Nゲージ蒸気機関車蒸機の工作>C12の組み立て(やえもんデザイン)

やえもんデザイン C12の組み立て その3

1 2 [3]


金属のキャブをベース車両と結合し、機関車の形にまとめていきます。
コンバージョンキットは、この過程で考えなくてはいけないことが結構たくさんあります。

だらだら続けます

ランボードの加工

C56のランボードは、サイドタンクに当たる部分を切り抜きました。
写真では赤い部分を切り抜いていますが、あとで後ろのほうも切り取りました。タンク下に配管などを取り付けると、邪魔になったためです。

動力部の加工

動力ユニットのダイカストブロックも削りました。道具で荒くかじり取ったところです。
初めはA部のみ削ればよいように思いましたが、キャブ下のディテール追加を進めていくうちにB部も当たることがわかり、こちらも削りました。ちなみに説明書には削る箇所の記載があります。
タンク下に何も付けないときは、削る必要はないかもしれません。

あとで付ける連通管がA部を左右から挟み込むので、意外に左右には傾くことがなく安定します。ただし絶縁対策が要ります。

後部のブレーキ装置などはC56のままで、何も加工していません。よって真横から見るとちょっと違いがあります。

空気溜めの取り付け

パーツセットに入っている空気溜めを付けました。
本体の説明書によると、床の組み立ての際に取り付けておくことになっています。従輪と接触しないかどうか走行テストしながら固定したかったので、この段階で付けました。私のレイアウトでは削らなくてもぎりぎり大丈夫でした。

配管

左右の連通管はハッキリ表現したかったので、0.8mm真鍮線で作りました。紙のC12のときは泣く泣く省略したのでリベンジ(笑)。前端は高さの位置決めがしやすいよう、サイドタンク内を貫通させて天井に突き当てました。後端は従輪の手前で止めています。あまり内側に寄せると動力ユニットにかぶせられなくなります。

サイドタンク下の配管は、もともと底板にある穴に支柱の真鍮線を立て(片面を平らにヤスっておく)、そこに1本ずつ重ねてハンダ付けしました。非公式側の配管は内側に3本つづら折りになるのが普通ですが、2本にまとめました。
私は使いませんでしたが、配管に利用できそうな2連・3連の配管サポートもいくつか付属しています。

しかし…裏側とはいえ汚いハンダ付けです。表側と違って油断してしまいます。

公式側

参考までに、ここまでの公式側です。

速度検出器はもとのプラパーツを利用する予定でしたが、連通管と位置が重なったため、外側に真鍮線や廃材を適当にハンダ付けして作りました。本当にテキトーだこりゃ。

非公式側

非公式側です。
写真は残酷で、気付かなかった歪みや曲がりを突きつけてきます。かんべんしてよ、もう手遅れだヨ…。

金属部生地完成

ベース車両にかぶせたところ

分配弁や後部のエアホースを付け足し、金属部は一応終了ということにしました。ベース車両の加工はこれからです。

使ったC56が後方にのけぞっていたため、そのままでは組み合わせの調整がしにくいです。先台車のバネを取り、第一動輪の集電バネも殺して水平に近くしておきました。

上廻りをかぶせただけでは前後に傾きやすくて安定しないので、サイドタンク内に柱を立て、内側に残してあるランボードに載せて3点支持にします。

集電車輪が大幅に減っているのと(Bタンク並み)、過重のバランスが変わっているので、集電性能はどうしてもC56より落ちるようです。エンドレスの走行中は平気ですが、固定式ポイントの連続無電区間をスローで通過させると、息をついたりして苦しげです。いずれ何か工夫したいと思います。

金属部完成

これから塗装します。
塗装により、埋まってほしくない細部のディテールは埋まったりするくせに、埋まってほしい傷や隙間は容赦なく目立ってくるのが不思議です。

最終組み込み

塗装終了

ちょっと時間がなかったので、プライマーのみ水性ではなくラッカー系を使いました。短時間でしたが、久々に部屋をシンナー臭くしてしまいました。
上塗りは水性で行いました。

ツヤはベース車両の塗装に近づけるようにしました。ベース車両側は基本的に塗らず、パテ埋めした箇所と白線のみスポット的に塗りました。

姿勢の調整

サイドタンクの内側にプラ板で支えを立て、ここがランボードの残した部分に載るようにして前後に傾かないようにしました。金属で作って下側にネジ穴でも開ければ、ランボードにネジ留めできそうですが、安易に両面テープ留めにしてしまいました。終わりが見えてくると先を急ぐクセがあっていけません。

改造終了

…にしました。工作の腕の問題でご覧の通りですが、うまく生まれ変わりました。
ナンバーは特定していませんが、市販のものは種類が少ないので、トレインショップの余りを付けました。

C12 完成

前方上方から ベース車両のボディーの加工は、デフの切り取りと穴埋め、ライトの大型化、後方ハンドレールの撤去のみ行いました。
ライトはかぶせただけなので、外せば元のシールドビームに戻ります。点灯機構はそのまま利用しています。

後方上方から あっ、石炭を忘れている…。カプラーはMT-7です。

前方から

KATOからもいずれC12が出ると期待しますが、このキットは恐らく値段などを考えても、それまでのつなぎを狙った商品なのではないかと思います。
しかし、量産品が出たとしても十分一緒に使えそうです。

やえもんデザイン KATO+やえもんデザイン
トレインショップ トレインショップ

トレインショップと並べても違和感なく、とても小さく見えます。
ちなみにC12は先日のB6と全長がほとんど同じです。先輪がある分、前デッキ部分が長い程度です。

C12 完成

C12 完成

長い20m級の客車の前に小さな機関車、という対比がなかなか好きです。
低価格の板キットに結構色々な工作要素が詰まっています。単に人様が製造してくださったキットを組み立てただけなのに、不思議と「作った」という感じが味わえるキットでした。
(おわり)


[←前ページへ]

1 2 [3]

「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る