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Bトレ用モーターを使う-KATO編

モーターの交換前後

2008.2.2

前回はマイクロエースのD51に取り付けましたが、KATOのD51にも取り付けてみましたので結果をご紹介します。私はもう同じモーターを入手できなかったので、少し長いものを使いました。直径は同じなので、Bトレ用を使う場合もやり方はそんなに変わらないと思います。

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KATOのD51への施工

取り付け方を試すのが目的だったので、同じ定格のものがなくてもいいやということで(Bトレ用モーターの定格はわかりません)、電子パーツ店に行っていくつか探してきました。今はロボットを作るのが流行っているので、メカトロニクス専門コーナーや専門店にも色々モーターがありますが、必ずしも鉄道模型を狙っているものではありません。壁一面に何十種類ものモーターがぶら下がって売られている姿は壮観です。

小型モーター

一度にせいぜい10分程度しか走行させないので、使用電圧は6Vあればよしとしました。ただ、私が探した店では、小型モーターでそれを上回るものはありませんでした。

ここではS.T.L.JAPANのHS-D1Sを使いました。直径はBトレ用と同じですが、長さは4mmほど長い15mmです。このサイトで時々使っているマシマ・モーターMHK-1015S-10や、KATOの9600のモーターと同じ長さです。使用電圧は6V、最大トルク7.6gcm、標準寿命は1,000時間となっています。12Vかけても回りますが寿命など短くなるでしょう(作った結果、6Vを超えて電圧をかける必要はまったくありませんでした)。オープン価格ですが、840円で売られていました。

なお、ワールド工芸のC62などに入っている小型モーターもBトレ用モーターと同じ直径ですが、長さは1mmくらい長くなっています。

加工前後の動力

マイクロエースでは扁平なモーターを立てて置きましたが、KATOの場合、それではシャフトが高すぎてウォームがかみ合わなくなるので、平らに置きます。

モーター端子を支えているダイキャストの柱を、ダイキャスト上面とツライチに金ノコで切り取り、その前のプラ製のウエイト止めも上部を削って平らにします。さらに上面をやや削って、ウォームがうまくかみ合うようにします。

モーター後部にはプラ板を2枚重ねにしてスペーサーを作り、R側のブロックに接着して固定します。両方にまたがるように固定してしまうと分離できなくなります。

最初、ウォームの噛み合わせが浅かったので、若干モーターを前傾させて調整しました。

モーターの外装は金属なので、これが左右のダイキャストブロックに一緒に接触するとショートします。テープなどを貼って絶縁します。

ウォームギヤの取り外し

ウォームギヤは元のモーターから外して利用します。写真のようにすれば外れましたが、少しずつやらないとシャフトを曲げてしまいます。
その後、ピニオン抜き工具を買いました。

元のモーターのシャフト径は1.5mmです。Bトレ用モーターや、ここで使う代用モーターは1.0mmですから、何とか工夫して太くしなければウォームが取り付けられません。エコーモデルの内径1.0mm、外径1.5mmの精密パイプが使えそうです。とりあえず手近にあった絶縁チューブをはめ込んで、ぎゅっと差し込むだけにしました。

モーターの配線1

モーターの2つの端子を、左右のダイキャストブロックにそれぞれ配線しますが、ダイキャストブロックはハンダがききませんので何か工夫がいります。

ここではピンバイスを使って左右に0.5mmドリルで穴をあけ、そこに0.5mm真鍮線をしっかり差し込んで接点としました。モーター端子にはその真鍮線を直接ハンダ付けするのではなく、ビニール線を介してハンダ付けしました。

ほかのモーターを使うときも、線路の右側がプラスのときに前進するよう、回転方向を確かめてから配線します。

モーターの配線2

反対側は、L側とR側のダイキャストブロックが隣り合っているので、L側に取り付けた配線用の真鍮線がR側に触れてショートしないように、絶縁チューブやテープなどで絶縁します。

たまたまこう作ったというだけで、特にベストの配線方法ではありません。

各種押さえ具

ここまでで、モーターはゴム系接着剤と両面テープで貼り付けられているだけなので、ボイラー上部の内面にプラ製のスペーサを付け、ボディーをパチンとはめたときに上からモーターをきちんと押さえるようにします。もっときちんと取り付けたい方は、モーターの底面側にもスペーサーなどを作ってしっかり固定するのがよいと思います。

また、後方のウエイト押さえを削り取ってしまったため、そのままウエイトを置くと、後部が下がってダイキャストブロックに接触し、ショートします。途中(ギヤの間にくるあたり)に、適当な厚さのプラ板を貼って、ウエイトが直接ダイキャストに触れないようにして絶縁します。

そのほか、モーターが元の位置よりも前進しているので、ウエイトの後部も金ノコで切り取ります。

完成

加工後

Bトレ用モーターより少し長いといっても、ほとんどボイラー内に入り込んでしまうので、バックプレートなどを作ることもできると思います。後部左右の背板や座席を取り付けたりという加工もできそうです。

ここではドローバーも2mm切り詰めて、機炭間隔も狭くしてあります。

加工後

パワーパックの出力が低いうちから動き出しますから、昔のレオスタット式のパワーパックですと低速が効かないかもしれません。KM-1+KC-1ではもちろん問題ありませんし、パワーパック・スタンダードでもつまみの目盛が0.8くらいでゆっくりと動き出しますので、別に不便はありません。ただし、いずれもそれほどつまみを上げないうちにスケールスピードを超えるので、常用速度の調整範囲は少し狭いと思います。

15分連続で、スケールスピードの3割増しくらいの速度で走らせてみたところ、モーターがほんのり温かくなりますが(室温20度)、特に異常というものではありませんでした。
4%勾配で、44系「つばめ」13両を牽かせたところ、空転せずに上りはしますが、少々トルク不足は感じます。それでもパワーパック・スタンダード(旧)の目盛にして、平地1〜勾配1.6くらいの速度調整で何とかなります。この状態でも15分走らせましたが、特に熱くはなりません。

大人が使うのであれば大丈夫ではないでしょうか。なるべく長持ちしてほしいです。

関連リンク:9600のモーターを引っ込める


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