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雨宮タイプBタンクの組み立て(2)

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上廻り

ボイラーは床板に固定します。キャブとタンクはボイラーとは別体になっています。

ボイラーのタップ立て

ボイラーは床板にネジ留めするため、裏側の穴に少し1.4mmタップを立てます。使うネジの長さが1.5mmなので、少しで大丈夫です。

ボイラーの取り付け ボイラーを2本のネジで床板の下側から留めました。ドーム・煙突はエポキシで接着しましたが、煙室扉はあとで傾きが気になってくることがあるので、ゴム系で接着しました。
煙突もあとで傾きが気になることがありますが、ホワイトメタルなので根本からぐいっと曲げてしまえばよいかと(おいおい)。
車体エッチング板

車体(キャブ+タンク)は1枚のエッチング板で、別パーツは前後妻板関連と手すりです。

自分の組み立て方で一番よい順に折り曲げますが、それが自分でもよくわからないもので(笑)、とりあえず番号順に曲げてみました。1の曲げは最初は少し起こす程度にしました(意図は、表板の張り重ねでハンダが流れすぎたときの予防)。

表板の折り重ね

表板を折り返して内側の穴からハンダ付けしました。

キャブ屋根折り曲げ中

キャブ屋根も何となく曲げてみました。次にタンク上部を内側に直角に曲げます。どう見ても、目に付いたところから適当に曲げているだけのようです。

タンクふたの固定

タンクのふたを折り重ねてハンダ付けしました。外側のブリッジを切り離すと美しいのでしょうが、面倒なのでそのままにしました。

妻板の固定

残りの折り線を曲げて全体を箱にし、前部妻板を固定しました。妻板の上部の突起は、あとで屋根にはまり込むので削らずにおきます。

手すりと後部妻板の固定

ここで側面の手すりをハンダ付けしてから、後部妻板を曲げて固定しました。手すりを先にしたほうがコテを当てやすいだろうと思ったのですが、大差ないかもしれません。

屋根と後部タンクの固定

後部タンクの背板を固定しました。炭庫のカバーも付属していますが、「お好みで省略可」とありましたので、お言葉に甘えて省略しました(笑)。

私にとって一番気が重いのが屋根の丸めで、どうしてもフチのほうが同じRで丸まってくれません。大きめの消しゴムの上に板を置いて、丸棒を転がしながら押し付けましたが、やはりフチのほうが若干浅い感じになってしまいました。 そこでグイッとやって折り目がついてしまうというのがいつものパターンなので、そこは思いとどまりました。

取り付け座の固定

最後に、底部に上下の取り付け座を固定し、1.4mmタップ後に中央の仮ブリッジを切り取りました。

生地完成

これで塗装前の工作は全部終わりです。

塗装

塗装はマッハのメタル用シールプライマーと、ガイアカラーのフラットブラックで行いました。小さいのですぐ終わりました。
スライドバーの部分は、あとで塗装を剥がしました。

最終組み込み

通電部の塗装をはがす

モーター取り付け部のネジ穴は、もう一度1.4mmタップを立てて塗装を剥がしておきました。

モーター取り付け

写真を撮っていませんが、モーター軸にウォームギヤを圧入しています。結構きつく、少しヤスリで穴を広げました。
ウォームの先端が、モーター軸の先端から1mm弱飛び出すくらいにしました。

モーターはモーター台にネジ留めして配線し、床板に固定します。動力フレームを合わせてみて、モーターの傾きやギヤの噛み合わせの深さを若干調整しました。
噛み合わせが深すぎると音が大きく、動きが固くなりますが、この模型はギヤの歯が細かいため、浅すぎるとギヤを舐めてしまうので気をつけます。ただし無理にやらない限り、そうはならないと思います。

