Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>C55流線型(新)の組み立て
流線型は下廻りが隠れるので、少し構造が簡略化されており、気分的には楽です。
主台枠などの素材はステンレスかと思いましたが、側板などに洋白が多用されているので洋白かもしれません。 先台車・従台車などは真鍮です。真鍮は柔らかいですが粘りがあっていいです。ステンレスだと曲げ方向を1回間違えただけでポキンと折れたりします。 |
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主台枠は左右を90度起こします。直角になっていることを時間をかけて確かめ、折り目の内側をハンダで補強しました。 最近のキットは台枠の側板に板を張り重ねるものがあって、組み立てに手間がかかりますが、これは曲げだけで済むのでその分楽です。 |
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シリンダーブロックに相当する部分は、谷折に直角に曲げて組み立てます。 説明書をよく見ると、ここでL3.5mmカラーをハンダ付けするように書かれています。ただ、忘れてもどうせネジでしっかり留めるので大丈夫です。 なお、このパーツの上面は水平をキープしておかないと、上廻りと合体したときに機関車が傾きます。 |
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モーションプレート台座は、開いているほうが前側になります。 |
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シリンダーブロックは前後の向きに注意して主台枠に差し込み(穴がたくさん開いているほうが後ろ)、傾いていないことを確認してから裏側をハンダ付けします。 上面は上廻りの取り付け台に密着するので、余分なピンを切り取って平らにしておきます。 |
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ここで荷重分配装置のサブフレーム(ウェイト台)を取り付けることにしました。 ウェイト台は、前端の支点を直角に折り曲げて主台枠の内側に入れ、それを付属の0.4mm真鍮線で刺し通します。 |
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この真鍮線をどうやって留めるのかは過去のキットでも明確な説明はないので、両端を曲げるだけにしたり、ハンダで留めたりと色々やっていました。 今回の説明書には、「フレームとの間に紙をはさむとハンダの回りを防げる」との記載があるので、どうも真鍮線の先を台枠に少量のハンダで固定するのが想定されているようです。 |
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ここでモーションプレート台座を取り付けました(前後の向きに注意)。 |
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主台枠の後部にはバックプレートを取り付けます。これは主台枠の後部を閉じる上蓋と、上廻りの取り付け座を兼ねています。 |
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組み立てたバックプレートを取り付けます。 |
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しかし、バックプレートの後部が主台枠より後ろに1mmほどはみ出し、そのままでは上廻りと合わないことがわかりました。 削り合わせて修正することになりますが、初めに読んだ「エヌ」の記事では特に言及されていません。 すると。 |
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「エヌ」の記事で使われている試作品と、ここで組み立てた製品版では、バックプレートの取り付け穴の位置が違うことがわかりました。 使ったものは、4つの取り付け穴が、試作品よりも少し前方に移動しているようです。 そのためバックプレート全体が後方にずれ、上廻りと合わないのと同時に、上下を留めるネジ穴の位置もずれてしまっています。 というわけで、はみ出すバックプレートの後方と、中央のネジ穴を削って合わせるか、主台枠の4つの留めピンを削り取って合わせるか、どちらかになります。 |
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主台枠の留めピンを削って正しい位置にハンダ付けすることにしました。 まず、後部端梁を取り付けて主台枠の左右間隔を確保し、それから上部の4つのピンを削り取って、バックプレートを台枠後端に合わせて取り付け直しました。 ここは上廻りに密着するので、上面は平らに修正しておきました。 |
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従台車バネは左右を下側に直角に折り返し、上部の平らな部分を上側に180度折り返して留めます。説明書の図では下側に山折りするようにも見えますが反対です。 次に両側の板バネ部分を裏側に折り返して重ね合わせ、最後に下側の取り付けピンを内側に90度曲げます。 |
