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C54 その3-メーカー別

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中村精密

同社のシリーズの比較的早期に発売されたもので、先に発売されていたC51の下廻りが使われています。

MK4 C54 1981年 ナカセイ

MK4
C54

1981年 (拡大写真)

古い模型ですが、2010年以降も再生産の広告を見ることがありました。

ホワイトメタル鋳造のボイラーに、一部エッチングのディテールが加わったものです。素朴な印象ではありますが、動輪が大きく軽快な全体のフォルムは今見ても結構いいと思います。パッと見てC54らしさがすぐ感じられます。
駆動方式はテンダードライブで、やや重たい音を立てて走ります。

キングスホビー

2000年初めに発売されました。KATOのC55を利用したボディキットの最後のものです。

C54 2000年 キングスホビー

C54
2000年 (拡大写真)

限定品扱いで、キングスホビーからの直販のみでした。

C55への被せ物ではありますが、C54の感じがよく出ており、特に前面はよいです。もうちょっとキャブが低くてもよかったかもしれません。C55の動力によって確実に走るため、走行重視の方には重宝する模型だったと思います。
Nゲージの金属キットにしては珍しく、ライトは点灯式で(同社製品には他にも例があります)、そのための光ファイバーもキットに付属していました。
ボイラーは後部を2枚重ねとしており、その段差を自力で斜めに削いでテーパーを作るよう指示されていました。これが難しくてできません(笑)。

残念ながらキングスホビーは、2013年末に惜しまれつつ閉店となってしまいました。

マイクロエース

現在に至るまで、唯一のプラ量産品です。

A6701 C54 9 標準型 2002年 標準型

A6701
C54 9 標準型

2002年 (拡大写真)

「スーパーディテール」として発売されていました。

A6702 C54 3 回転式火の粉止め 2002年 回転式火の粉止め

A6702
C54 3 回転式火の粉止め

2002年 (拡大写真)

火の粉止めがついたほか、ランボードに白線が入っています。

動力の都合で背中が高いなど惜しいところも多いですが、キャブの屋根は押し下げられていて、何とか編成のバランスを維持しています。そのために単機では似なくなってしまったというのも難しいものです。その分パイピングなどの別パーツを増やして商品的な魅力を増しています。
まだ細かい印刷などは施されていない時期の製品ですが、この頃は建て付けや塗装の状態も良好で、走りもまた良好でした。
(同社の2000年代末期の蒸機製品は、この頃より少し走りが落ちたように感じます)

2017年には「A6703 C54 17・スノープロウ付」「A6704 C54 12・キャブヒサシ付」がそれぞれ\15,300+税という強気の価格で予告されましたが、発売されぬまま2024年に中止されました。

ワールド工芸

マイクロエース製品の発売から干支が一巡した2014年に発売されました。テンダードライブの強みもあり、素晴らしいプロポーションです。

C54 従台車原型仕様 2014年 C54 従台車原型仕様

C54 従台車原型仕様
2014年 (拡大写真)

初回は予約完売となり、店頭にはほとんど出なかったようですが、すぐに追加生産が発表されました。
C54の組み立て

なお2018年にもリニューアル再生産があり、動輪輪心がダイカストに変更されています。

C54 17号機 2016年 C54 17号機

C54 17号機
2016年 (拡大写真)

従台車原型仕様のバリエーションです。キャブ屋根の大型クレーンフック、大型ヘッドライト、デフ上部にステーのない姿となっています。

C55、C51、C53と設計ノウハウが積み重ねられてきたのか、C54らしさが大変よく出ており、美しいスタイルの模型です。
動力も2010年以降に採用された高精度ギヤ仕様のため、組み立ても比較的簡単で静かな走りです。
蒸気機関車のキットがお好きな方には、ぜひ組み立ててみていただきたいです。


実物の両数が少なく、現在の保存機を中心としたファンにはなじみが薄いこともあり、今後C54が新しいプラ量産品で発売されることはかなり難しく思えます。ただ金属製品も含めますと、ご覧のように魅力的なものが揃っていますし、ワールド工芸製品によってスタイル的にも決定版といえるものが出てきたのは嬉しいことです。
新旧のデザインが混在した、C11とC53を二個イチにしたような独特なスタイルが魅力的な機関車です。


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