Nゲージ蒸気機関車2024年のメモ>2024.4.18

木造駅舎セット(寒地タイプ) トミックス

トミックスの木造駅舎は1976年登場の強力な製品が現在まで生き続けていますが、新たに「寒地タイプ」が追加されました。
ただ、単なる色替えバリエーションではなく、新規作成の別商品です。パッと見には、2020年発売のKATO「ローカル線の小形駅舎」の存在が意識されているように感じました。


付属パーツ

本品は駅舎のほか対向式ホームが4本(客車4両分に相当)含まれており、他に付属部品もたくさんあります。
箱も大きく、開けると部品がぎっしりで気後れするほどです。

手前にある駅舎本体と土台は組み立て済みですが、周囲には部品拡張用の突起が凸凹しているので、そのままでは体裁が整いません。何らかの付属パーツで隠して使うのが普通かと思います。

好みに応じて色々な形にできるよう、駅舎本体にも飾りパーツが色々付属しています。使うかどうかは本当に好み次第なので、差し込んで取り付けられるものだけではなく、テープや接着剤によるもの、穴開けが必要なものもあります。

木造駅舎本体

付属パーツ未取り付けの駅舎本体です。

KATOの小形駅舎と同じく、鉄道省工作局規格を元にしたデザインのように見えます。

既存の木造駅舎(グリーン)

こちらは既存の木造駅舎(グリーン)です。付属シールを貼ってカラーパウダーを撒いていますが他は基本のままです。

いずれも万人向けの商品だけに、どこかで見たような気にさせる好ましいスタイルです。

ホームと差し掛け屋根

以後、「トミックス新製品」とは今回の木造駅舎セット(寒地タイプ)、「トミックス従来品」とは既存の木造駅舎セット(グリーン)を指します。
KATOの小形駅舎も並べました。

トミックス従来品
トミックス従来品
駅舎の土台に対向式ホーム1両分が付いており、改札を抜けるとすぐホームです。ホームへの差し掛け屋根はありません。
KATO
KATO ローカル線の小形駅舎
同じく土台に対向式ホームが付いており、改札を抜けるとホームです。ホームには差し掛け屋根があります。
トミックス新製品
トミックス新製品
今回のトミックス新製品にも差し掛け屋根が付きましたが、ホームのように見えるところはホームではありません。ホームはさらにこの隣に付きます。
ホームを付けたところ

こんな感じで、付属のジョイントを使ってホームを接続します。従来品に比べると、そのぶん少し設置面積が大きくなります。

ホームを使わず設置

もっとも、ホームを接続せずに、土台をそのままホームに見立てて設置するのも自由かと思います。そのままでは前後にホームを延長できないので、少々加工が必要ですが。

土台から外して

トミックス新製品も既存品と同様、駅舎本体を土台から外して直置きすることができます。

左からトミックス新、KATO、トミックス従来品

左からトミックス新製品、KATOの小形駅舎、トミックス従来品です。

駅舎本体のボリュームはKATOが一番大きく見えますが、設置面積は思ったほど違いがないようです(何を思っていたかによりますけど)。

同じく裏返し

それぞれをひっくり返したところです。

トミックスの新製品は、差し掛け屋根の脚が宙ぶらりんになりますが、対策用のパーツがあります。

脚の土台

付属の土台パーツを脚に差し込んで高さを揃えることができます。

この写真ではベンチも取り付けてありますが、そのためには1.5mmドリルで裏から穴開けが必要です。

室内

トミックス従来品
トミックス従来品
トミックス新製品
トミックス新製品
付属の改札柵と石油ストーブを付けました。
KATO
KATO 小形駅舎
付属の改札柵を付けました。

トミックス新製品には改札柵の代わりに簡易自動改札機も付けられます。ストーブも2種付いています(もう一つはだるまストーブ)。

また、仕切り壁の窓のひとつを外して自動券売機を取り付けられます。現在も使われている木造駅舎という雰囲気にできますね。まあ室内はそれほど見えるところではありませんけども。

冬の装いにする場合は扉が欲しくなりますが、玄関用と改札口用の2枚が付属しています。値段が高いだけあってパーツはかなり豊富です。

なお、KATOの小形駅舎には専用の照明ユニットが用意されており簡単に組み込めますが、トミックスには専用品はありません。工夫のうえ従来の建物照明ユニットなどを利用するもののようです。

その他パーツ(一部)

煙突

北国の建物ということで煙突が2本付属します。

接着や両面テープでの取り付けです。ここではお試しに両面テープで留めています。
下の支えが、メガネ石のような形に作られています。

落雪が煙突を直撃しないようにする雪割屋根も付いています。他に雪止めの長い横棒もいくつか付属しており、使うときは接着するか両面テープで留めます。

電話ボックス

電話ボックスは平屋根・三角屋根の2種を選べます。

この製品は駅舎周辺の土台にくぼみや傾斜・段差が多く、特に前面側には平面部が少なめです。
電話ボックスも傾いてしまうので、対策として段差を埋めるスペーサーが付属しています。

