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C61の組み立て その3

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塗装〜仕上げ

ガイアカラー

マッハのメタル用シールプライマーのあと、ガイアカラーの黒で塗装しました。ガイアカラーは表面が滑らかで隠ぺい力も強く、大変に使いよい塗料です。
前回まではフラットブラックを使いましたが、今回は鉄道模型用カラーの黒をそのまま使ってみました。これは半光沢とされています。

塗ってみたところ、Mr.カラーの半光沢と大体同じ感じのつやで、ちょうどKATOの新しいD51 498と同様です。保存機にはいいかもしれません。現役機にはもう少し光沢を抑えたほうが好まれそうです。

ただガイアカラーはフラットブラックでもつや消しの度合いが低く、半光沢に近い感じなので、私はさらにフラットベースを混ぜています。

機関部仕上げ

締め切った35度のシンナー蒸し風呂で塗装した割にはうまくいきました。体には悪いです。

  1. 安全弁、汽笛を接着。
  2. 火室下部を接着。
  3. ライトに銀色を入れます。最近のワールド工芸の大型ヘッドライトはレンズを入れることを前提とした形になっているようですが、レンズは付属していないので、銀河モデルの大型用を使いました。
  4. キャブ窓に透明板を接着。
  5. ナンバープレートを接着。特にイメージしている番号がなかったので、付属の中で一番大きい30号機のナンバーを付けています。
    メーカーズプレートも付属していますが、キャブ側面に十分な空きがなかったので付けませんでした。
テンダー仕上げ
  1. ナンバープレートを接着。
  2. テールライトのレンズ部に着色。黒マジックで塗っただけです。

付属ナンバーのうち1号機にするには、デッキやテンダーをはじめ大改造が要りそうです。

説明書に「空気作用管と白線の取り付け」という記述がありますが、この「白線の取り付け」というのは、旧製品の九州形に付属していたステンレス製の白線パーツの記述が残ってしまったものと思います。今回の製品には白線パーツは付属していません。

走り装置

動輪の取り付け
  1. 動輪を台枠の軸受けに置きます。
  2. ブレーキシューの付いた動輪押さえ板を置き、ネジ留め。
    カーブで動きが渋くなるときは、ブレーキシューがフランジに当たっていることがあるので、少し外側に広げます。
  3. サイドロッドの両端をロッドピンで取り付け。少し余裕を持たせます。
弁装置の組み立て
  1. ラジアスロッドパーツの穴をモーションプレート台座に合わせ、内側から1mmネジで仮留めします。
    ネジ穴にはサービスで1.0mmタップが立てられています。ゆるいときはハンダを付けてネジを切り直します。
  2. ラジアスロッドの先端に合併テコを引っ掛けます。
  3. モーションプレートの下から加減リンクを何とか差し込み、ラジアスロッドの途中の穴に差し込みます。
  4. ラジアスロッドを1のネジを中心に回転させながら、バルブスピンドルガイドの裏側にはめ込みます。少し内側に曲げないと入りません。
  5. クランクピンを差し込んで回転をチェックします。スムーズに転がるように調整したら、いったん外します。
メインロッドの取り付け
  1. ピストン棒が入る穴を広げておきます。
  2. ピストン棒を所定の長さにカットします。説明書の寸法より長めに切って現物合わせで調整します。
  3. メインロッドを少し外側に膨らませるように曲げて、第一動輪ピンを避けるようにします。
  4. ピストン棒を差し込みながら、クロスヘッドをスライドバーに引っ掛けます。
  5. メインロッドを第二動輪の穴に合わせ、クランクピンで留めます。
  6. 合併テコをユニオンリンクの穴に差し込んで先端を閉じます。
サブウエイトの接着
  1. 牽引力増強装置のてこにサブウェイトを接着します。
上下合体
  1. 主台枠前方の穴を、ボイラーボスにネジ留め。
  2. 主台枠後方の穴を、キャブ床板の穴にネジ留め。
    前後左右を見て傾いていないかチェックします。後ろが下がっているようなら、2の主台枠と床板の間に余ったワッシャなどを挟んで調整します。
先台車取り付け
  1. シリンダー底部のカラーにバネをかぶせ、A1-13ワッシャを置いて、その上に先台車を置きます。
    さらにA1-14ワッシャを重ねてネジ留めします。
  2. 先台車の軸受けに車輪を置きます。軸受けはあらかじめ軽くヤスって塗料を落としておきます。そうしないと走行中にキーキー・キュルキュルと車軸が鳴くことがあります。
  3. 車輪押さえを置いてネジ留めします。
従台車取り付け
  1. 従台車の後方の穴に、主台枠の0.2mm線を通します。
  2. 軸受けに車輪を置き、車輪押さえをネジ留めします。こちらの軸受けもあらかじめ軽くヤスっておきます。
  3. 従台車前方の穴にカラーを通し、2巻カットしたバネをかぶせます。その上にワッシャを置いてネジ留めします。

