Nゲージ蒸気機関車2009年のメモ>C57 135(トミックス)

C57 135(トミックス) その3

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何となくKATOのC62のトミックス版というような構造で、構造的に似ている箇所もあります。そちらと比べてみるのも面白いです(以下、単にC62と書きましたらKATOの新C62をさします)。


ボイラー上部

ボイラー上

C62と同様、ボイラーの正中線にはパーティングラインがありません。よーく見ると、ドームの下辺に沿う形でごく薄いラインが見えますが、ほとんどわかりません。

汽笛と逆止弁はこの写真では黄土色に見えますが、金色の別パーツが取り付け済みです。左右のハンドレールと放熱管、加減弁ロッドが別パーツで浮いていますが、他の配管はプラモールドです。現在の製品としては標準的な表現です。

塗装も最近の流行で、つや消しというよりは半光沢に近くなっています。塗膜は薄く、モールドの潰れもありません。

動輪

実物が同じサイズの動輪を持つ、C57とC62(KATO)を並べてみました。

トミックス C57

トミックス C57

第2・第3動輪が両方ともゴムタイヤという斬新な構造で、走りは非常にスムーズです。実感できる走りの滑らかさとしては、現在市販されているプラ製蒸機では最高の部類ではないかと思います。

動輪径は約11.0mm(輪心10.0mm)とされています。個人的にはもう一回り大きく挑戦して欲しかったところですが、それほど無理はせずフランジ高を確保したようです。

カウンターウエイトのあたりに、この製品ほぼ唯一のヒケがあります。他の部分が非常にカッチリできているので、気になる方は気になるかもしれません。しかし通常あり得るレベルです。

KATO C62

KATO C62 東海道形
プラ製品のNゲージとしてはかなり頑張って、巨大な1750mm動輪と輪心を表現しています。フランジもとても低く作られていますが、他と比べて脱線しやすいことはありません。

サイドロッドは実物どおり前後で2分割されていて、第2動輪が上下動するようになっています。ゴムタイヤ付きの第3動輪に粘着が集中する構造ですが、バランスが微妙で、下り坂で動きががたつくことがあります(後に北海道形で改良)。

動力ユニット

動輪押さえ

ゴムタイヤのついている第2・第3動輪がギヤ連動されています。当初、この2輪の回転のズレにより走行に影響が出る場面があるのではないかと心配しましたが、それはまったくないようです。とにかく、走行にぎこちなさは皆無です。

ロッド連動されている第1動輪だけが集電車輪となっており、残りはテンダーから集電されています。集電においても問題はまったく感じません。

動力ユニット

モーターは素直に火室の位置にあり、前方にフライホイールがダブルでついています。直径が大きくとれないので、2個にして慣性モーメントを大きくしています。 今までの日本型のプラ製蒸機では、フライホイールの効果はほとんど感じられませんが、この模型は急停止の際にちゃんと過走します。発進時なども他の模型と比べれば、滑らかさの違いはわかると思います。

モーターはこのサイトでも何度か使ったBトレモーターと断面が同じで、長さが少々長く、ちょうど以前にご紹介した840円モーターと同じサイズです(写真手前のもの)。手前左のものはBトレモーターです。

このモーターは交換用パーツリストの中に、品番0620として載っています。

今回のC57はC62を相当参考にしたらしく、まるで同じ人が作ったのではないかというような共通点が結構あります(C62自体が独創的な作りだったため、それが目立つ)。
一方でこのC57独自の工夫もたくさんあります。思い切った小型モーターの蒸機への採用、重量不足を補うダブルゴムタイヤ、それによる集電不足の可能性を打ち消すダブルフライホイールなど、よく考えられています。それぞれは従来もあった機構ですが、小さな車体にそれらを巧妙に組み合わせて、大幅な性能アップを図っています。

テンダー

トミックスのテンダー後方
トミックス テンダーのライトは後退時に点灯します(消灯は不可)。解放テコは別パーツで、テールライトにはレンズがはめ込まれていますが、そのせいでフチが目立ちます。左側の3段のステップは、もう少し立体感が欲しかった感じです。
マイクロエースのテンダー後方
マイクロエース 基本は一体モールド、ライトは非点灯ですが、各部の色差しや印刷のおかげで結構映えます。マイクロエースはナンバープレートが貧相なせいで、かなり見映え的に損をしているように思います。
後部カプラー
カプラーは付属のTNカプラーに交換できますが、C62のCSナックルカプラーも無加工で付けられます。写真では加工のうえトリップピンを付けています。
テンダー上部
テンダー上物もC62互換?で、ちょうど同じように石炭パーツのみを外せますから、以前にご紹介したような石炭を山盛りにするような工作も簡単です。

