Nゲージ蒸気機関車2007年のメモ>D51北海道型(リアル・ライン)

D51北海道型(リアル・ライン) その1

D51

2007.5.18 2007.12.16

マイクロエース以来11年ぶりに、プラ製D51を製造したメーカーが現れました。しかも発表されてから半年というスピード発売でした。
初期出荷分はまだ試行錯誤の途中という印象もあり、耐久性の面で初心者の方には扱いが難しいかもしれません。推奨曲線半径も大きいので、よく検討のうえ購入されることをお勧めします。

※2007年12月に発売された2次製品についてはこちらをどうぞ。→D51 710(リアル・ライン)2次製品


全体

全体的には北海道型D51の雰囲気がよく出ています。大手メーカーのプラ量産品ほど一般向けというわけではありませんが、今まで発売されたD51の中では大きさ・形態ともにかなりいいセンいっています。

D51 710 D51 710(リアル・ライン)(拡大)
北海道型末期の、切り詰めデフを備えた標準的な姿です。
※2007年12月に2次製品が発売され、一部が改良されました。
D51 711 D51 711(リアル・ライン)(拡大)
ギースル・イジェクタを備えたものです。模型は煙突以外、710号機とまったく同じ作りです。
D51 398 参考:D51 398(アリイ)(拡大)
キマロキセットに含まれている北海道型です。他にギースル装備・船底テンダーもあります。

側面

今までのプラ製品と違い、ボイラー後部外装のテーパー表現がオーバーではないので、シルエットがすっきりしています。キャブの前後位置や形状・高さなどは、少々気になるかもしれません。

側面形状

これは実物のイラストのつもりですが、私の作図なのであまり信用できません。

リアル・ラインのD51にも色々なデフォルメが入っており、1/150に忠実にスケールダウンされたものではありませんが、全体にはD51に似せるべく上手にデザインされています。特にドームの形状は今までの製品で一番良いように思います。煙突はちょっと土管が入っています。目立つキャブの形が一番の弱点です。

長さの違い

リアル・ラインの機関部の長さはアリイのD51とほぼ同じです(アリイのD51も1/150よりは少し長くなっています)。スケールどおりの天賞堂より数ミリ長いことになります。

長さの違い(上からリアル・ライン、アリイ、天賞堂、KATO) 上からリアル・ライン、アリイ、天賞堂、KATOの順です。それぞれ形が違うので、ここではシリンダーの後端を合わせてみました。ただ、この合わせ方では1/140と大きいKATOも、それほど長くないように感じてしまいますね。

正面から

リアル・ライン 710号機 リアル・ライン 711号機 天賞堂 アリイ
リアル・ライン(710号機)
※ナンバーは付属のものではありません。
リアル・ライン(711号機)
※こちらのナンバーは付属のものです。
天賞堂 アリイ
リアル・ライン 710号機 リアル・ライン 711号機
リアル・ライン(710号機)
※ナンバーは付属のものではありません。
リアル・ライン(711号機)
※こちらのナンバーは付属のものです。
天賞堂 アリイ
天賞堂 アリイ

リアル・ラインの初回品では非公式側のデフが内側に傾いているものが目立ちましたが、煙室扉周辺の表情はD51によく似ています。34年ぶりにKATOに肩を並べた表現です。ちゃんとD51を見ていた方がデザインしたのでしょう。車高はスケールどおりの天賞堂よりは高くなっています。

フロントデッキ周辺

デフ 修正前
初回品では非公式側デフの前方ステーがやや短く、デフが歪んで内側に傾いているものがあります。
デフ 修正後
ここを軽く引っ張って接続を外せば、少しデフを正しい位置に戻すことができ、いくらか見映えがよくなります。無理をして他の箇所を曲げないようにお気をつけください。
※2次製品では初めからこうなっているようです。

なお、シリンダーブロックが外側にはみ出しているため、少々削って引っ込めたくなりますが、ただ引っ込めるとクロスヘッド廻りのクリアランスが不足して、バルブギヤやロッドピンなどが干渉することがあります。

付属のナンバープレートは金属エッチングの薄いものですが、本体にも四角形のへこみがモールドされているため、特に前面はナンバーが少し引っ込んでしまい、少し似なくなります。ナンバープレートの下に何かを挟んで少し浮かせると、ずっと良くなります。上の写真では、ごく薄いプラ板を下に挟んでいます。ナンバーも少々文字が狭くて幅が足りない気がしたので、前面のみ銀河モデルのナンバーを付けてみました。

カプラー

カプラーは前後とも、Rカプラーというものがついており、マグネ・マティックカプラーやカトーカプラーと一応連結ができます。
こう書くとすごい構造のように思えますが、要するにカトーカプラーを一体のまま固めてしまったような形状です。左右のシャンクは一体化していて開閉しませんので、突き当てただけでは連結できないことが多いです。

キャブ

動力部のホイールベースは1/140くらいになっており、それに合わせるためにボイラーは数ミリ長くなっています。 これとバランスをとるためかどうかわかりませんが、キャブの形(ドアを除いた部分)はちょっと前後に寸詰まりで、屋根も高く見えます。

キャブ 現状
現状のキャブ
キャブ 画像修正
画像修正(つまりニセモノ)
これぐらいの感じに改造できれば似るのではないでしょうか。屋根の前後長は正しいようなので、高さ方向の調整とドア幅や窓位置の調整になるのかもしれませんが、改造はそれなりに大変そうです。

初回品では目に付く歪みや隙間が全体的に結構あり、何となく粗末な印象でした。初心者の方は初回品ではなく、その後の製品を実際にお店で見て選んだほうがよいと思います。


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