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折り曲げたら主台枠後部の下側に取り付けます。 |
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今度は前方です。 スライドバーには上下があるので注意します。 |
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左右のスライドバーが平行・水平になるように注意して付けます。 |
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塗装前に、残りの板金ハンダ作業もすべて終えておきました。 動力ユニットのモーターボックスを組み立ててハンダ付けし、4つの車輪座と左右のフレーム板は所定の場所を直角に折り曲げ、補強ハンダをしておきました。
通常、車輪座の下部の折り返し(最後にホワイトメタルの台車枠をねじ込むところ)は曲げずにおき、車輪を圧入してから折り曲げるよう指示があります。
しかし、このキットの場合は手順の説明で始めから曲げられており、「エヌ」の記事でもそうなっていますので、一応そのように組み立ててみました。 |
生地完成の状態です。
写真を撮るのを忘れていましたが、先台車・従台車も組み立てておきます。
説明書の図では、先台車の前方に排障器の表現が描かれていますが、実際にはありませんので悩み無用です。
ルーペで全体をチェックして、ハンダの修正忘れ等があれば直しておきます。
しかし、なぜかダミーカプラーの接着剤がベロッとはみ出していることに気付かず(透明なのと、デッキがカーブしているので光の具合でわからなかった)、塗装してからそれを発見してがっかりしました。
結局、そこだけ部分修正することにしましたが、若干の痕跡は残ってしまっています。
塗装はいさみやのカラープライマー(黒)を塗り、次いでMr.カラーのセミグロスブラックにつや消しブラックを少々混ぜて塗りました。
なぜ全金属の車体にプラ用塗料を使っているのかよくわかりませんが。→入手しやすいのと、プラを塗ることも多いからということになります。
最近Mr.カラーのビンが変わって水性ホビーカラーと見分けにくくなりましたが、クリアーレッドが顔料系に変更されるなど、内容にも一部変更があります。 2011.6.10追記 やはり質が変わっていることを確信しております。旧製品のようにきれいに薄まらず、溶液中にツブツブが残る感じで、実際に塗装結果に影響が出ます。 |
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フチの塗料をはがして、下地の洋白を出して飾り帯を表現します。 私は磨き出しというより削り出しで、デザインナイフの先でツーッと表面を擦り取るようにしていきました。 場合によっては刃を垂直に立ててコリコリやったりします。あまり強く削ると板を少し削ってしまい、デコボコになります。 刃が内側に傾くと、刃先で余計な部分の塗装面に傷をつけてしまうので、気は抜けません。 |
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板の平面部に飾り帯がある部分は、刃がどちらに傾いても傷を付けるので、幅の細い彫刻刀を使いました。 |
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やはり銀を塗るのに比べれば簡単です。全部で20分もかかりませんでした。 金属がむき出しになった部分は透明プライマーでも塗っておきたいところでしたが、あとで変化が現れれば磨きなおして考えることにしました。 ここでは何もしていません。 |
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テールライトはボンド等で表現(エポキシ系接着剤を付けて固める)ということになっていますが、私は塗装後にエポキシを余計なところにくっつける失敗が多いので、別な方法にしました。 とりあえず、パーツケースの中に何だかわからないテールライトレンズがいくつかあったので、それを拾いました。 |
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レンズの先端の部分をデザインナイフでわずかにカットし、薄い透明シート(ここではOHPシート)にゴム系接着剤で付けました。 |
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それを穴の裏側からゴム系接着剤で貼り付けて完了です。 |
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安全弁は、付属の真鍮板パーツを裏側から貼り付けます。 |
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テンダーの開閉シリンダーのパーツは、ゴム系接着剤を使って裏側から接着しました。 なおこちらのテールライトのレンズは、黒のマジックで塗っただけです。マジック特有のテカリを利用しています。 |
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ナンバープレートは800番の耐水ペーパーで磨き出し、曇り止めにクレオスの透明メタルプライマーを筆塗りしました。 車体4箇所にゴム系接着剤で貼り付け、あとは適当にガラスの透明板などを接着すれば車体は完成です。 |