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C57 135(トミックス)

トミックス C57135

2009.9.29

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9600以来、Nゲージの蒸気機関車から遠ざかっていたトミックスの久々の新製品です。25年前のC57の再挑戦ということで注目されました。


おさらい

最近のファンの方にはあまり馴染みがないと思いますが、トミックスもずいぶん前から蒸気機関車を手がけています。自社企画の日本型蒸機は、まだトミーナインスケールの時代に遡ります。

過去の戦い

K.S.KタイプCタンク

K.S.KタイプCタンク(1976年)

1976年秋、待望のトミー初の日本型蒸機として発売されました。製造はバックマンで作りは素朴なものです。現在このクラスの模型がないため、リニューアルを熱望するファンもいます。

C57初代

C57(1982年)

トミックス初の本格的な国鉄型の蒸機です。当時のトミックス製品の青い紙箱にはすべてC57のシルエットがデザインされていましたから、この形式にはかなり思い入れがあったのかもしれません。
今見ると隅々まで個性的な作りやディテールの追求が新鮮で、作った方々の熱意を感じます。

9600

9600(1999年)

車種選定は間違っていなかったと思います。ただ当時のトミックスとしては予想外に作りがゆるく、そのいきさつは謎だらけです。

この後しばらく、トミックスのカタログから蒸気機関車のコーナーはなくなってしまいました。

4度目の正直

C57135

C57 135(2009年・新製品)
(拡大写真)

前作の9600から10年経ち、満を持して発売されました。2年前に鮮烈なデビューを果たしたKATOの新C62と同様、新世代の仕様になっています。今の蒸機ファンの心を捉えることができるのか、メーカーとしても不安と期待が半々かもしれません。


全体のバランス

模型は楽しく遊べるのがまずは一番ですが、寸法面もある程度注目されてしまうのはやむをえないことと思います。

蒸気機関車の模型のプロポーションは、動輪径のほか、ランボードの高さ、ボイラー上端の高さ、キャブ屋根の高さの微妙な関係にかなり左右されます。…これは私の意見です。トミックスのC57 135でこれらを実測すると、動輪を除けばいずれも1/150スケールで、違いがあったとしても0.1〜0.2mmに収まっているようです(あまり細々とは述べませんので、気になる方は実際に測ってみてください)。 トミックスのC57 135を基準として、同じ位置に線を引いてみました。

トミックス C57 135

トミックス C57 135(新製品)

シルエットとしては基本の1/150スケールによく収まっているようです。小型モーターの準備など、大変なご苦労があったことと思います。

なお、動輪など走り装置の寸法は、機構上実物と同じにはなりません。他も同様です。

トミックス 旧C57

トミックス 旧C57

当時としてはスケールに近く、屋根の高さも客車の屋根に近づけられていた模型です。ただ今から見るとプロポーション的にはまだ拙かったですね。

マイクロエース

マイクロエース

マイクロエースの135号機で、今年発売されたばかりです。長さはぴったり1/150、高さはアリイ時代のC57と同じです。形は割り切って走りを最優先にした模型です。

ワールド工芸

ワールド工芸

ワールド工芸の初期シリーズです。側面のバランスはほぼトミックスと同じですが、動輪はトミックスのほうが少し小さめです。トミックスの旧C57と同じくテンダードライブです。

天賞堂

天賞堂

エンジン部はトミックスより1.5mmほど長いです。ボイラーの高さもほんのわずかに高いですがキャブ屋根はほぼスケールです。動輪は最も大きい11.5mmとなっています。

以下は参考まで

KATO

KATO

135号機ではありませんが並べてみました。1/140スケールのため大きいです。赤枠がトミックスのC57 135の端梁間の外形(キャブ屋根まで)です。 D51・C11など、同じKATOの旧系列の蒸機同士で使ったほうが馴染みがよいです。

KATO C62

KATO C62(新)

2年前に大評判となった最新仕様の製品です。実物はC62のほうが大きいですが、KATO製品同士だと現時点ではC57のほうが大きくなっています。赤枠はトミックスのC57 135です。

KATO C62とトミックスC57のホイールベース

ホイールベース

C62とC57の実物は、先輪〜動輪までのホイールベースが同一です。KATOのC62とトミックスのC57 135も動輪のホイールベースは同一です。先輪の間隔もほぼ同じですが、KATOのほうが0.5mmほど広くなっています。

似てさえいれば寸法は概ね合っていればよいという人もいれば、寸法こそ厳密に守るべきという人もいます。ただ、似ている・似ていないは見る人の主観なので、それをメーカーが決めてデフォルメすることは、以前ほど受け入れられにくくなっているような気がします。 メーカーのほうも寸法さえ合わせておけば(そんな簡単なものではないと思いますが)、万一「自分の印象と違うんだけど」と言われても、「実はこれでぴったりの縮尺なんですよ」と、説明しやすいかもしれません。


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