アドバンスから発売されている、単線用給砂塔のペーパーキットです。
最初に発売された給砂塔は複線用で砂焼き小屋付きでしたが、これは単線用です。小レイアウトにも使いやすいです。
なお最初の給砂塔の記事はこちらになります。
→給砂塔と砂焼き小屋(アドバンス)
2018.3.18/2018.9.28
キットは透明な袋に入っています。
以前の複線用給砂塔に比べると、かなりコンパクトな外装です。
内容は説明書3ページと、パーツ台紙が2枚です。
給砂塔の本体は黒いほうの紙です。グレーの紙はかなり厚く、土台や厚みが必要なパーツが刻まれています。
パーツは大部分が型抜きされており、1箇所か2箇所を切り離すだけなので簡単です。
接着には木工用ボンドを使用します。爪楊枝で接着面に点付けします。間違って接着してしまうとはがしにくいので(紙が傷む恐れあり)、最初は接着剤を少なめにして様子を見るのがいいと思います。
以前の給砂塔を組み立てた時の記事を自分で読んで、自分が失敗していたところを確認してから始めました(ちょっと役に立ちました)。
似た形の部品もあるので、最初に説明書を見ながら部品番号を鉛筆で記入しておきました。
レーザーカットがどのように行われるのか知らないのですけども、おそらく紙の片側からレーザーを照射して焼き切っているものと思います。
レーザーの照射側のほうが大きく焼けているので、反対側に比べて鉄骨などが細く見えます。基本的には細く見えるほうが表に出るようにして組み立てました。
本当の裏表がどうなのかはわかりません。
最初の接着です。
鉄骨パーツ(2)に、6と7を差し込んで接着しました。上に来る7は、片側の出っ張りが長くなっています。
木工用ボンドは水性なので、組み合わせ部分に付け過ぎると、紙が膨張して差し込みにくくなる恐れがあります。なるべく差し込み部分は避けて、少量を点付けしています。
背中側に1を接着しました。
まだ、全体的にふにゃふにゃしています。このあと少し反りを直しておきました。
開いている残り2面に、3と4を接着して、鉄塔の形にしました。
接着剤は手早く点付けして、端のほうから曲がらないように付けていきました。しかし、もたもたして、最初のほうに付けた接着剤は乾いてきたりします。
あんまり焦っても仕方ないですね。
鉄塔の底に5を、天井に8をはめ込んで接着しました。
前回(複線用給砂塔)はこれを忘れて先に進んでしまい、5は何とかなったものの、8は付けられませんでした。
作業台の支えとなる9・10を付けます。こんな感じの位置に付きます。
接着したところです。どちらも向きを揃えて接着します。
作業台の天板を上からすっぽりかぶせ、先ほど付けた9・10の支えに接着しました。
これから作業台の手すり(12)を付けます。最初にコの字形に折っておきます。ピンセットやラジオペンチなどで、折り目のあたりをきちんと挟んで曲げるとよいです(紙の厚みがあるので、折り目から少し離して挟みます)。
あんまりギュッと挟むと、紙がつぶれてしまうので、ほどほどの力で。
最初に中央部の下側を作業台に接着し、そのあと左右の突起に接着剤を付けて、作業台の両側に接着しました。
これから砂箱を組み立てます。
砂箱の左右の部品14・15には、上のほうに折り線があるので、少し山折りにしておきます。
下側の小さい突起は、軽く逆側に折っておきました。
中央に来る水平な板(13)の左右に、14・15を差し込んで接着しました。それぞれ前後の向きがあるので注意します。
砂箱の前に17をはめ込んで接着し、最後に天井の16を接着しました。これで形がまとまります。
後ろ側がまだ開いていますが、あとで鉄塔に合体したあと、手すりを取り付けるときにふさがります。
ノズルを作ります。
同じ形の18、19を貼り重ね、先端にフランジ20を接着しました。
ノズルを砂箱に挟み込んで固定します。
複線用給砂塔のときは角度が決まっていましたが、今回は接着固定するほか、可動式にできるよう配慮されています。
可動式にするときは穴を合わせ、糸で縛るようにとされています。
説明書の写真を見ると細い針金が使われているように見えたので、私もそうしてみました。細いポリウレタン線(エナメル線のようなもの)を使っています。
小包の荷札の針金みたいなのでいいと思いますが、…いつの間にか、小包に荷札なんてなくなっているではないですか(笑)。
鉄塔の下に、土台(26)を接着しました。
次に、先ほど組み立てた砂箱を、鉄塔のてっぺんに接着しました。ノズルが作業台のほうを向くようにします。
組み立ての誤差であっちこっちが傾いていますが、そうおかしなことにはならないので、あまり気にせずに…。
砂箱に、枠組み(21)を取り付けるため、あらかじめ曲げておきました。
まずは最下部のツメが、鉄塔の側面のスリットに入ることになります。
鉄塔のスリットにツメを差し込み、砂箱の側面に枠組みを接着しました。
枠組み(21)の形がわかりにくいので、青で着色しています。
砂箱の正面に回って枠組みを接着し、さらに反対側の側面にも順に接着していきました。
最後に、こちら側のツメも鉄塔のスリットに差し込んで接着しました。
砂箱の開いていた後ろ側に、手すりの付いた背板(24)を接着しました。あらかじめ手すり部分は軽く曲げておきました。
もう一息です。
砂箱の上部に、配管の接続口を付けました。
土台の板は2枚重ね、リング状の部分は3枚重ねです。グレーの厚紙の断面が見えるので、砂箱に固定する前に黒マジックや筆ペンなどで黒に塗っておくとよいです。
鉄塔の左右に、ハシゴ(25)を接着しました。
接着箇所は、土台と作業台側面、それに砂箱上部の3箇所ですが、一方は少し曲がってしまったために、間に紙を1枚挟むなどして調整しました。
これで組み立ては終わりですが、ハシゴや手すりなど細いところの断面に、瞬間接着剤を少しずつ浸み込ませて固めておきました。
できました。そのまま組み立てただけで、紙とは思えない仕上がりになります。
一応対象年齢は15歳以上となっていますが、個人的な感触としては、小学校高学年で工作の好きな方なら形にできそうです。
あまり大げさではない設備ですが存在感があり、これがあると機関車がとても引き立つのです。
蒸気機関車がお好きな方なら、きっと気に入るストラクチャーだと思います。
水・石炭と同様に、砂は必須ですからね。Nゲージのレイアウトでは、実機に必須なものが、すべてきちんと再現できるわけではありませんけども。
左が以前に組み立てた複線用の給砂塔、右が今回の単線用です。
単線用には他に、トミーテックからシンプルなものも発売されていますが、どこに片づけたのか行方不明になってしまい、比べられませんでした。
絶対、捨ててはいないです(笑)。複線用給砂塔とは以前にちょっと並べていますので下記をご参照ください。
→給砂塔(トミーテック)
その後、トミーテックの単線用給砂塔が見つかりました。
左がアドバンスのペーパーキット、右がトミーテックのプラキットです。
大きさが少し違います。
以上です。アドバンス製品は精密感のあるペーパー工作、トミーテックは手軽な雰囲気づくりが、それぞれの主な楽しみ方かと思います。