Nゲージ蒸気機関車>蒸機の紹介>トミーの販売した蒸気機関車
2004.10.10
トミックスはわらぶき農家やターンテーブルなどを発売している割には、蒸気機関車に縁遠いように見えるメーカーです。
しかし、比較的古くから9mmゲージ鉄道模型を始めている方ならご存知のとおり、トミーも古くからバックマン製の蒸気機関車などを取り扱って、9mmゲージの普及に努めていました。
1982年にはそのチャレンジ精神がひとつの頂点に達し(?)、有名な「C57」を生み出しました。
この記事は2004年時点のものです。細部はその後の動向に応じて若干加筆していますが、基本的にはまだ新シリーズのC57が出る前の内容を維持しています。
トミックスの現行製品についてはこちらをどうぞ。→トミックスのNゲージ蒸気機関車
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バックマンの4-8-4を、そのまま「トミーナインスケール」の名で販売していました。
何しろ全長が長いので、エンジンとテンダーの2個のプラケースに分かれていました。
無茶な比べ方ですが、手前はワールド工芸のB20です。
初期の9mmゲージは、車両やストラクチャーもまだまだ外国製が多かったので、こういう製品が店頭にあっても別段おかしくありませんでした(売れるかどうかは別です)。
現在のバックマン製品と一見同じですが、この頃はバルブギヤがすべてプラ製でした。
おなじみのドックサイダー(Docksider)です。バックマン製品をトミーナインスケールの名称で発売したものですが、トータルセットと単品があり、単品はかなり長期間販売されていました。 トミー発売の蒸気機関車では、今のところ最長寿かもしれません。
トータルセットは機関車、貨車4両、トラック一式とパワーパック等がついて6千円台という手ごろな値段で、機関車単体でも2千円台でした。
→ドックサイダー蒸気機関車セット(別窓)
なお、トミーのカタログの一部では「ドッグサイダー」と、なまって書かれていましたが、後に「Bタイプ小型蒸気機関車」という商品名に変わりました。
初期のものは、バルブギヤがフルワーキングで、灰色のプラ製でしたが、あとで黒いプラ製となり、コンビネーションレバー等が省略されました。
最終のバックマン製品では、省略がさらに進み、材質も金属となっています。
トミーが扱っていた頃の後期 | トミーが扱っていた頃の後期 |
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後期の製品(バックマン) | 後期の製品(バックマン) |
一見入門向きですが、あまりにも国鉄ばなれしたスタイルなので、同時ラインナップされていた国鉄型貨車とはなじまず、客車の先頭に立つこともできませんでした。
走りのほうは、タイヤの厚いB型なので左右揺動が激しく、モーターのコミュテーターにゴミやススが詰まって不調になるなど、不安定になりやすいものでした。また、バルブギヤの左右張り出しが大きくて、プラットホームなどに引っかかることもありました。
写真はすべてB&Oの98ですが、他のタイプもあります。
ほか、この下廻りを流用した0-4-0テンダーのセットもありましたが、比較的早期にトミーの扱いから外れてしまいました。トミーからは単品売りもされなかったように思いますが、何しろ昔のことなので記憶がはっきりしません。
屋根の塗料がパリパリはがれてきてしまいました。 0-4-0ドックサイダーにもそうなってしまったものがあります。 |
30年以上前の製品ですが、石炭の上にスコップが乗っていたり、芸の細かい表現です。
なお当時の説明書は、まだ用語なども確立しておらず、時代を感じさせます。「汽車」という表現がいいですね。
---トミーNスケール 説明書より引用(1971年製)※誤字原文ママ---
『正しい管理と油さし
(中略)車輪の軸とベアリングに油をさす場合は、つまようじで一適をさしてください。
(中略)コイルとブラシの間にあるゴミや、接触ベロと車輪との間にあるゴミは取り除いてください。』
『線路の維持
(中略)汽車を走らせる前に、線路の土台を止めてある釘がしっかりしているか確かめてください。
もしゆるんでいると、汽車のモーターの中に入ってしまうことがあります。』
---引用終わり---
(2013年付記) その後、塗装を修理しました。→これの輝いていた時期
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