらいのところからタップを出しました(後述)。

感度については、2石改良型ということで、2石レフや3石高一にくらべると少し落ちます。このラジオのよいところは、発振を起こす心配がなく、配線間違いがなければすぐ鳴ることです。プリント基板も、複雑な図形がなく比較的簡単に作れます。
もっとも、これぐらいものなら、ただのベーク板に部品を差し込んで、部品のリード線同士で配線してもよいかもしれません。

感度のよい3石ラジオ回路図(子供の科学1974年3月号より許可を得て掲載)

●回路図 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載

●おもな部品

  • トランジスタ 2SC372-Y ×2、2SC735-Y ×1
  • バーアンテナ SL-55GT、またはPB-450など
  • ポリバリコン+つまみ
  • トランス サンスイST-32
  • セラミック・コンデンサ 50V 0.003μF ×1
  • 電解コンデンサ 6.3V 47μF ×2、10V 10μF ×2
  • 抵抗器 1/8P 100Ω、470Ω、2kΩ、3kΩ、15kΩ、100kΩ 各1
  • S付きボリウム 5kΩ平型+つまみ ×1 ※2010年10月現在、東京ラジオデパート3F「シオヤ無線」にあり
  • スピーカー 5.7cmか5cm 8Ω
  • 乾電池(006P)、スナップ端子(横型)
  • ケース 厚口名刺入れなど(深さ30mm)
  • 2mmはとめ 2個 ※なくてもできます。
  • 2×10mmビス×5、2×5mmビス×2、2mmナット×17、スピーカー取り付け金具など
感度のよい3石ラジオ配線図(子供の科学1974年3月号より許可を得て作図)

●プリント基板パターン
拡大図に部品配置と配線例をお示ししました。なお、プリント基板には1箇所、使わなかった部品穴があります(未使用と表記)。ここにはランドを作ったり穴を開けたりする必要はないと思います。

●バーアンテナのタップの出し方
このバーアンテナにはもともとタップ(SL-55GTはリード5、PB-450は赤)が出ていますが、感度を良くするために別なタップを出します。

  1. コイルをコアから抜き取ります。
  2. コイルの一番端(SL-55GTはリード1側、PB-450は緑側)から、全体の巻き数の1/3くらいのところに細いキリなどを入れ、線を1本持ち上げます。
    線がきっちり巻かれているので、ほかの線を傷めぬように持ち上げるのがとても難しいです。
  3. 持ち上げた線をニッパーで切り、両方を半巻きほどいて2本をまとめ、先端をしっかり加熱しながらハンダをのせます。

バーアンテナからタップを出すのが難しいときは、SL-55GTやPB-450のタップをそのまま使います。このときはTr1の100kΩを10kΩに変更します。

◆気づいたこと◆

  • 前回の2石レフでバラバラになったハンド・ドリルを買い換えました。これでまたスピーカーの穴を開け放題です(笑)。

#21 やさしい3石ラジオ(記事名:やさしい3石ラジオの作りかた)

掲載:子供の科学 1974年7月号(奥澤 清吉氏)
 製作時期結果失敗原因(推定)
初回2005年8月失敗…?こういう性能なのか、感度非常に悪いです

やさしい3石ラジオ これも3石式ですが、前の3石ラジオと違い、「感度がよい〜」ではなく「やさしい〜」となっています。
Tr1にはいつもの2SC372ではなく、FETの2SK30Aが使われています。「FETはふつうのトランジスタより少し増幅度(感度)が低いのですが、同調コイルL1からつなぐことができるので、全体では低くなりません」《「子供の科学」1974年4月号 P109より引用》と記事にあります。
外部のアンテナ線がオプション扱いではなく、回路図に標準で描かれているあたり、感度に不安を感じさせました。
やさしい3石ラジオ基板

今回は記事と同じトランジスタが揃いました。FETは2SK30A-GRです。記事のとおりにプリント基板を作り、配線を済ませたのですが、久しぶりに「な…鳴らない!」。回路図とプリント配線を照らし合わせて調べたところ、記事のパターンに誤りがありました。GNDが途中で分断していて、同調〜検波〜Tr1が孤立しています。
写真の2箇所の赤い矢印の間が、本来はつながっていなくてはなりません。余ったリード線をハンダ付けし、鳴るようになりました。

