キャブ内です。
従来、動力部のダイキャストはキャブ途中までしかなく、その後ろはプラ製の床板になっていました。
C59ではダイキャストが後端いっぱいまで伸びており、後部が床板を兼ねています。C56など小型機もそうですが、座席もダイキャスト側に作られています。これは少しでも重量をかせぐためではないかと想像します(注:てきとう)。
発電機とその配管を外し、キャブを外したところです(なおキャブを外さなくても、ボイラーに付けたまま上廻りを動力ユニットから外すことは可能です)。
天井裏に、いかにもオモリですという格好のウェイトが仕掛けられています。C57 4次形にも違う形のものが入っていましたが、効果ありと判断されたのでしょうか。
目に見えないところで、色々重量アップの努力が行われています。
ボイラーを外したところです。
大型のフライホイールが前後に取り付けられています。
通常、ドーム下あたりにウェイトが載っていますが、C59にはそこにはウェイトがありません。荷重のバランスは後方に持っていっているようです。
ボイラー前方の部品構成は、今までのKATO蒸機と同様です。
煙室扉の爪を内側から緩めると、煙室前面・前デッキ・デフのパーツが一体で外れます。
左上に置いているのは、付属品の重連用カプラーと、「あき」のヘッドマークの付いた給水温め器キセです。ヘッドマークを付けるときは説明書にあるとおり、カプラー解放テコを抜いてから、もとの給水温め器を前方に引き抜きます。
なおヘッドマーク取り付けを行う場合、このように全体をバラバラにする必要はありません。カプラー解放テコのみを外せば給水温め器を引き抜けます。
動力ユニット下側、動輪押さえをこじ開けて外したところです。
構造上、C57 4次形と大きな違いはないように見えます。※この先は開けていないので不明
ダイキャストブロックの形状違いにより、C57では見えていたギヤの一部が見えなくなっているなどの違いはありました。
モーターからギヤ伝達されているのは第三動輪で、そこがゴムタイヤ付きになっています。
テンダーは台車を外し、底にある2箇所の爪を緩めれば中身が取れます。
今までATS車上子は外側の床に付いていましたが、今度は中身の底に付いています。外側の底に大きい穴が開いていて、そこからすっぽり外に出るようになっています。
テンダー内の枠組みも今までと同様です。DCCサウンドデコーダーのスピーカーを取り付ける円形のくぼみもついています。
石炭部分は別途外すことができます。
九州形増炭枠付きの石炭などを自作するときは、このパーツに代わるものさえ作ればよいと思いますが、増炭枠前方がキャブの屋根に干渉しないよう注意が必要かと思います。
C57 4次形はC57よりC59に近い、と言われることもありますが、模型的に外観を見るとどうでしょう。
トミックス、KATOのC57 3次形・4次形とC59を並べてみました。
C57 180(3次形) トミックス
C57 4次形 KATO
C59 KATO
各形式のキットを色々組み立てて感じたところでは、やはりC57 4次形はC57であり、C59にはだいぶ遠いというものでした。
しかし本当にボイラー・煙室が長いですね、C59は。日本最大の21.6m、まあ特急形気動車と同じぐらいですけど…。実物は動輪が大きいのと、ものすごいエネルギーを撒き散らして接近してくるので、実際以上に大きく見えたりします。
今年はKATOからまったくの新規形式でC12とC59が発売されて大変驚きました。
技術的にはC12が何といっても目を引きまして、基本的にC57 4次と見た目の構造が似たC59は、やや派生商品っぽい印象もありますが、伸びやかなボイラーや長いテンダーというC59のスタイルは、プラ製品において目新しく感じられます。
書き忘れていましたが塗装の様子が大変よく(C57 4次形と同様と思いますが)、つや消しの様子もちょうどよくて非常にきめ細かい印象です。C62では微量の銀粉みたいなものを混ぜてアクセントにしていましたが、それはありません。
軟質プラパーツの状態が悪いと、そしてそれが気になると、印象がシャキッとしないかもしれません。今後もっとよくなればいいなと思います。逆にランボードの直線性は今までよりよく、白線もビシッと決まって、勢いよく伸びた車体によく合っていると思いました。(おわり)