Nゲージ蒸気機関車2015年のメモ>2015.12.27

C59 戦後形(KATO)その2

1 [2] 3


各部いろいろ

ぐるっと見てみましょう。
KATOの新蒸機シリーズも、2007年のC62から始まってもう8年になります。
パシフィック機のフォーマットも前回のC57 4次形でほぼ完成しており、特別大きな変化はなさそうです。ただ細部の様子は色々違います。

●前方・先台車

前方下から

前方を下から見上げたところ。

ランボードより下側の部分のダイキャストがプラのケーシングでカバーされ、ボイラー下部のディテールが表現されています。新C62の頃からですが、最初これを見たときは驚きました。

先台車はプレート輪心の先輪が付いており、一見C62と同じのようですが、ちょっと違います。

C62とC59の先台車

上がC62(北海道形)の先台車、下がC59の先台車です。
C57 4次形のあたりからホイールベースが0.5〜0.6mm?短くなりました。C62ではカーブ対策のためか若干長く作られていました。実物のC59とC62の先輪は同じ軸距離です。

●下廻り細密度の統一

普通の市販品は、目立つところのディテールは盛り、目立たないところは適当に省略するものですが(逆はないと思いますが…)、従来は同じように目に留まる部分でも極端にゆるい箇所がありました。

C57 先台車付近

これはC57 4次形です。

細かく作られた下廻りを前からゆっくり眺めていきますと、
「ああ、今回はようやく先輪のスポークが抜けたんだな。今まで抜けていなかったのが不思議だもんなぁ…。」

視線を右へ。

C57 従台車付近

後方、従台車付近。
「相変わらずキャブ下は細々と作ってあるなあ。
半分、意地が入っているような気もするけど、見ごたえはあるなぁ。」

視線を右へ。

C57 テンダー下

「なんじゃこりゃ。」(ドテッ)

C59 ATS車上子

今回のC59です。他の部分とディテールの細密度が揃いました。紛うことなきATS車上子となりました。

やっぱり今まで、細密な表現の3センチ右に、明らかに基準の異なるディテールがあるのはズッコケました。
ありがとうございました。

●従台車

従輪をスポーク車輪に交換したもの

従輪は輪心パーツのない普通のピボット車輪です。

ドローバー

従台車の上に隙間がまったく見えない、目隠し板付きのドローバーは引き続き採用されています。
下側に灰箱のような表現もあり、上下とも透視をがっちりガードしています。

C57 4次形と共通部品かなと思いましたが、少し違いました。長さも少々違い、C59のほうが若干長くなっています。

●ボイラー上のディテール

ボイラー上ディテール

配管留めの黒を塗り分けた空気作用管は、KATOの特長として引き継がれています。

発電機とその排気管も、従来どおり一体の軟質プラです。ATS発電機側は屋根に差し込まれていないので引っ掛け注意です。

C62やC57でシャープだったハンドレールは、軟質プラに変わりました。部分的な歪みや、角度によって取り付け穴が目に付いたりはしますが、ステーの頭がすっきりする利点はあるかもしれません。変更の主たる理由は組み立ての簡略化でしょうけど。

個人的には前の金属線のほうが好きですが、最近の蒸機を買うのはこのC59が初めてという方には、別におかしく見えないと思います。

C59の加減弁ロッド

今回はKATOにしては加減弁ロッドの歪みが大きく、こちらのほうが(ボ)な感じかもしれませんね。
爪で根元をぐいっと押して曲げたりすれば少し直りますが、たるみが出たりするので、穴の位置がちょっとずれているのかもしれません。まあがんばれば直るとは思いますが…。

●非公式側配管

非公式側配管

非公式側の発電機周辺、キャブ下のディテールです。

ご覧のとおりものすごい密度です。ちょっとオーバーに見えるほどです。
でも、デザイナーさんはこのへんもC59の「らしさ」だと考えて、努力されたのかもしれません。

非公式側配管

実際、個人では作りたくてもなかなか作れない部分です。
真鍮線などで作り込もうとしても、管の継ぎ手などの表現はとてもプラモールドのようにはできませんし、重なりが増えるとゴテゴテになってしまいます。
互いを若干マージして高さを抑えつつ立体表現できるのは、プラモールドの有利なところかと思います。

この写真は異常な拡大率なので、実際の模型を見るともっとおとなしいです。

●炭水車

機炭間隔

機炭間隔は相変わらずリアルで、実物より狭いのでは?と思えるほどです。
炭水車の石炭皿がキャブの中に入り込むので、うまく噛み合わせてレールに載せないと機関車が浮きます。このへんの要領はD51北海道形(密閉キャブ)や、C57 4次形と同様です。

炭水車前方

このC59はロングキャブではなく、テンダーに増炭枠もないので、機炭間隔を狭くするのは比較的簡単だったのかもしれません。
増炭枠の前方が高かったりすると、とたんに屋根の角と干渉するので何らかの割りきりが必要です。ただこのへんは脱線しないかぎり、たとえガツンガツンぶつかっても別段支障はないです。金属蒸機なら多少は角の塗装がはげたりしますが、その程度といえばその程度です(誰もがそう思うかは別ですヨ)。

炭水車後方

ほぼバック運転がなく連結面となるため、炭水車後部はあっさり作られています。いつものKATOの風味です。
後部ヘッドライトは非点灯ですがレンズは入っています。

ライト裏側

ライトは給水口天井よりもだいぶ高いところにあります。
従ってKATOの一部の形式にある、テンダー内への導光部の貫通はありません。空中を斜めに横切ってしまいますものね。


[←前ページへ] [次ページへ→]

1 [2] 3

「Nゲージ蒸気機関車」トップページに戻る