発電機周辺や、キャブ下の配管がKATO製品の見せ場になっています。
D51標準形(新) 相変わらずプラ量産品とは思えない密度です。ボイラー頂上部の配管は細いモールドなので、これだけ配管が多くてもシルエットが崩れないのが長所です。 キャブ前面上部に丸窓のある姿です。 |
D51標準形(旧) 一体モールドですがボイラー上の必要な配管はすべてありました。一方キャブ下には配管は何もありません。 清缶剤挿入装置もボイラーと一体で、少しヒケています。 |
D51 498 最初に見た時は驚きました。とても複雑な部品構成になっているように見えますが、意外とシンプルです。 |
先に発売されたオリエントエクスプレス'88もそうですが、前ステップに給水温め器の排水管らしきものが沿っています。 先輪のスポークが抜けていたらさらに格好良かったでしょうね。トミックスのC57を見ると特にそう思います。 自分で開けたりもしましたが…。 |
D51 498とは動輪形状がすっかり変えられており、動力ユニットも該当する部分の形状が変わっています。
よって個別のパーツレベルでは両者に互換性はありません。
D51 498 | |
D51標準形(新) 表側はさしたる違いもありませんが、オレンジ色の導光部品の先端の長さが少し変わっています。 これは煙突の遮光装置が取り付けられたことに関係あるのでしょうか。 |
動輪と車軸周辺は作り変えられています。
D51 498 ちょっと分かりにくいですが、銅色の軸受けのフランジ部が外側を向いていて、それを挟むためにダイキャストブロックの一部も外側に出っ張っています。 その出っ張りは、動輪の裏側のくぼみに入り込んでいます。 |
D51標準形(新) 動輪の裏側のくぼみがなくなって平面になり、ダイキャストブロックの外側の出っ張りがなくなりました。軸受けのフランジと、それを受ける溝も内側に付いています。 |
雑な絵ですがこんな感じです。
動輪の裏側を見ると、違いがよくわかります。
D51 498 |
D51標準形(新) 裏側がツライチの円盤です。 |
変更の理由は素人の私には考え付きませんが、これからドシドシ製造するにあたって、部品形状や構造の複雑だったところを単純化したのでしょうか。
なお対応する床板(動輪押さえ)も変わっており、互換性はありません。
D51 498 車軸ごとに下から押さえる突起がついていました。 第1動輪の突起は動輪裏側のくぼみにはまる形状になっていたので、床板を外そうとすると第1動輪まで釣れてしまい、外しにくいことがありました。 |
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D51標準形(新) 軸受けを押さえる突起はずいぶん小さくなっています。外すのも取り付けるのも簡単になりました。 突起が後ろにいくにつれて小さくなっているのが意味深です。荷重のバランスに関係しているのでしょうか? |
ともかく特定機にとらわれない姿のD51が発売されたので、どんな用途にも気軽に使うことができ、色々と遊べます。
プロポーションも走行性能もともによく、さらに値段も安いという嬉しい製品です。今後も再生産が続くでしょうから、少しずつ揃えて重連・三重連とどんどん行けます。
改造とまで行かなくても、他の蒸機の部品をちょっと借りて姿を変えてみることもできます。
D51 498のスノープローを付けてみたもの。 |
マイクロエースのD51から集煙装置を拝借すると。 あえてこれを使うのかと問われれば何とも…。 |
D51はあらゆる使われ方をされていたため、模型的にもガチガチの編成ルールにとらわれずに使えます。
今後登場するであろう仲間と重連したり(後ろのは私の雑な改造品)、
どっちが前だかわからない列車とか、
旅客列車に見えて実は貨物列車とか、
しかし、最近本当に思うことですが、自分が市販品に手を入れる余地などほとんどなくなってきました。脳内で想像による違いを付けるだけで事足りてしまいます。当面このまま使うような気がします。
Nゲージにはお詳しくても、まだ蒸気機関車の模型を買ったことがないという方、ぜひ一度手にしていただきたいなと思います。無理にとは申しませんが…。
今後も旧製品のように、ずっと手に入るロングセラーになってくれればと思います。
(おわり)