やさしい3石ラジオ裏側

さて、鳴るには鳴ったのですが、2石レフがガンガン鳴っている同じ場所でも、この3石ラジオは蚊の泣くような音量しか出ませんでした。
どうやらこのラジオはバーアンテナだけでは感度が不十分で、外部のアンテナ線が必須のようです。記事でも、すべての図・写真にアンテナ線が接続されていました。
アンテナ線を付ければ一応スピーカーは鳴りますが、電波の強いところでも局によっては怪しい感じで、しかも混信もするので実用にはなりませんでした。

やさしい3石ラジオ回路図(子供の科学1974年7月号より許可を得て掲載)

●回路図 「子供の科学」編集部の許可を得てトレス掲載

●おもな部品

  • トランジスタ 2SK30A-GR、2SC372-Y、2SC735-Y 各1
  • バーアンテナ PB-450、SL-55GTなど
  • ポリバリコン+つまみ
  • ダイオード 1N60、SD34など ×1
  • トランス サンスイST-81 またはST-32
  • セラミック・コンデンサ 50V 500pF、0.005μF 各1
  • マイラーコンデンサ 50V 0.01μF ×1
  • 電解コンデンサ 6.3V 100μF ×1、10V 10μF ×2、10V 33μF ×1
  • 抵抗器 1/8P 100Ω、470Ω、2kΩ、3kΩ、10kΩ、20kΩ、200kΩ、470kΩ 各1
  • S付きボリウム 5kΩ平型+つまみ ×1
  • スピーカー 5cm 8Ω
  • イヤホン・ジャック ※この作例では省略しました
  • 乾電池(006P)、スナップ端子(横型)
  • ケース 厚口名刺入れなど(深さ30mm)
  • 2mmはとめ 2個 ※なくてもできます。
  • 2×10mmビス×5、2×5mmビス×2、2mmナット×17、スピーカー取り付け金具など
  • ビニール線 1m少々(アンテナ線)
  • パイロットを付けるとき…LED TLR105(103)と1/8Pの2kΩ

●注意
回路図の※の抵抗器と電解コンデンサは、使用するトランジスタによって次のものをそろえます。

  • 2SK30A-GRのとき 抵抗器…1/8P 1kΩ 電解コンデンサ…6.3V 47μF
  • 2SK30A-Yのとき 抵抗器…1/8P 470Ω 電解コンデンサ…6.3V 47μF
  • 2SK30A-OまたはRのとき 抵抗器…なし(電線で接続) 電解コンデンサ…なし
やさしい3石ラジオ配線図(子供の科学1974年7月号より許可を得て作図)

●プリント基板パターン
拡大図に部品配置と配線例をお示ししました。抜けていたパターンは直してあります。

拡大図の配線例は2SK30A-GRまたは2SK30A-Yを使った場合なので、※印の抵抗器と電解コンデンサ47μFが差し込んであります。2SK30A-OまたはRを使った場合は、※の抵抗器の代わりに電線で接続し、47μFはつながずに空けておきます。

パイロット・ランプとしてLEDを付けるときは、トランスの横に2kΩの抵抗器をつなぎ、LEDの足をゆるやかに曲げて基板にハンダ付けします。LEDを付けないときは、2kΩの抵抗器は不要なので空けておきます。

バーアンテナの配線の色分けはPB-450の場合です。SL-55GTの場合は、PB-450の緑に相当するのがリード1(一番端の無色)、PB-450の黒に相当するのがリード2(黒)です。その他のリード線は使いません。

私の作例では、3石使っている割には感度が非常に悪く、単純な2石ストレートよりも悪いぐらいでした。たとえば2石レフに比べると感覚的に1/5以下の音量という感じです。 これが私の作り方が悪いのか、回路的にこんなものなのかが、情けないことに私の実力では判断できません。もしテスト製作された方がいらっしゃいましたら、結果をお知らせいただけますと大変嬉しく思います。

◆気づいたこと◆

  • 今になってみると、結構記事の図やプリント配線パターンにも誤りがあったのですね。子供ならプリント配線のパターンは無条件に信じそうですし、間違っているとは気付かずに失敗した人も多かったのではと思います。
  • これで大体、スピーカーの鳴る2〜3石ラジオの主な回路は試したことになりますが、2〜3石なら2石レフか3石高1、3石レフあたりが一番実用的ということになるようです。その他の3石ラジオは、部品が多い割に性能は物足りなく思いました。

単三電池2本程度で動く市販ラジオと違い、雑誌の記事やキットのスピーカーラジオは、高価な9V電池のものが多かったので、子供にとっては電池代も大変でした。

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