動力ユニット

ギヤの取り付け
  1. 小ギヤに小ギヤ軸を差し込み、小ギヤカラーを挟んで車輪座A・Cに2個ずつ取り付けます。
  2. 大ギヤに大ギヤ軸を差し込み、車輪座にはめた両ボス回転座を通し、フレームにネジ留めします。
  3. ギヤのないほうの車輪座は、回転座を通してフレームにネジ留めします。ギヤが軽く回ること、各車輪座が前後にぶらぶら動くことを確かめます。
ベースプレートの組み合わせ
  1. 2枚のベースプレート(H-1、H-2)を、それぞれの数字の刻印が上になるように重ねます。
  2. ギヤの付いた側のフレームを上から重ねます。数字の刻印を上にします。
  3. 重ねた3枚をネジ留めします。反ることがあるので注意。
絶縁側フレームの取り付け
  1. 絶縁側には取り付け穴の上に絶縁ワッシャを置きます。
  2. 絶縁ワッシャの上からギヤのない側のフレームを置きます。
  3. 後方のネジ穴には通電用のラグを重ねます。ラグにはリード線をハンダ付けしておきます。
  4. 絶縁ブッシュを刺し通してネジ留めします。
モーターとウォームの取り付け
  1. ウォームギヤはモーター軸とツライチにしてエポキシ接着固定…と書かれています。しかし、その通りの位置に付けると失敗の可能性があるので念のため注意が必要です。
  2. モーターをモーターボックスにネジ留めします。
  3. モーター端子に配線をハンダ付けします。
  4. モーターボックスをフレームにネジ留めします。
ギヤ位置の間違い

説明書どおりにウォームギヤをモーター軸とツライチに付けたところ、噛み合わせの位置がウォームの端ぎりぎりになって支障が出ました。 特に写真の左のギヤはほとんど正常に噛み合いませんでした。

キットは組み立てによって説明書と差異が出てくることもあるので、いつもは必ず確かめてから固定するのですが、今回は本当に油断していました。

ギヤ位置の修正

左のウォームギヤは何とか抜き取ることができたので、正しい位置に接着し直しました。しかし右のウォームギヤはどうやっても取れず、それ以上無理をするとモーターを壊しそうだったので、そのまま叩き込んで位置を合わせました。
しかし、シャフトをラジオペンチで挟んで熱を逃がし、ライターで炙ってやると簡単に外せるそうです。どうも私はやることが力ずくでいけません。

車輪圧入の準備
  1. 車輪圧入の前に、輪心パーツを車輪にはめ込んでおきます。今回は少しゆるかったので接着剤で留めておきましたが、構わず圧入すればギヤ軸にはまり込んで落ちなくなることもあります。
車輪の圧入

※一度モーターを外し、車輪を圧入してスムーズに転がることを確かめてから、再度取り付けました。

  1. ギヤ軸の片側には、車輪スペーサー2種を入れて車輪座を挟み込むようにして軸受けに置きます。両端に車輪を差し込んで万力で圧入します。
  2. 台車内側の対角線の位置にはゴム付き車輪を入れます。
  3. 圧入が終わったら、4箇所の台車枠取り付け部を直角に曲げます。私は曲げたところに補強ハンダをしたかったため、塗装前にあらかじめ曲げてありました。従って圧入はやりにくいのですが覚悟のうえです。
    モーターを取り付けて、レールの上で通電して走らせてみます。
動力ユニットの取り付け
  1. 動力ユニットをテンダー本体に下から重ねて、周囲の4箇所をネジ留めします。左右寸法がぎりぎりなので適当に削り合わせました。
    この状態で前後左右に傾いていないかチェックしますが、車輪座の左右の傾きやベースプレートのゆがみなど、色々な要因があります。
  2. ATS車上子をネジ留めします。この状態でも一度走らせてみます。
床板と台車枠の取り付け
  1. 左右の床板は、前後2箇所でテンダー本体にネジ留めします。
  2. 4つの台車枠をタッピングネジでネジ留めします。このとき左右の配管や後部のステップに引っかかって、台車のシーソー状の動きが妨げられないかチェックします。私は後部ステップに当たりそうな部分を少しカットしました。
カプラーの取り付け
  1. マグネ・マティックカプラーMT-7(別売)を取り付けて完了です。
    このカプラーはKATOの電気機関車用となっていますが、適合する電気機関車は台車マウントの旧製品ばかりですから、そのうち販売されなくなるのではと心配もしています。KATOが扱わなくなると取り扱い店が大幅に減ってしまいそうです。

完成

今回も部品不足はありませんでした。「当たり前ってのは実はすげえ事なのかも」というセリフが「カレチ2」にありました。

比較的組み立てやすいキットでした。特にランボード・ボイラーと、キャブの組み合わせがしやすく、全体の形が決めやすいあたりが良かったです(だからといって正確にできたというわけではないのですが)。 晩年タイプとはいえ、比較的実物があっさりしていることもあり、後付けの配管が少なくて済むので楽でした。キットにはディテールアップのための配管留めがたくさん付属していますが、使いませんでした。

公式側

非公式側
前方

今回の製品は東北形とされていますが、旧製品と同様、九州形も今後発売されるのかもしれません。

新動力なので、走りは静かで大変良いです。私のところではR280でもR249でも、時々先輪を浮かせながら何とか通過しております。

(おわり)


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