仮組み

軽く通電テストしてから、上下を合体しました。

試走

何もしなくてもそのまま走りましたが、初めは若干噛み合わせが固いように感じたので、モーター位置や動力フレームの前後位置を微調整しました。

走行が非常に安定していて、ブレがありません。これはうまくいきました。動く模型のキットがうまくできない場合は、ロッドを付ける前のこの段階ですでにダメなのです。 もっとも、前後がロッド連動のみの場合は、サイドロッドを付けないと空転して走らなかったりしますが。

ロッドピン

ロッドピンを両面テープで固定し、黒のプラパイプを差し込んで接着します。公式ブログを参考に同じように作りました。
標準ロッドタイプのほうは、ロッドピンが長短2種あります。長のほうはワッシャーを挟むことになっていますが、この写真の撮影時点では忘れています…。あとで、接着したピンをもぎ取ってワッシャーを入れ直しました。接着が不完全だったのでなぜか助かりました。

簡易ロッドタイプのほうは、短が2本あるだけです。

輪心接着

輪心は目分量で方向を揃え、ゴム系接着剤で接着しました。右側は90度先行させます。
ロッドピンも傾かないように接着します。

サイドロッド固定

標準ロッドタイプの場合、サイドロッドをロッドピンに上方から引っ掛けるようにはめ込みます。 連動はギヤによっているので、このサイドロッドはゆるくぶら下がっているだけです。

スライドバーの後部には凹形の逃げがあり、回転につれてロッドが引っかかるのを防ぐようになっています。私の作例では最初、この位置が合わなくてロッドがぶつかってしまいました。左右に台枠を広げてスライドバーを外側に押し出すようにしたり、動力フレームの取り付け位置を調整したりして改善しました。
とにかく、試運転でどこかが引っかかったら、直ちに通電を止めて調べることです。

クロスヘッド組み立て

標準ロッドタイプの場合、クロスヘッドにピストン棒とメインロッドを重ねて、ロッドピンを固定します。
ロッドピンの先端をメインロッドにハンダ付けしますが、他の箇所にハンダがまわらないよう、間に紙を挟んでいます。

出っ張ったピンの足は、第1動輪ピンに干渉することがあったので、あとで切り取って平らにヤスっておきました。

メインロッド取り付け

クロスヘッドをスライドバーに引っ掛けて、メインロッドをロッドピンに引っ掛けます。
なおカプラーは別途用意し(No.2001のショートシャンク)、動力フレームの取り付けの際に共締めします。ここだけ1.4×5mmネジを使います。他は1.4×1.5mmネジです。

…私はどこで余分に使ってしまったのか、1.4×1.5mmネジが1本足りませんでした(キットには9本付属していましたが、10本使いました)。ボイラーと床板の固定に2本使ったのですが、1本で済ますものなのかもしれません。

完成

全体的には簡単なキットだったと思います。部品が少ないので組み立て時間も短く、早く遊ぶことができました。
ただ私の場合、写真を撮りながらなんだかんだで塗装も含め7〜8時間かかりました。達人なら別かもしれませんが、日曜日の午後に軽い気持ちで、というわけにはいきません。ちゃんとした金属キットです。

前方から 後方から

走りは安定していて、プラ貨車を数両牽かせて普通に走れます。
ホイールベースが短いので、私のレイアウトにあるKATOの固定式ポイントのフログ部分(無電区間)がぎりぎりですが、巡航速度なら通過できます(たまにダメ)。

写真で見ると大きく見えるかもしれませんが、実際にはとても小さいです。B型の仲間と比べますと次のような感じです。

B20と ワールド工芸のB20と。
チビロコと チビロコと。無動力のチビロコより小さいです。

南薩鉄道5号機と

私は金属キットが初めてではないので、初めての方が組み立てたときにどういう難しさに直面するのかははっきりわかりませんが、現状の蒸機キットの中ではかなりチャレンジしやすい部類に入ると思います。 簡単とはいっても基本的な金属キット組み立ての要素は一通り入っているので、がんばって完成した暁には、ワールド工芸などのもっと大掛かりなキットの組み立てにも役に立つと思います。


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