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D51のやさしい工作 その2

2007.4.19

集煙装置は市販のパーツもありますが、プラ板(タミヤの「プラバン」のこと)が少しあれば簡単な形のものを作ることができます。
プラ板は厚さ0.3mmのものと、厚さ0.5mmのものをごくわずかしか使いません。名刺の半分くらいの大きさで十分ですが、そんなに小さいものは売られていないので、結構材料が余ります。

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フリースタイル集煙装置

設計図

こんな形のものを作ってみました。フリースタイルですから、試される方はお好きな形でどうぞ。

上側はヤスリで少し丸みをつけましたが、面倒なときは平らなままでもよいと思いますし、もっと部品を省略しても大丈夫かもしれません。

取り付けは、内側に用意した足を両面テープで貼り付けるようにしたので、機関車本体を加工する必要はありません。飽きたら簡単に取り外せます。

寸法

試作したのは左のような寸法です(この図はあとで目分量で描いたものなので、寸法のみ参考にしてください)。左のB1のみ0.5mm板、他は0.3mm板です。

A4とA7はそれぞれ同じ形を2枚作ります。A2とA3も裏返しなのを除けば同じ形です。A8は4箇所の足になりますが、先に1mm幅の帯を切り出しておいて、少し長めに4本切っておきます。

※試作の都合で、以下の写真には最初A1の丸穴が空いておらず、あとで開けています。

切ったところ

A7以外を切り出したところです。A2とA3の点線のところ(左の写真では鉛筆の線が入っているところ)には、あとでA8を切った足を貼り付けます。

プラ板が初めての方へ…プラ板にはつやのある面とない面があり、つやのない面には鉛筆で線を引くことができます。プラ板を切るには、定規をしっかりあてて、よく切れるカッターで最初は軽く、何度も引いていくと切れます。厚さの半分くらいまで切り込んでパチンと折っても切れますが、端のほうが少し欠けたりします。

切り口の成型

切り口にはごく軽くヤスリをかけて、表面と垂直にしておくときれいにできます。

丸い穴は、ちぎらないようにドリルやナイフで少しずつくりぬき、ヤスリで整えます。小さい部品にこういう穴を開けるときは、最初に穴を開けてから周りを切り出したほうが、失敗が少ないかもしれません。

側面を付ける

A1からA4までを、図のように接着します。

接着にはプラモデル用接着剤(タミヤセメントなど)を使います。これはプラ同士を少し溶かしてくっつけるので、十分に接着剤をつけて完全に固まった場合、かなり丈夫になります。無理に引き剥がそうとすると、ほかの部分が割れてしまうことすらあります。瞬間接着剤のようにすぐには固まらないので、位置決めをする時間もあります。

下側をふさぐ

前後の下側に、A5とA6を接着してふさいでおきます。

下側をふさいだところ

A5とA6を接着して、前から見たところです。前方に穴が空いていない集煙装置もあるので、お好きな形にしてみてください。

上面の貼り付け

上面に0.5mm板のB1をぴったり貼り付けます。

赤く表示した両肩の部分を、平ヤスリで斜めに削り落とします。

上面を削っているところ

プラ板は柔らかいので、片減りにならないよう、様子を見ながら少しずつ削ります。斜めに削ったら、さらにその角を落とすように少しヤスります。

平ヤスリがないときは、棒や板切れに紙ヤスリを貼り付けて使っても何とかなります。

前後を削る

今度は前後を削ります。複雑に見えますが、横から見て考えれば、単に前後を斜めに削るだけでこうなります。

前後を削っているところ

なるべく左右均等になるように少しずつ削ります。

足の取り付け

集煙装置は外側の細い足で取り付けられていますが、プラ板で細い足を作ると壊れやすいので、内側に別な取り付け足A7を貼り付けます。

このA7の下に両面テープを貼って、ボイラーの上に貼り付けて固定します。煙突に当たるときは、上の丸穴を削ったり、A7を少し削ったりして調整します。

外側の足の取り付け

最後に外側の細い足(A8)を取り付けます。はじめは5〜6mmくらいの長さにして、少しずつ下側を切り詰めてちょうどよい長さにします。※ここは機関車に固定しません。

細い真鍮板などをお持ちの方は、代わりにそれを使うと折れにくくなります。

ボイラーに乗せたところ

作りやすいように簡略化しましたが、それでも実物の感じがなるべく出るように工夫してみました。もっと単純に作りたいときは、外側の足A8を貼り付けず、代わりに側面にナイフで軽くスジを入れて縦線を表現すればよいと思います。
本当にシルエットだけでよければ、さらにいくつかの部品を省略できます。

完成

塗装は、これくらいのものなら、タミヤカラー(エナメル)のつや消し黒を筆塗りするだけでよいと思います。Mr.カラーでも結構ですが、タミヤカラー(エナメル)は筆塗りでもムラになりにくいので楽しく塗れます。エナメル系塗料は乾きが遅いのが難点ですが、つや消しならそうでもありません。

塗料や筆、溶剤が手元に揃わないときは、とりあえず黒のマジックで塗ってもいいと思いますが、マジックの黒色は独特のテカリがあるのでやや不自然になるかもしれません。そこはガマンしてください(白のままよりはよいと思います)。
しかし、私も木片を削ってマジックで塗っただけの集煙装置?を30年以上前に作って、割と最近まで使っていました。


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