なお、CSナックルカプラーを取り付けると、あまり首を振りません。トリップピンを付けて自動解放型にするには、CSナックルカプラー後部の角を少し削ってやるのがよいと思います。
よりよく自動解放するには、工夫してマグネ・マティックカプラーを取り付けるのがよいと思います。MT−7などを使って、床板に接着して高さを合わせます。

マグネ・マティックカプラーの取り付け例

蒸機中心の方は、客車両端がTNカプラーになっていることは少ないので(言うまでもなく自動連結・解放ができないためです)、マグネ・マティックカプラーやそれに連結できるカプラーへの交換手段がなければ、この機関車の用途が狭まってしまうところでした。 多少の改造や加工が必要だとしても、この程度なら何ら問題ありません。特にナックルカプラーがポン付けできる点は要チェックで、付属のカプラーと合わせて連結先がアーノルドカプラー、マグネ・マティックカプラー、KATOカプラー、ナックルカプラー、TNカプラーのいずれでもよいことになります。


その他色々

先台車

パシフィック機の曲線通過の際に問題となる先台車は、センターピンから後方にアームを伸ばし、スプリングで支持しています。先輪のホイールベースはKATOのC62より0.5mm短く抑えられていますが、曲線通過に不都合はないようです。 一応曲線半径280mm以上となっていますが、私のレイアウトの最小R249mmでも普通に通過はします。単純エンドレスしか試していませんが、R243mmでも特に支障はないように見えました。ダブルスリップも平気です。

通電ドローバー
テンダーと連結する通電ドローバーはC62と同じ構造で、引っ張って外すときの感触までそっくりです。なお、エンジン側だけを持って扱うと、もしドローバーのバネが緩んでいたときに、テンダーが落下する恐れがあるので要注意です。
ライト遮光筒
ライトの消灯もC62式で、煙突を回すと内部の遮光筒が回転します。まあこれらの操作性?は、揃っていたほうが使う側としては楽です。
バックプレート
今では他社も採用していますが、旧製品の特徴だったバックプレートも健在です。旧製品はテンダードライブだったため、これの実現は比較的楽だったと思います。
キャブ内部
キャブを外すと、これも旧製品由来の2段になった床があり、座席もあります。天井の配管はなくなりましたが、密閉キャブなのであっても見えないでしょう。

ボディー側の分解は省略しますが、KATOのC62が分解できればコツはつかめます。ランボードは他にあまり見ない作りで、全周が1枚になっており、上部のアーチ型のステーでボイラー内側にはめ込まれています。

ボディーの分解

外したキャブをはめ込むときは、加減弁ロッドの末端を噛み込まないようにします。最近の各社の蒸機は構造が複雑なので、分解・組み立ての際には細かい部品を飛ばさないよう注意が要ります。

別パーツ

製品では前デッキのつかみ棒、前面手すり、テールライト2個、エアホース、キャブの信号炎管、4つのナンバープレート、テンダーのATS車上子などがユーザー取り付けの別パーツとなっています。 最近の模型は、細かいパーツが取り付け済みになっているものも多いので、自分で取り付けるのは予想外だったという方もいらっしゃるかもしれません。正直、初めての方にはきついと思います。とりあえず、ナンバープレートだけは何とか頑張って取り付けていただきたいのですが、あとは全部省略してもよいと思います。 そのうち時間ができたり、何となくやる気が出たときに、じっくり取り組まれるとよいのではないでしょうか。
下の写真は、ナンバープレート以外のパーツを何もつけていない状態ですが、全体の姿に違和感はないと思います。

パーツを取り付けていないC57


今回のトミックスのC57は久々の蒸機とはいえ、スタイルや走行性能のトータルバランスで大変優れています。入手された方は満足感でいっぱいでしょう。これが1万円台で手に入るのですから、KATOのC62とともに、金属製品にとっては脅威だと思います(もちろん、用途や嗜好的に完全に置き換えられるものではありません)。

今まで「なぜトミックスは蒸機を出さないのだ」と考えていた方は、これを機会に最低2両は忘れずに買い…などと申し上げたいところですが、この姿の135号機は活躍時期も範囲も限られるので、標準タイプがラインナップに加わるまでそれほど興味が沸かないという方も多そうです。標準タイプ、門デフ、1号機、180号機などは、ユーザーの注目が集まっているうちに、ポンポンと出して欲しいです。 あまり時間がかかっていると、他社からも…という可能性もないではないですし、ややこしいことになりそうです。

しかし、総合メーカー2社が両方ともクオリティの高い蒸機を持つようになり、昔からの模型ファンとしてはとても嬉しいです。今後いったいどんな製品が出てくるだろうと、楽しい想像もしてしまいます。

(おわり)

リアル・ラインD51とトミックスC57


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