Nゲージを始めるには(16)


レイアウトを作る-仕上げと建物の配置

ここまでできると、もう列車を走らせて十分遊ぶことができるので、そこでレイアウト建設がストップしてしまうことがよくあります。しかし、そこはもうひと頑張りして、とにかく完成という段階まで持っていきましょう。

プラスターの着色と道路の位置決め

プラスターの着色と道路の位置決め

プラスターは水彩絵の具、油絵の具、プラモデル用の水性塗料などで着色できます。グレー、茶、黄、青、緑等をごく薄く溶いて、プラスター表面にたらしていくように着色します。エアブラシを使用してもOKです。最初は本当に薄く着色し、まだ薄いかなという程度でやめておきましょう。特に晴れた日に見る風景は、想像以上に淡い色彩です。

道路と建物の位置はこの段階までに決めておきます。道路は工作用紙のような厚紙などで切り出して貼り付けます。歩道も作る場合は、厚さ1.2mmのプラ板で帯を作り、道路の厚紙の上から貼り付けて段差を表現しておきます。

地面の製作

地面の制作

プラスターを塗らなかった部分はベニヤ板がむき出しになっているので、地面を作ります。広い均一な草地は、トレーシングペーパーで形を写し取って、レイアウトマット(カラーマット)やシーナリーペーパーを張れば簡単です。それ以外は木工用ボンドの水溶液を厚めに塗り、各種のカラーパウダーを撒きます。乾いてから余分を吹き飛ばしますが、パウダーに十分接着剤が染み込んでいないと、丈夫に固着しません。

機関庫や給水・給炭設備のそばは、油やススで黒っぽく汚れた様子を表現して変化を付けてみましょう。舗装道路は、実物をあまり近くで見ると、かえって何色かわからなくなるので、とりあえずミディアムグレーあたりを塗っておいて、あとで少しずつ仕上げていきましょう。

木を植える

木を植える

山には着色スポンジ、ライケン、フォーリッジ・クラスター等を接着して茂みや森を表現します。線路脇などにはコースターフなどで部分的に草むらを表現します。

樹木は市販品がたくさんありますが高価です。たくさん植えるところには安価な樹木キットなどを利用し、公園の中や駅前の印象的な樹木には別途品物のよいものを買うとよいでしょう。樹木は針金を束にしてねじり、いくつかに枝分かれさせたものにスポンジ粒を貼り付けて自作することもあります。

街路樹なら別ですが、平地に立ち木を立てるときは、同じ形のものを等間隔に立てず、2本・3本と寄り添うように立てると自然です。

建物とアクセサリーの配置

建物とアクセサリーの配置

建物の多いレイアウトではこれが大変です。キットを組み立てる場合はもちろん、市販品も手を加え始めると、1週間に1軒も作れません。まずは市販品をそのままどんどん配置してしまい、あとでひとつずつ手を入れていくのがよいと思います。

最後は楽しいアクセサリーの配置です。電柱、信号機や標識、各種の看板などを取り付けていきます。人形は、その場面でどんな物語が進行しているかを想像して配置していくとよいでしょう。車やバスを配置していくと、レイアウトに生活感が出てきて楽しくなります。

ここまでくると、最初は鉄道模型の主役に思えた機関車や客車も、レイアウトを彩るひとつのアクセサリーにすぎないのだなと感じるようになるかもしれません。

小さいホームレイアウトでは、短くまとめた編成しか走らせることができませんが、逆に短い編成でも十分フル編成並みに見えてきたりします。テーブルの上などに置いて、目の高さに近づけて運転してみると、地形や建物のないフロアレイアウトでフル編成を走らせるよりも雰囲気が出ることもあります。また、スケールスピードよりも遅めのほうが感じが出るので、走行距離の短さもそれほど気にならないと思います。どうしても長編成を長距離で走らせたい場合のみ、床にレイアウトを組み立てるという方法もあるでしょう。

ご紹介したそれぞれの過程については、ここで詳しくご説明することはできませんので、さらに知りたい方は専門書や専門サイトなどを探してみてください。また、模型店にはKATOやトミックス以外にも、多くのメーカーから便利なレイアウト材料や楽しいアクセサリが売られていますから、ぜひ足を伸ばしてみてください。色々なヒントやアイデアを見つけることができるでしょう。

最後に、レイアウトにはホコリが大敵です。運転するとき以外はホコリがかからないよう、何らかのカバーをかけておくことをお勧めします。私は新聞紙をかぶせていますが、細い部品の多いレイアウトでは、大きな箱を作ってかぶせるか、専用の収納場所を作るとよいかもしれません。部屋に置いてある大きなレイアウトが汚れてくると、部屋全体が薄汚く見えてくることがあり、本人はよくても家族は迷惑しているということにもなってしまいます。


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