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C62東海道形(KATO)

C62

2007.12.30

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長らくカタログ落ちしていたKATOのC62がついに完全新規製作で発売されました。今までC62をお持ちでなかった最近のファンの方は、待ちくたびれてしまったかもしれません。「プラでここまでできるのか」というより、「どうだ、金属ではこんなことできないだろう」とアピールしているような挑戦的な製品です。


おさらい

蒸気機関車はロングセラーが多く、旧製品の完全新規作成によるリニューアルは過去に1例しかありません。今回のC62で2例目ということになります。

完全新規作成(1) C50

C50初代

C50 初代(拡大写真)

1965年にKATOが初めて発売したNゲージ蒸気機関車です。これは人様のところでモーターが割れて破棄寸前になっていたものを頂いて修理しました。機関部に通じるゴムチューブが経年変化で固まってしまい、今では大半径のカーブしか曲がれません。

C50現行

C50 二代目製品

1981年に完全新規製作されました。ボイラーまわりのディテールに別パーツを多用した労作で、分解したパーツをずらりと並べた広告が何度か掲載されていました。

完全新規作成(2) C62

C62初代

C62 初代

1971年製の超ロングセラーモデルで、そのままあるいは色々な特定機に改造されて大活躍しました。縮尺は約1/140と大きかったのですが、デザインはC62らしかったため、それほど疑問視されていませんでした。

C62現行

C62東海道形(新製品)(拡大写真)

2007年12月、ほんの数日前に発売されたばかりです。従って正体が十分に判明していません。これからどんな風に育っていくのでしょう。初代C62を超えられるでしょうか。

順番から行けばC11のリニューアルが先のような気もしますが、C11は外観こそ現在も大して変わらないものの、動力などの中身はまるで別物に変わっています。これに対してC62は内部もほとんど変わっていませんし、長年の生産で傷みも目立ってきたのかもしれませんね。


全体のバランス

機関部の端梁〜キャブ後端までが同じ長さになるように、写真の大きさを調整して並べてみました。

注:手前のデフやキャブ側面に比べて、向こう側(遠く)にあるライトや煙突などは小さく・短く写るのですから、イラストや図面とぴたりと一致することはありませんのでご注意ください。よく尋ねられるんですヨ。

C62図

これはC62のイラストのつもりです(手抜きっぽくてすみません)。以下の写真の赤線と青線は、このイラストの屋根とランボードの高さに引いてみたものです。

緑色の線は機関部・テンダー両端の同じ位置に引いてありますが、機炭間隔に合わせてテンダー側の左右位置は調整してあります。

C62 新製品

C62 東海道形(新製品)

今回の製品です。シルエットはほぼ1/150ぴったりになっています。ランボードとキャブ床は旧製品より若干下がって見えます。

C62 初代

C62 初代

初代製品は大きさばかりに目が行きがちですが、プロポーションは悪くありませんでした。だからディテールアップすると映えたのだと思います。

C62 アリイ

C6218 特急つばめ(アリイ)

ボイラー中心が高く、ランボード上に完全に乗っかっているために、頭一つ飛び出しています。

C57

C57(KATO)

参考までに、今回のC62 東海道形の写真と同じ縮小率にして並べてみました。緑の線もC62東海道形と同じ位置です。

諸般の事情から大きく作られていた昔のC57と、その縛りをなくしたC62で、模型と実物の大きさが逆転しています。しかし、思い切って何かを変えようと考えればその瞬間は必ず訪れますし、それが嫌ならこうした革新など永久にできません。むしろ喜ばしいことだと思います。

「そんなこと言っても、すでに昔のサイズに慣れているし、1/140サイズでかなりの車両を改造してきてしまったし…。」それも困りましたね。私もそうです。ただ、新製品が出たからといって、それらの改造作品がパッと消えてなくなってしまうようなことはありませんし、今までとまったく同じように遊び続けることができます。旧サイズのC62が必要であれば、中古品やオークションでたぶんたやすく入手できるようになっていくでしょう。


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