スペーサー

スペーサーは屋根を外すと隠されています。ここから適宜切り取って、段差を均したいところに貼ります。

しかし、目的の隙間がぴったり埋まるわけではなく、あまりスマートではない感じなので、私は使わずに手持ちのプラ板で埋めました。

細かい段差

表現のほか色々な理由があるのでしょうが、ちょっとした段はあちこちにあります。

反対側の差し掛け屋根の下には傾斜もあり、人形をまっすぐ置きにくいところもありますね。

ホーム端部

ホーム端部

今回は従来と違い、端部の短いホームとスロープの付属はなく、端をふさぐ薄い壁が付いています。写真のように、ふさぐ壁の上には柵も付けられます(一部の切り取りが必要)。

ただこの製品をホームを1本だけで使うことは見栄え的にも少ないでしょうね…せっかくホームが140mm×4本付属していますから。

なおスロープは別売のローカル対向式ホームセットに付属しています。

ホームの高さ

ちなみに今回のローカル対向式ホームは高さが低いのが特徴で、従来の対向式ホームと比べるとこうなります。

(機関車を並べられても感じがわからないと思いますが…すみません)

外構を整える

土台周辺の突起

この駅舎の土台周囲には直接的なディテール表現はなく、ジョイントの凹凸で囲まれています。

さすがにそのまま使うのは体裁が悪いので、付属パーツを取り付けていきました。

左右をふさぐ

まず左右と前面をふさぎました。

両サイドには壁が付きます。少々見通しが悪い気もしますが、高い土台から利用客が転落するのを防ぎたかったのだろうと、割と本気で思っています。
それぞれ複数のパーツに分割されており、取り付け順もあります。ギュッとはめ込むとなかなか外れません。

前面には一見ホームのような駅前ベースを付けます。付けてもまだ終わりではなく、ジョイントの切り欠きがあります。

スロープ

駅前ベースの前に、大きなスロープを付けてふさぎます。

ここまで来ると設置面積はかなり大きくなります。自作になりますがスロープを使わず、旧製品のように石垣でかさ上げしているように作ってみるのも面白いかと思います。

部品の組み合わせが多いので、目に見える継ぎ目もたくさんできてしまいますが、仕方ありません。

ホームとの隙間

両側に壁を付けると、1両分のホームでは隙間が開くのが気になるので、ちゃんとホームも延長したほうがいいですね…。

トミックス新製品

トミックス新製品

周囲のジョイント部をふさいだ最低限の組み合わせの一例です。ホームは客車約4両分付き。

トミックス従来品

トミックス従来品

付属の対向式ホーム端部とスロープを付ければ外観はまとまります。延長時は別売ホームを買い足します。

KATO小形駅舎

KATO 小形駅舎

KATOはホーム端部が出荷時に組み立て済みです。延長時は別売ホームを買い足します。

上の3つの写真はすべて同じ画角で、大体駅舎入口の位置が同じになるようにして撮りました。
トミックス新製品が一番周囲に広い感じです。組み立てにはそれなりに時間がかかるので、フロアレイアウトで使う場合も毎回ばらばらにするというより、ある程度組み合わせたまま片づける感じかなと思います。

外観

トミックス新製品 玄関側

車両を置くと、互いが互いの魅力を引き立てるのも駅の楽しさかなと思います。

トミックス新製品 ホーム側

昔はこういう柱や屋根も、皆さんマッチ棒と厚紙なんかで作りましたね…同じことばかり書いていますけども。

拡大して他と並べてみましょう。

トミックス 従来品

トミックス従来品

窓枠に色入れがない程度で、木部表面の適度なシボ加工や温かみのある立体表現などは今見ても良いと思います。

48年の年月を生き抜いてきたエリート商品ですものね。

トミックス 新製品

トミックス新製品

現代風にあっさりきれいに作られた外観で、面倒な窓枠の色入れが初めから行われているのがありがたいです。付属パーツを付けていくとだんだんコクが出ます。

ホーム側面のディテールなどは旧製品に比べるとかなりフラットな感じです。今風の表現でしょうか。

KATO 小形駅舎

KATO 小形駅舎

一足早く出ていた類似コンセプト(おそらく)の製品。

表面などディテールの感じはトミックス新製品に近いかもしれませんが、瓦屋根と暗めの木部のため渋さを感じます。
(電話ボックスと郵便ポストは、別売の「ローカル線の駅構内パーツセット」より)

トミックス 従来品

トミックス従来品

トミックス 新製品

トミックス新製品

KATO 小形駅舎

KATO 小形駅舎

私が今のところ触ったのはここまでですが、他にも色々なパーツやステッカーがあり、トイレやポイントのテコ小屋などしっかりした建屋も付属しています。
バス停やエアコン室外機など嬉しい小物もたくさん付属していて、どう使おうかと迷ってしまうほどです。

特に外構部は部品の組み合わせが多いので、つぎはぎな印象も受けましたが、レイアウトに使う場合は自分で色々と作り込みを行う箇所ですから、あまり問題になることはないのかな〜と思います。

木造駅舎とC55

同じトミックスのC55と。最近トミックスはC58を発売したりC11 325をリブートしたりと、蒸機関係も調子いいです。あと2年でトミックスも50周年ですね。


●並べた模型
・トミックス 4251 木造駅舎セット(寒地タイプ) ¥7,200+税
トミックス 4202 木造駅舎セット(グリーン) ¥1,440+税
KATO 23-241 ローカル線の小形駅舎 ¥3,400+税


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